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ソニーは、幕張メッセ(千葉市美浜区)で2024年11月13日(水)から開催されるメディア総合イベント「Inter BEE 2024」に出展する。

会場では、「Creativity Connected ともに"つなぐ"コンテンツ制作の未来へ」のテーマのもと、放送・映像制作業界やクリエイターに向けた、最新の商品とソリューションを展示する。

ライブ制作ソリューション「Networked Live(ネットワークドライブ)」や、クラウド制作プラットフォーム「Creators’ Cloud(クリエイターズクラウド)」を活用した放送DXソリューション、国内初展示商品を含む豊富なイメージング商品群に加え、コンテンツ制作の新たな手法として活用が進むバーチャルプロダクションの進化を紹介する。

主な展示内容は以下の通り。

オンプレミス/クラウド・ライブプロダクション「Networked Live」

Networked Liveは、オンプレミス/クラウドに点在する制作リソースをハイブリッドに活用することで、より効率的なライブ制作をサポートするソリューション。場所にとらわれないシステム構築や、高画質・低ビットレート・低遅延の映像伝送に加え、ネットワークに接続されたカメラなどの機材の統合管理も可能だ。

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ブースでは、トータルワークフローを管理する、メディアオーケストレーションプラットフォーム「VideoIPath」や、映像制作の現場での活用が進むHEVC圧縮に対応した、メディア・エッジプロセッサー「NXL-ME80」、リモートプロダクションユニット「CBK-RPU7」、ソフトウェアベース IPメディアノード「Virtuoso MI」(HEVC圧縮への対応は2024年11月末予定)を展示する。

ブース内のコーナー間およびクラウドへのメディア伝送には、法人向け高速インターネット接続サービス「NUROアクセス」を利用する。

また、仮想プライベートクラウド環境やデータセンター、COTSサーバへの組み込みなどに対応する(2025年1月対応予定)、ソフトウェアスイッチャー「M2L-X」の展示や、リモートプロダクションユニット「CBK-RPU7」およびポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」とローカル5Gサービス「MOREVE(モアビ)」を組み合わせた5G映像伝送のデモも実施する。

※ Commercial Off-The-Shelf。特注ではない既製品のこと

クラウド制作プラットフォーム「Creators’ Cloud」

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Creators’ Cloudは、クラウド上での効率的なコンテンツ制作や共有、配信を実現するクラウド制作プラットフォーム。放送業界におけるDX化が進む中、ソニーが提案するクラウド素材伝送「C3 Portal」、クラウドスイッチャー「M2 Live」、クラウドメディアストレージ「Ci Media Cloud」、AI解析サービス「A2 Production」などの進化を紹介するとともに、クラウドサービスを活用した新たなワークフローを、ニュース制作やスポーツの番組制作・配信、コンテンツ管理などの利用シーンに沿って展示する。

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ニュース制作の展示においては、新たなファイルベースシステムのコンセプトも紹介する。

パッケージ型を採用したニュース制作ファイルベースシステム「Contents Production Accelerator」(参考出展)

2025年度中の提供開始を予定している、ニュース制作ファイルベースシステム「Contents Production Accelerator」を参考出展する。従来の放送局向けシステムは、カスタマイズベースで構成され、納入後のアップデート、メンテナンスの難易度が高く、運用負担が大きいという課題があったという。

Contents Production Acceleratorは、パッケージ型を採用した、新たなニュース制作ファイルベースシステム。仕様を標準化することで、定期的なバージョンアップを反映できるため、システム更新を待たず、最新のイノベーションおよびセキュリティ対策を取り入れることができるようになるという。

また、社外や遠隔地から手軽にプレビューできるWebベースの素材ブラウザー機能や、撮影現場から転送された素材をいち早く編集できる時差インポート機能など、即時性かつ効率性を向上する、さまざまな機能拡張を予定している。

国内初展示を含む豊富なイメージング商品群

CineAltaをはじめとするCinema Lineシリーズに加え、システムカメラやショルダーカムコーダー、プロフェッショナルモニター、デジタル一眼カメラαシリーズなどのカメラやレンズ群など、ソニーが提供する豊富なイメージング商品群を展示する。

国内初展示となるXDCAMメモリーカムコーダー「PXW-Z200」、NXCAMカムコーダー「HXR-NX800」や、17型4K液晶マスターモニター「BVM-HX1710N」、マルチパーパスカメラ「HDC-P50A」に加えて、業界をリードするAIオートフレーミング機能を搭載する、最新のPTZオートフレーミングカメラ「BRC-AM7」などを紹介する。

XDCAMメモリーカムコーダー「PXW-Z200」、NXCAMカムコーダー「HXR-NX800」(国内初展示)

4K 120p記録対応のXDCAMメモリーカムコーダー「PXW-Z200」、NXCAMカムコーダー「HXR-NX800」を国内初展示する。

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PXW-Z200(写真左)とHXR-NX800(写真右)

両機はAIによる被写体認識やオートフォーカスを搭載し、高精度なオートフォーカスによる撮影をサポートする。光学20倍ズームレンズやアサイン可能なリング・ボタン等による高い機動性や操作性、拡張性を兼ね備え、1台で高画質な撮影やネットワーク接続によるライブ配信を実現する(レンズリングアサインは、2025年6月以降対応予定)。

17型4K液晶マスターモニター「BVM-HX1710N」(国内初展示)

TRIMASTER HX搭載の17型4K液晶マスターモニター「BVM-HX1710N」を国内初展示する。同機は、マスターモニター「BVM-HX3110」で開発した技術を基に、BVMシリーズのモニターの特長である深い黒色や正確な色再現のほか、高ダイナミックレンジ、広い視野角、3,000cd/m2のピーク輝度および高速動画応答を実現し、EIA標準19インチラックに6U スペースで搭載可能。

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また、SMPTE ST 2110にも対応し、「Networked Live」で活用する際の利便性も向上いるという。

マルチパーパスカメラ「HDC-P50A」(国内初展示)

グローバルシャッター機能を備え、2/3型3板式4Kイメージセンサーを搭載したマルチパーパスカメラ「HDC-P50A」を国内初展示する。カメラ単体でSMPTE ST 2110 でのIP出力に対応するほか、カメラコントロールユニット(CCU)との接続や可変NDフィルターユニットの搭載にも対応している。

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CCUとの接続により、カメラの設置場所とコントロールルームが離れた撮影環境でも柔軟に運用できるほか、小型軽量な筐体を活かした空撮やクレーン撮影など、多様な撮影シーンで活用できるという。

バーチャルプロダクション

バーチャルプロダクションの活用領域はますます拡大しており、シネマやCM撮影のみならず、放送分野でも活用され始めている。ブースでは、映画制作業界や放送局向けに、より本格的なプリビジュアライゼーションを提供する「Virtual Production Tool Set」の最新バージョン(2024年冬提供予定)を紹介する。

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本番撮影のカメラ操作やルックを事前にバーチャル空間上でシミュレーションできる機能に、CineAltaカメラ「BURANO」、Cinema Lineカメラ「FR7」、マルチフォーマットポータブルカメラ「HDC-F5500」、「HDC-5500」、「HDC-3500」が新たに対応する。

また、iPadによるバーチャル空間上のカメラ操作に対応するほか、VENICEシリーズのカメラやレンズの設定変更を読み取り、Epic Games社のリアルタイム3D製作ツール「Unreal Engine」の設定に反映できるライブカメラシンク機能にも対応する。

ブースでは、CineAltaカメラ「VENICE 2」とシステムカメラ「HDC-F5500」によるマルチカメラでのバーチャルプロダクションのデモを実施する。