株式会社博報堂プロダクツは、国内最大級のバーチャルスタジオ「HCA factory.」を擁する、株式会社HCAと業務提携を締結した。
映像撮影を時間・空間の制約から解放するバーチャルプロダクション
天候やスケジュールに左右されにくく、臨場感あふれる映像を制作できるバーチャルプロダクションは、様々な映画やドラマなどでも採用されているという。バーチャルプロダクションとは、LEDなどから映し出されるバーチャル背景と実物の被写体をリアルタイムで合成し、あたかもその空間で撮影したかのような表現ができる革新的な撮影技術。環境光による美しい反射と映り込み、没入感、リアルタイムグレーディングによってリアルとバーチャルの境界が消失するような映像表現が実現するという。
今回の業務提携によって、博報堂プロダクツではバーチャルプロダクションを中心とした革新的な撮影手法の多拠点ネットワーク(千葉県八街市、東京都江東区、世田谷区など)を構築するとともに、バーチャルプロダクションでの撮影における企画から制作までトータルコーディネートする「バーチャルプロダクションスーパーバイザー」の育成もスタートする。
本業務提携における具体的な取り組み
- バーチャルプロダクションスタジオの多拠点ネットワークを構築
千葉県八街市にある国内最大級のスタジオHCA factory.を中心に、世田谷区用賀のマルチパーパススタジオ、江東区豊洲の高精細シズルモニターステージなど、国内有数のバーチャルプロダクションネットワークを構築。タレント撮影、動画+グラフィックのセット撮影、自動車撮影、群衆撮影、シーズンごとのアパレル大量撮影、化粧品や商品パッケージ撮影、飲料・料理シズルなどの広告撮影をはじめ、映画やドラマ、ミュージックビデオ、ライブ配信など様々な映像制作に対応する。 - バーチャルプロダクションのエキスパート井村氏によるコンサルティング
卓越した知識と豊富な経験を持ち、カメラマンの視点を生かしたバーチャルプロダクション撮影を企画からフィニッシュまでトータルでコーディネートできるバーチャルプロダクションのエキスパートである井村宣昭氏をVPテクニカルスーパーバイザー兼映像事業戦略顧問として同社に迎えることで、井村氏が持つ専門知識と技術力、同社が持つクリエイティブ力と実施力を活かし、革新的な映像制作を提供するという。 - バーチャルプロダクション撮影に特化した次世代クリエイターの育成
バーチャルプロダクション撮影において、企画から制作までトータルコーディネートする「バーチャルプロダクションスーパーバイザー」。バーチャルプロダクション撮影に必要な要素は、LEDスクリーンやインカメラVFX、システムなどのハードだけではないという。現在最も必要とされているのは最適な制作手法を提案・実施できるクリエイターであるという。海外でも需要の多いバーチャルプロダクションスーパーバイザーの育成をスタートする。 - 映像制作プロセスにおけるクリエイティビティとサステナビリティの両立
バーチャルプロダクション撮影は、様々な場所や時代、時間や季節でも再現可能。クリエイターによる無限の創造性を生み出し、新しい映像体験を提供することができるという。また、物理的なロケーション撮影やセット構築の必要がなくなることで、撮影現場への移動、物流にかかる時間、廃材の削減にもつながり、環境負荷を軽減することでプロジェクト全体の効率化を図るという。 - AI技術を活用した背景アセット制作
バーチャルプロダクションの背景には大きく分けて、撮影、CG、AIと三つの手法がある。博報堂プロダクツでは、最先端のAI技術を活用した背景を社内外のクリエイティブチームと連携し制作。撮影ニーズの高いロケーションや目的に合わせた背景アセットを提供するという。