ソニーは、αシリーズとして初めてVlogなど動画撮影に特化したAPS-Cイメージセンサー搭載のレンズ交換式VlogカメラVLOGCAM 「ZV-E10 II」を2024年8月2日に発売する。ラインナップと市場推定価格は以下の通り。
- ボディ(ZV-E10 II):約15.3万円前後
- パワーズームレンズキット(ZV-E10 II+PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS II):約16.4万円前後
- ダブルズームレンズキット(ZV-E10 II+PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS II+55-210mm F4.5-6.3 OSS):約18.6万円前後
カラーバリエーションはブラックとシルバーをラインナップする。ブラックボディのレンズキットにはブラックカラーのレンズ、ホワイトボディのレンズキットにはシルバーカラーのレンズが付属する。PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS IIのレンズ単体販売はブラックのみとなる。
進化した画質性能
裏面照射型のCMOSセンサーを新しく搭載する。静止画撮影時は有効約2600万画素、動画撮影時は1990万画素を実現したセンサーを搭載する。
参考資料 | ZV-E10 | ZV-E10 II |
センサー | APS-C 約2400万画素 | APS-C 約2600万画素 裏面照射 |
処理エンジン | BIONZ X | BIONZ XR |
AF | 位相差AF(425points) リアルタイム瞳AF |
位相差AF(759points) リアルタイム瞳AF |
連続撮影速度 | 11コマ/秒 | 11コマ/秒 |
シャッター方式 | メカニカル/電子 | 電子のみ |
カラーサイエンス | クリエイティブスタイル | S-Cinetone /クリエイティブルック Cinematic Vlog 設定 ユーザーLUT インポート |
動画性能 | 4K30p 4:2:0/8bit | 4K60p 4:2:2/10bit 5.6Kオーバーサンプリング |
動画時手ブレ補正 | アクティブモード(電子式) | アクティブモード(電子式)※進化 |
マイク | 指向性3カプセルマイク | インテリジェント3カプセルマイク |
操作性 | – | 直感的タッチインターフェース |
バッテリー | NP-FW50 | NP-FZ100(約610枚*) |
キットレンズ | – | 新型キットレンズ |
サイズ/質量 (本体のみ/バッテリーとメモリーカードを含む) |
115.2×64.2×44.8mm/343g | 114.8×67.5×54.2mm/377g (液晶モニター使用時。CIPA規格) |
画像処理エンジンは前モデルから約8倍よりリアルタイムに高速処理できるプロセッサー「BIONZ XR」を新しく搭載。動画性能は、5.6Kオーバーサンプリングから4K 60p/50p、6Kオーバーサンプリングから4K 30p/25p/24pに対応。ZV-E10の4K30Pから、大きな進化と言えるだろう。
センサーと画像処理エンジンのリニューアルで、低ノイズを実現した高感度性能を実現する。静止画、動画ともにISO感度100-32000を実現。静止画では拡張ISO 50-102400が設定可能なのも大きな進化ポイントである。
より高速で正確になったAF性能
AF性能も進化している。α7 IV譲りの「ファストハイブリッドAF」を搭載し、位相差AFとコントラストAFで被写体を素早く正確に捉えることが可能。さらに「リアルタイム瞳AF」を搭載し、人、動物、鳥の目の検出が可能。
「リアルタイムトラッキング」にも対応し、枠内で動く被写体にピントを合わせ続けることが可能。こちらは動画にも対応する機能だ。高速連写に関しては、ZV-E10でも搭載していたAF/AE追随の連続撮影で最大11コマ/秒を引き続き搭載している。
多彩な映像表現
カメラにプリセットされた画作りのための「クリエイティブルック」を搭載する。α7 IVから搭載された機能で、α7R VやZV-E1にも搭載中の人気の機能だ。10種類のプリセットが搭載されており、写真全体の雰囲気を手軽に変えることができる。コントラストや彩度を調整することで、自分の味付けを作れて、何気ない日常をカメラで撮る楽しさを見つけることが可能だ。
