Blackmagic Designは、Blackmagic URSA Cine 12Kを発表した。主なラインナップの希望小売価格は以下の通り。
- Blackmagic URSA Cine 12K:税込2,428,000円
- Blackmagic URSA Cine 12K + EVF:税込2,698,000円
同製品は、新しい高度なテクノロジーをポストプロダクションワークフローに完全に統合するデジタルフィルムカメラ。新モデルは、新しいラージフォーマットのRGBW 36x24mmイメージセンサーを搭載。大きなフォトサイトにより16ストップのダイナミックレンジを提供し、交換可能なPL、LPL、EFレンズマウント、業界標準のLemoおよびFischerコネクターに対応している。Blackmagic URSA Cine 12Kには8TBの高性能ストレージが内蔵されており、メディアのアップロードおよびBlackmagic Cloudへの同期が可能な高速ネットワーキングもサポート。
URSA Cineは、4Kから巨大な12Kまですべての解像度で優れた画質を提供するよう設計された、新センサーを搭載している。この大型センサーは、URSA Mini Pro 12Kのテクノロジーに基づくもので、より大きなフォトサイトにより、16ストップのダイナミックレンジを実現。独自のRGBWアーキテクチャは、赤、緑、青のピクセル数が同じであるため、あらゆる解像度で驚くほどリッチなカラーが得られ、究極の画質および柔軟性が提供されるよう最適化されている。
URSA Cineは、あらゆるハイエンド撮影のニーズに応えるよう設計されている。重量バランスの取れたボディは、堅牢なマグネシウム合金製の筐体と、軽量のカーボンファイバー・ポリカーボネートによる仕上げが施されており、撮影現場ですばやく移動可能。標準のLemoおよびFischerコネクターも搭載しているので、離れた場所からカメラをコントロールしながら、レンズモーターや他のアクセサリに給電可能。12G-SDI出力、10Gイーサネット、USB-C、XLRオーディオなども搭載。
センサーの全域を使用することで、驚異的な3:2オープンゲートのイメージが得られ、ポストプロダクションでショットのリフレーミングも可能。または、大きなセンサーエリアを用いてアナモルフィックで撮影し、1.3、1.5、1.6、1.66、1.8、2倍のデスクイーズを行い、様々なアスペクトレシオで納品することもできる。さらに、センサー全体を使用して、4K、8K、12Kをクロッピングなしで撮影すれば、レンズの視野を完全に維持することも可能。9Kスーパー35の4パーフォ、3パーフォ、2パーフォモードもあり、従来のシネマレンズと完全な互換性が得られる。
異なるプロジェクトでは異なるレンズが必要になるため、URSA Cineは交換可能なレンズマウントを搭載。PL、LPL、EF、ハッセルブラッドレンズマウントにすばやく交換できる。また、各マウントの接続ピンではメタデータを読み込めるので、モニタリングやポストプロダクションでの使用に便利としている。
URSA Cineには複数のモニタリングオプションがあるので、撮影現場でスタッフがすばやく作業できる。開閉式モニターは、片側に5インチの大型HDRタッチスクリーン、反対側にカラーのステータスLCDを搭載。カメラの右側はアシスタント用のステーションで、2つ目の5インチHDRタッチスクリーンがあるので、スタッフがカメラ周辺で作業する上で外部モニターは必要ない。フォーカスプラー専用のモードもあり、完璧なフォーカスが得られる。
様々な業界標準コネクターを搭載しているURSA Cineは、ハイエンドの映画撮影に最適。フロントの7ピンLemoコネクターおよび3ピンFischerコネクターは、収録の開始/停止と24V電源に対応しており、フォーカスモーターなどのアクセサリに理想的。カメラ電源は標準24V 8ピンLemoコネクターで供給され、背面には低ボルテージのアクセサリ用に2ピンLemo 12Vコネクターもある。
Blackmagic RAWファイルは、カメラのメタデータ、レンズデータ、ホワイトバランス、デジタルスレートの情報、カスタムLUTを保存するので、現場やポストプロダクションで、イメージの一貫性を保つことが可能。URSA Cineは、同梱のBlackmagic Media Module 8TBに収録を行うので、12KのBlackmagic RAWで4時間以上、4Kで20時間という長時間の撮影が可能。
