Blackmagic Designによると、株式会社ジェイ・スポーツ(以下:J SPORTS)のオンデマンド配信用のサブシステムでBlackmagic Designのワークフローを採用し、日々のコンテンツ配信に活用しているという。同ワークフローには、ATEM 4 M/E Production StudioスイッチャーやSmart Videohub 40×40ルーター、Teranex AVコンバーターを含む数多くの製品が使用されている。
J SPORTSはスポーツ専門テレビ局として、4つのチャンネルを運営している。国内外のスポーツイベントのテレビ放送をメインに「J SPORTSオンデマンド」の配信や、オンラインショップでスポーツグッズの販売など、スポーツに関する様々な事業を展開している。
同社技術本部制作技術部の和氣雄一郎氏は、次のようにコメントしている。
和氣氏:2022年にオフィスの移転に合わせてシステムを新たに構築しました。それまではテレビ放送とオンデマンド配信にてサブシステムを共有していたのですが、視聴者のライフスタイルの変化に伴い、現在はテレビ放送コンテンツの9割を配信しており、配信限定のコンテンツも増えてきているため、システムを分けた方がいいということでテレビ放送のサブシステムとは別に、配信専用のサブシステムを構築しました。
以前のシステムでもTeranex AVやHyperDeckを使っており、特にHyperDeckは放送サイマルでのコンテンツ配信の際に、配信権利のないコマーシャルの部分をフィラー映像で差し替えるCM差し替え用VTR送出装置として毎日24時間連続稼働していましたが、不具合もなく安定して運用できました。そのときの経験もありBlackmagic製品をメインとしたサブシステムを構築することに決めました。
現在、配信のサブシステムで使用されているのがATEM 1 M/E Production Studio 4Kスイッチャーとそのコントロール用のATEM 1 M/E Advanced Panel 10。さらに予備としてATEM Television Studio HDが設置されている。
和氣氏:弊社放送サブでの冗長系統の構築事例としては、バックアップ系統はその前段のマトリクススイッチャーを直接切り替えるという系統で構築しておりましたが、Blackmagic Design製品は価格が手頃なので、予算内で予備スイッチャーも導入することができました。さらに主にCGのFill/Keyモニタリング用にSmartScope Duo 4Kも使用しています。
同社配信サブシステムでは、膨大な数の配信コンテンツに対応するため、このATEMスイッチャーとSmartScope Duo 4Kモニターの構成によるサブシステムが3式使用されている。
和氣氏:3式ともまったく同じ構成になっているので、状況に応じて空いているところを使います。それら3式を束ねるマトリクスルーターとしてSmart Videohub 40×40とそのコントロール用のVideohub Smart Control Proでコンテンツに応じてアサインを変更し運用しております。
配信サブシステムではそのほか、SmartView 4Kモニター、大型モニターに各サブシステムのアサインを16分割で表示するためのMultiView 16、Teranex AV (4式)、収録用にHyperDeck Studio Mini (2式)とVTR再生用にHyperDeck Studio (2式)、数多くのMicro Converter SDI to HDMI 3Gも使用されている。
和氣氏:シンプルな配信の場合はワンマンオペレーション、試合の得点などを常に更新して表示しないといけないような場合はCG用のスタッフをつけて2人体制でオペレーションを行っています。オペレーションはおもに業務委託している外部のスタッフが行っていますが、すぐに使いこなせるようになって、使いやすいサブシステムに仕上がったなと思います。