ローランドは、プロフェッショナルのイベント現場に持ち運んで、手軽に高品位な映像演出と音声調整ができる小型のビデオスイッチャー「V-80HD」を2024年8月下旬に発売する。また、V-80HDと組み合わせて使用できる無償のPC用映像演出ソフトウェア「Graphics Presenter」を2024年8月下旬に公開する。
- V-80HD:オープン(予定価格50万円前後)
- Graphics Presenter:無償
多彩なビデオ入出力と高品位のビデオエフェクト
HDMIと、業務用カメラで採用されることの多いSDIの入力端子を装備。最大で各4系統のHDMIとSDIの入力ソースをシームレスに切り替えることが可能。出力はHDMI 3系統、SDI 2系統、USB-Cストリーミング、LAN(RTMP/SRT規格対応)を含む複数の端子を備え、プロクオリティの映像を自在に操れるという。
目を引く映像を作り出す、印象的なビデオエフェクトやグラフィックのツールを多数搭載する。画面分割、画像スライド、背景にタイトルを配置したビジネス・プレゼンテーションなど、画面レイアウトを簡単に作成でき、あらゆる制作ニーズに柔軟に対応できるとしている。
高品質でスムーズな映像制作と幅広いニーズに対応
V-80HDでは、一般的なウェブカメラと同じ接続技術を使用。USB-C出力をPCまたはスマートフォンに接続するだけで、Zoom、Microsoft Teamsなどで映像配信を開始できる。LAN接続にも対応しているため、PCを使わずにYouTube、Facebook Live、Twitchなどで直接配信することも可能。
内蔵のレコーダー機能を使用して、イベントの模様を大容量のSDXCカードに保存可能。編集や配信用途に合わせて動画ファイルを提供できる。遠隔で首振り操作できるPTZカメラにも対応する。PTZカメラは小型であるため、目立たない場所にも設置可能。最大8台のPTZカメラを同時に操作できる。
簡単なボタン操作で、カスタムした画面を「シーン」として最大32件の保存・呼び出しが可能。さらに、「マクロ」では、スイッチング、オーディオミキシングの調整、PTZカメラの動きなど、複雑なアクション・リストを最大100件作成して実行できる。さらに高度な「シーケンサー」機能も搭載。最大1000ステップまで記録でき、各ステップにはシーンとマクロの両方を含めることができる。1人のオペレーターでも適切なタイミングで簡単に操作を行うことができ、映像制作を効率化できる。
専用ソフトウェア・アプリと、さまざまなリモート・デバイスとの接続に対応し、スムーズなオペレーションをサポートする。iPad用の無償アプリ「V-80HD リモート」はワイヤレス接続が可能。iPadからの機能操作も可能。「V-80HDリモート・コントロール・ソフトウェア」(Mac/Windows対応)を使用すれば、PCやモニターの大きく見やすいディスプレイを確認しながらスイッチャーの操作や作業の分担も行える。
本格的なグラフィックを映像に挿入できる無償ソフトウェア
Graphics Presenterを使用すれば、高価な業務用グラフィックプレゼンテーションシステムを導入せずに、魅力的なタイトルやグラフィックを作成できる。セットアップは、PCからスイッチャーへHDMIケーブル1本を接続するだけとしている。直感的な操作で、動きのついたテロップやスポーツのスコア、モーション・グラフィックなどを使用可能。編集できるテンプレートを豊富に取り揃えている。ソフトウェアとテンプレートは無償で、追加コンテンツをRoland Cloudからダウンロードできる。
今後のシステムアップデートにより、V-80HDのほか、ローランドのビデオスイッチャー「V-160HD」、「V-8HD」、AVミキサー「VR-120HD」、「VR-6HD」にも対応予定。
SRTによる安全なAV伝送
V-80HDは、映像伝送のオープンソース規格であるSRT(Secure Reliable Transport)に対応しており、暗号化された安全な音声と映像の伝送を実現する。SRTにより、LANまたはインターネット接続を介して、V-80HDの映像制作機能をシームレスに拡張でき、遠隔地からのカメラ映像へのアクセスと、ローカルのHDMIやSDIソースと切り替えての使用ができる。専用のSRTビデオ出力を、制作現場の別の建物など、外部へ送信することもできる。
今後のシステム・アップデートにより、V-80HDのほか、ローランドのAVミキサー「VR-120HD」、「VR-6HD」、「SR-20HD」にも対応予定としている。
プロ・クオリティのサウンドを実現するオーディオ機能
28チャンネルのオーディオミキシングに加え、豊富なプロセッシングツール、入出力のルーティングオプション、オートメーション機能を搭載。高品質なボーカル・プロセッシングや、ストリーミング中のレベル管理に便利なラウドネス・ゲイン機能など、すぐに使えるエフェクトでサウンドを適切に調整することも可能としている。