Elgatoは、Bitfocus社と共同で「Stream Deck Studio」をリリースすると発表した。Stream Deck Studioは、プロのブロードキャスターがツールを操作する方法を再定義する、カスタマイズ可能なコントロールサーフェス。32個のLCDキーと2つの回転ダイヤルを備えた19インチコンソールの形状となっている。ユニバーサルスタジオラックにシームレスに挿入され、高度なブロードキャスト機能を犠牲にすることなく、多数のハードウェアとソフトウェアのコントロールを統合する。
Elgatoは、2017年にStream Deckをリリース。その後すぐに、コンテンツクリエイターのワークフローを簡素化する方法に着目したBitfocus社は、Stream Deckを従来の放送環境で使用できるように再利用したカスタムソフトウェアCompanionを開発した。両社ともに、Stream DeckとCompanionが広く採用されていることを受け、よりカスタマイズされたソリューションの可能性を確証し、Stream Deck Studioの共同開発にいたったという。
Elgatoのゼネラルマネージャーである、ジュリアン・フェスト氏は、次のようにコメントしている。
フェスト氏:Bitfocus社との関係が深まったことが、このビジョンの実現に大きく貢献しました。
Bitfocus社はプロ放送業界のエキスパートであり、優れたソフトウェアを構築する能力も持っています。コミュニティからのフィードバックに迅速に対応してくれたおかげで、Stream Deckデバイスは、もともと個人のコンテンツクリエイター向けに設計されたにもかかわらず、放送分野で進化を続ける強力なツールになりました。
Stream Deck Studioは、Bitfocus社のDNAが組み込まれている点でユニークです。プロの放送の厳しい要求を満たすためにゼロから構築されています。
Stream Deck Studioは、Bitfocus社の定評あるCompanionソフトウェア上で動作する。最新ソフトウェアである「Buttons」は、Stream Deck Studio専用に構築された機能により、優れたユーザーエクスペリエンスを提供するという。インターフェイスはソフトウェアから完全にカスタマイズ可能で、ユーザーはパーソナライズされたアイコンとテキストラベルを使用してレイアウトを定義しすばやく識別できるため、高速かつ直感的にナビゲートされる。
ソフトウェアの統合により、デバイスのLCDキーに瞬時に視覚的なフィードバックが表示されるため、アクションとシステムステータスをリアルタイムで確認可能。また、2つのロータリーLEDエンコーダーにより、迅速なナビゲーションと動的な制御が可能になる。オンボードのRFID/NFCリーダーは、ソフトウェアと連携して、ユーザー認証と許可ベースのアクセス制御を管理。さらに制御が必要な大規模なシステムの場合は、複数のStream Deck StudioデバイスをButtonsでリンクして構成し、統合されたコントロールサーフェスとしての機能を実現する。
Buttonsは検証済みの統合で動作し、業界の主要ベンダーの膨大なハードウェアおよびソフトウェアライブラリとの幅広い互換性を確保するという。同ソフトウェアの主な機能には、mDNS Discoveryによる自動デバイス識別、NMOSおよび従来のベースバンド機器のタグベースルーティング、最新のプロトコルによるIPベースのブロードキャストのサポート、リアルタイムのインフラストラクチャ監視、リモート操作用の直感的なWeb GUIなどが含まれる。
Bitfocus社のCTOであるウィリアム・バイカー氏は、次のようにコメントしている。
バイカー氏:Stream Deck StudioとButtonsは、放送システムの運用方法を完全に合理化します。
これまで、機器の複雑な構成を管理することは決して簡単ではありませんでした。Buttonsの柔軟性とStream Deck Studioの直感的なインターフェイスを組み合わせることで、ユーザーは、例えば、物理的なケーブルの切り替えを必要とせずに、信号を迅速かつ簡単にルーティングできます。
これにより、エラーが減少するだけでなく、セットアップと調整に必要な時間も大幅に短縮されます。オペレーターと技術者は、面倒な手動プロセスに煩わされることなく、創造的な問題解決と高い制作品質に集中できるようになりました。
Stream Deck StudioとButtonsは、放送制御技術の大きな飛躍を象徴し、競合システムに比べていくつかの利点があるという。
完全なカスタマイズ性により、オペレーターは特定のワークフローに合わせてインターフェイスを調整でき、直感的なデザインにより、新しいユーザーの学習曲線が短縮される。レガシープロトコルと最新プロトコルをサポートしているため、様々な放送環境でシームレスな操作が保証され、スムーズな拡張性により、進化し成長する制作ニーズに対応できるという。
追加のサードパーティソフトウェア統合も計画されており、特にNevionのVideoIPathとの統合により、Stream Deck Studioは主要なメディアオーケストレーションプラットフォームのユーザー専用コンソールとなる。