URSA Cineは、センサーに精密にマッチした高性能光学ローパスフィルターを内蔵。また、光学ローパスフィルターには、改善されたIRフィルターが搭載されており、遠赤色の色反応が向上している。URSA CineのBlackmagic RAW処理と組み合わせられることにより、色とイメージの重要なディテールが保持され、より優れたイメージ忠実度が実現する。
URSA Cineは、超高速・大容量のCloud Storeテクノロジーを搭載した初めてのデジタルフィルムカメラ。Blackmagic Media Moduleは、高速かつ堅牢な、8TBの大容量ストレージ。この高速ストレージにより、最高の解像度およびフレームレートで数時間にわたる収録が可能で、高速10Gイーサネットでファイルに直接アクセスできる。または、デュアルCFexpressスロットに対応したオプションのBlackmagic Media Module CFで、すでに所有しているメディアを使用することも可能。
Blackmagic Media Dockは、編集およびカラーコレクションの開始を高速化・簡易化することで、ポストプロダクション・ワークフローを加速させる。最大3つのBlackmagic Media Moduleをマウントすることで、複数のURSA Cineカメラから同時にメディアに高速でアクセス可能。4つの高速10Gイーサネットポートには、4台までの編集ワークステーションを個別に接続できる。複数のユーザーが同時に接続した場合でも極めて高速だという。
URSA Cineは、収録の際に作成されるカメラのオリジナルメディアに加えて、小容量のH.264プロキシファイルの作成もサポート。小容量のプロキシファイルは、数秒でBlackmagic Cloudにアップロードできるため、スタジオでリアルタイムにメディアを使用できる。エディターが作業している最中に、メディアを直接DaVinci Resolveのメディアビンに送信できる機能は、これまでにない革新的な機能としている。
映画セットからのライブ配信も可能になった。URSA Cineは、ハードウェア配信エンジンを内蔵しており、主要プラットフォームまたは直接クライアントへのRTMPおよびSRT配信をサポートしている。イーサネット、高速WiFi、または4G/5G携帯電話のモバイルデータで、インターネットに接続するだけだという。
URSA Cineは、オプションのBlackmagic URSA Cine EVFをサポートしているので、屋外および手持ちでも正確かつ簡単に撮影できる。高品質の1920 x 1080カラー有機ELディスプレイおよび近接センサーを搭載。また、4枚構成のガラスディオプターは広いフォーカス調整に対応しており、極めて正確なフォーカスが得られる。デジタルフォーカスチャートを内蔵しているため、ビューファインダーのフォーカスを完璧にセットアップできる。
URSA Cineは、カメラの背面に8ピンのLemo電源コネクターを搭載しており、24Vおよび12V電源をサポート。つまり、既存の電源、バッテリー、アクセサリを用いてカメラを簡単に使用できる。URSA Cineには、大容量の250W電源およびBマウントバッテリープレートが同梱されるので、IDX、Blueshape、Core SWX、BEBOBなどのメーカーからの幅広い種類の高電圧バッテリーを使用可能。
URSA Cineには、撮影を始める上で必要なものがすべて同梱される。カメラは頑丈なペリカンケースに入っており、ケース内のフォームはカメラとアクセサリが正確かつ安全に収まるよう切り抜かれている。カメラ筐体にはPLレンズマウントが取り付けられているが、交換可能なロック式EFマウントも付属するので、より重いシネマレンズを使用する際に安全に固定できる。8TBのMedia Moduleもフォーマットされた状態で取り付けられており、すぐに撮影を開始できる。他にも、トップハンドル、高速WiFi用のアンテナ、ベースプレート、24V電源、高電圧Bマウントバッテリープレートを搭載しており、すばやいセットアップが可能。
Blackmagic DesignのCEO、グラント・ペティ氏は次のようにコメントしている。
私たちが望むすべての機能を備えた、夢のハイエンドカメラを作りたいと考えました。その夢を形にしたのが、Blackmagic URSA Cineです。完全に新世代のイメージセンサーと業界標準の機能とコネクターを搭載した筐体で、ハイエンドワークフローにシームレスに統合できます。このカメラの設計には費用を惜しみませんでした。この製品が撮影からポストプロダクションまで、制作の全段階に革命をもたらすと確信しています!
Blackmagic URSA Cine 12Kは、NAB 2024のBlackmagic Designブース(#SL5005)にて展示される。