Blackmagic Design導入事例:ミュージックビデオ制作「RKM Studios」の場合

Blackmagic Designによると、ロサンゼルスを拠点にプロダクションおよびポストプロダクションのフルサービスを提供するRKM Studiosが、最近制作した複数のミュージックビデオにおいて、Blackmagic Cloud、Blackmagic Cloud Store(ネットワーク・ストレージ・ソリューション)、DaVinci Resolve Studio(編集、グレーディング、VFX、オーディオポストプロダクション用ソフトウェア)を使用したという。

音楽アーティストのニック・フェニックス氏が、同氏の新作アルバム「Underdog」の一連のミュージックビデオ制作について映像制作者のライアン・マクニール氏に連絡した際、マクニール氏は胸が高鳴ったという。

マクニール氏:ファンタジーをテーマとしたミュージックビデオを作ろうというニックのアイデアを聞いて、非常に興味をそそられました。

アルバムリストを見ながら曲を聴いていくと、そのうち3曲に特に強い一貫性を感じました。そこから、若い女性がファンタジーの世界で復讐に飲み込まれそうになる3部構成のミュージックビデオを作るアイデアが生まれました。

ニック・フェニックスはそのアイデアを大変気に入った。二人はこのプロジェクトの撮影を行うために、今回のミュージックビデオの物語に合う壮大な景色を撮影できるアイルランドへと出発した。

Blackmagic Design導入事例:ミュージックビデオ制作「RKM Studios」の場合

コンセプトは大きく広がっていたが、予算はそうではなかったため、マクニール氏は撮影とポストプロダクションを含む全工程を能率化できる最善の方法を探っていた。

マクニール氏:URSA Mini Pro 12KのBlackmagic RAWを含め、様々なフォーマットで撮影することを考えていました。

3日間のロケ撮影で、毎日デイリーを確認したいと思っていました。そこでBlackmagic Cloud Storeの存在を知りました。高速で信頼性の高いストレージであるだけでなく、ラックサーバーにマウントする必要のないポータブルな製品であることがわかりました。

また、このプロジェクトのエディターは移動しながらリモートで作業を行う予定だったので、Blackmagic Cloudに搭載された様々な機能とCloud Storeの組み合わせは非常に魅力的でした。

撮影中、制作チームは2台のBlackmagic Cloud Store 20TBシステムを、現場におけるメイン撮影のリダンダント・バックアップとして使用した。Blackmagic Proxy Generatorで継続的なプロキシ作成が行われ、エディターはBlackmagic Cloud Store Mini 8TBネットワーク・ストレージ・ソリューションを使用してプロキシを同期させることで、撮影中に編集を開始できた。

マクニール氏:すべてがウェブ上で簡単に同期しました。

エディターのポール・コール氏はプロジェクトの早い段階から参加し、今回の大規模な撮影にどのようなツールが必要かをすぐに理解した。

コール氏:他のノンリニア編集ツールを使用した場合の最大の問題は、コラボレーションツールがないことでした。

この3つのビデオは、バンドの新作アルバムに合わせてリリースされる予定だったので、納期まで時間がありませんでした。したがって、DaVinci Resolve Studioですべてのポストプロダクションを行うのが理にかなっていました。そうすることで、チーム全員が異なるプラットフォームを使用するのではなく、同じソフトウェアで同じフッテージ、同じVFX、同じカラーにアクセスできるからです。

マクニール氏は、ポストプロダクション・パイプライン全体を1つのパッケージで管理できることにも満足していた。

マクニール氏:私と制作チームのメンバーがResolveのコラボレーション・プロジェクトで作業を行うことで、編集、カラー、サウンドデザイン、VFXの作成を同時に進行できました。

ある部屋でポールがラフカットに取り組む間に、私は別の部屋でフッテージを管理したり、サウンドデザインについて考えたりしていました。ラフカットが出来上がり次第私がカラーを始めるなど、同じプロジェクト内で問題なく作業を行うことができました。ラウンドトリップ、映像の固定、スケジュールが合わない問題などは、一切ありませんでした。ポストプロダクションのすべてを同時に進行できました。

Blackmagic Design導入事例:ミュージックビデオ制作「RKM Studios」の場合

3つのビデオの監督とそれらのカラーグレーディングも担当したマクニール氏は、このプロジェクトが始まった当初から独自のビジュアルにゴールを定めていて、同氏のDaVinci Rsolveにおける豊富な経験から、そのビジュアルを完成させるために必要なツールを理解していた。

マクニール氏:この3つのビデオを通して、壮大なファンタジーの物語を伝えたいと考えていました。

他の多くのミュージックビデオでもそうですが、限られた時間および資源で目的を達成する必要があります。しかし、Resolveの経験があったおかげで、撮影現場で適応することができました。

1つ目のビデオ「Ashes and Fire」では、主人公たちが崖に沿って歩くショットがありますが、これを撮影できる時間が真昼間しかありませんでした。しかし、撮影の時点で、ポストプロダクションでこのショット全体を霧がかかった朝のように変更し、ドラゴンの骨を合成して非常に雰囲気のあるルックにできることはわかっていました。合成をすべてResolveのカラーページで実行できたのが最大の利点でした。

コール氏にとって、柔軟性はポストプロダクションの新しい方法を考える上での鍵だった。

コール氏:過去の編集作業で直面していた課題のひとつに、プロジェクトを全体で見るのではなく、各ステップに分けて考えなくてはいけないという点がありました。

編集を固定するだけのために、カットに仮のカラーとVFXをつけてクライアントに送信して承認をもらっていたのです。今回のビデオでは、編集を進めながらカラーとVFXの作業も行うことができたので、カラー、編集、VFXに関するコメントを同時に受け取ることができました。このスタイルのポストプロダクションに慣れるには少しだけ時間が要りましたが、今では私たちが最初から最後まで手がけるほぼあらゆるポストプロダクションにおいて一番やりやすい方法となっています。

私たちの業界では、コラボレーションは作業プロセスの重要な一過程として考えられています。Blackmagic CloudとDaVinci Resolveのコラボレーションツールがあれば、これが文字通り可能になります。ポストプロダクションチームの全員が同じプロジェクト上で作業し、すべての素材、タイムライン、プラグイン、書き出しにアクセスできました。複数人数で同時にプロジェクトに取り組めたことは、このワークフローにおいて不可欠でした。アーティスト、プロデューサー、クライアントだけでなく、他のチームメンバーもSNS用のスチルやアーカイブ用の素材を書き出すことができました。全員が他の作業をしている合間にです。

マクニール氏:Blackmagic Cloud、DaVinci Resolve、そしてコラボレーションツールを使用することで、非常にパワフルなツールセットを活用でき、デスク、オフィス、サーバールームの束縛から解放されます。

速いペースで進化し続けるポストプロダクション業界において、これは強力な特徴だと思います。ポストプロダクションの未来が見えたと強く感じました。

Blackmagic Design導入事例:ミュージックビデオ制作「RKM Studios」の場合