さらに映画のような映像を直感的な操作で実現できるシネマティックな映像表現を実現できる「シネマティックVLOG設定」を継承している。シネマスコープのアスペクト比「Cinema scope 2.35:1」やフレームレート「24p」、AFトランジション速度「High」「Mid」「Low」を設定できる。さらに5つの「Look(ルック)」と4つの「Mood(ムード)」というのを掛け合わすことで、自分の絵作りが可能。映像は難しいと思われている人でも、簡単に映画のような画作りが可能になる。また、ZV-E10 IIはレンズ交換に対応し、広角から望遠まで、レンズを交換することで楽しむことが可能だ。
画質性能に関しては、ZV-E10の4K30pで4:2:0 8bitから、ZV-E10 IIでは4K60Pの4:2:2 10bitの撮影に対応。Lookに関しては、上位機種で使われていたS-CinetoneやLUTインポートも搭載する。さらにメタデータは、ブリーシング補正、ショットマーク、レンズ情報の付加など、ポストプロダクションにも使える機能を搭載している。
ZV-E10 II | ZV-E10 | |
解像度 | 4K 60P | 4K 30P |
カラーサンプリング | 4:2:2 10bit | 4:2:0 8bit |
記録方式 | XAVC S XAVC HS XAVC S-I |
XAVC S |
Look | S-Log3 S-Cinetone LUTインポート |
S-Log2/3 |
メタデータ (CTB/CTP/MTC) |
・手ブレ補正 ・ジャイロ情報 ・ユーザーLUT ・レンズブリージング補正 ・ショットマーク ・レンズ情報 |
・手ブレ補正 ・ジャイロ情報 ・ユーザーLUT |
動画性能の部分では、電子式手ブレ補正搭載のアクティブモードを搭載。歩きながら手持ちで撮影しても、ブレの少ない安定した映像が得られる。ピント合わせによる画角の変化を抑えるブリージング補正にも対応し、スムーズなAFのトランジションが可能だ。
動画を楽しめる機能として、前モデルでも好評の「スロー&クイック」と「タイムラプス」を搭載する。スロー&クイックは、カメラ内でスローモーションの動画を作ることができて、120FPS撮影から24P書き出しによる最大5倍のスローモーション撮影が可能。タイムラプスは、撮影間隔は1秒~60秒まで設定可能。
音質性能の面では、カメラだけでも質の高い音質の収録が可能。指向性のある3指向性カプセルマイクを内蔵する。カプセルマイク自体はZV-E10でも搭載していたが、ZV-E10 IIでは指向性を選べるようになっている。ZV-E10から好評の風防を搭載可能で、付属のウィンドスクリーンを取り付けることで風の強い屋外でのノイズを軽減し、話し手の声をクリアに録音が可能になる。
デジタルオーディオインターフェースに対応したマルチインターフェース(MI)シューを搭載し、外付けマイクやアクセサリーにも対応する。
大きさはそのままにフルサイズ機同等のバッテリー対応を実現
ZV-E10やα6400、ZV-E10 IIと比較して、本体サイズは変わらない。α6400と比べると約50gほど軽量化を実現しつつ、フルサイズ機と同等のバッテリー「NP-FZ100」を搭載する。NP-FW50と比較して約2倍の高容量バッテリーNP-FZ100対応により、ZV-E10から約150枚から200枚ほど撮影枚数が伸びている。
ZV-E10 II | ZV-E10 | |
Type | Z バッテリー NP-FZ100 |
W バッテリー NP-FW50 |
Still | 約610枚 | 約440枚 |
Movie | 約130分 (実動画撮影時) |
約80分 (実動画撮影時) |
液晶モニターは、タッチスクリーンに対応。タッチアイコンを使用すると、撮影モードなどをすばやく変更できる。バリアングル液晶モニターを搭載し、あらゆる角度からの撮影が可能。約103万ドットの液晶モニターを搭載し、屋外での撮影時は晴天設定、屋内での撮影時は明るさを5段階マニュアルで調整できる。
操作性の面では、縦位置に対応した情報表示に対応。画面に表示される撮影情報のレイアウトが縦向きに自動的に切り替わる。タッチアイコンはZV-E10から非常に増えており、画面上でいろいろな操作が可能だが、縦位置撮影の際に画面のアイコンの配置は変わらなかった。ZV-E10 IIでは、画面に表示される撮影情報のレイアウトが縦向きに自動的に切り替わる。
ソーシャルメディアへの直接アップロードに対応する。Creators’ Appを使うことで、簡単に取り込みと共有が実現可能。無線での転送も可能だが、Creators’ Appを使った有線での転送も高速で実現できるのも大きな特徴だ。