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ワイヤレスカメラを装着したカメラマン(写真左)とローカル5G基地局(写真右)

株式会社共同テレビジョン(以下:共同テレビ)と日本電気株式会社(以下:NEC)は、2024年5月5日に行われたラグビーの試合において、ローカル5Gを活用したワイヤレスカメラによる、生中継番組の検証を実施した。

背景

中継イベントにおいて無線伝送を行う場合、テスト時に問題がなくても本番時には多くの人が集まることから、Wi-Fi同士の電波干渉や公衆回線の混雑により、通信速度の低下や遅延が発生し、通信品質が安定しないことが多くある。

ラグビー中継では、約100mのタッチライン脇からの映像が求められ、カメラケーブルの設営や本番中のケーブルさばきなど、効率的な運用、さらなる安全面の配慮も必要なことから、安定した映像伝送が可能な中継カメラのワイヤレス運用が望まれていたという。

今回、免許制による電波干渉の影響が少ない自営無線ネットワークを、低遅延、大容量、同期・準同期による上り・下りの比率が可変などの特徴を持つ、ローカル5Gで構築することにより、安定した無線映像伝送の実現性を検証した。

実施内容

競技場にNEC製「ローカル5Gパック」を設置し、ローカル5Gネットワークエリアを構築した。これにより、ローカル5Gの低遅延かつ大容量通信の特長を活かして、選手の入場時や試合中の映像伝送をリアルタイムで行い中継番組を制作し、生放送の制作現場で検証を実施した。

ワイヤレスカメラはケーブルを引き回さないため、選手・審判など関係者の動線への支障が軽減されたほか、制作からは、競技場内をスムーズに移動、撮影できたことから、臨機応変に新しいカメラアングルを作るなど、臨場感ある映像を撮影できたと、好評を得たという。

協力各社

今後の展望

今回の取り組みで得られた知見を活かし、番組制作において、新たな映像演出につなげるとともに、さまざまな競技でのワイヤレスカメラの活用や、さらなる現場作業の効率化などが期待される。また、ローカル5Gを活用した無線ネットワークを通じて、会場内での新しい体験やサービスを提供したいと考えているという。

共同テレビとNECは、スポーツのみならず、コンサート、イベントなどにおいても、同様なローカル5Gを用いた映像伝送の実証実験を続け、映像伝送の効率化や、サービスの向上を目指していくとしている。