ソニーは、F2通しの大口径標準ズームレンズ「FE 28-70mm F2 GM」を2024年12月13日に発売する。希望小売価格はオープン。市場推定価格は税込約50万円前後。

単焦点に迫る描写力とズームの利便性を両立

ソニーのGシリーズまたはGMシリーズの標準ズームを整理すると、現在4モデルが発売中だ。購入しやすいクラスには、F4通しの「FE 20-70mm F4 G」「FE 24-105mm F4 G OSS」、F2.8通しの「FE 24-50mm F2.8 G」をラインナップ。もう1つのプロやハイアマチュアの定番クラスには、進化や信頼感の厚い「FE 24-70mm F2.8 GM II」が1本ラインナップされている。合計4モデルがラインナップ中で、その上に「F2」という頂上を作り出す新商品が登場する。

FE 28-70mm F2 GMは、αレンズ初となる開放F値2通しの大口径標準ズーム「G Master」となる。これまでの最大F値2.8から1段明るい倍の光量を取り込むことができるレンズとしてさらなる表現の幅を広げるとしている。28mmから70mmまでズーム全域で単焦点に迫る高い描写力と、ズームの利便性、ユーティリティというところを担保しつつ、F2ズームとしては小型軽量で機動力も兼ね備えてるレンズを実現している。

想定ユーザーとしては、単焦点並みの描写を求めながらもレンズ交換をしている暇がない、本当に撮り逃せない一瞬があるドキュメンタリー、ウェディング、ライブスポーツなどの被写体を捉えるプロフェッショナルな現場で求められるレンズとしている。

唯一無二の「F2ズーム」で単焦点に迫る描写を実現

上が広角で下が望遠、左が開放、右がF8。開放F値のMTFチャート。高い光学性能が実現できていることが、チャート上でもわかる。

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光学設計の面では、レンズエレメントの工夫を特徴としている。特に「超高度非球面XA(extreme aspherical)レンズ」を3枚搭載。ソニーのモデルでは、「FE 50mm F1.2 GM」が同数の3枚搭載。「FE 24-70mm F2.8 GM II」は2枚搭載で、それより1枚増えている形になっている。またXAレンズ以外にも、「スーパーED(extra-low dispersion)ガラス」3枚と、通常の「ED (特殊低分散) ガラス」1枚の計4枚の色収差を抑制するエレメントを採用している。

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F2通しの「大きなぼけ」と「なめらかで自然なぼけ味」が高い解像力と両立

ボケもこだわっており、F2通しの大口径で大きなボケとG Masterならではの滑らかで自然なボケ、それが先ほどの高い解像度との両立を実現できるポイントとしている。

一つ技術背景のポイントとして、新設計の11枚羽根の円形絞りユニットを搭載している。大口径レンズの画像周辺部で発生する「口径食」は、ぼけのなめらかさに大きな影響を与えるが、同レンズでは画面周辺部でも口径食を抑えるために2段絞っても円形を保つ11枚羽根の円形絞りユニットを搭載。ぼけ描写にこだわった撮影を可能にしている。

また、画面内に太陽光など強い光源がある逆光時でも、ソニー独自の「ナノARコーティング II」がフレアやゴーストを抑制。鏡筒内の反射も徹底的に抑える設計が行われている。

優れた光学性能と機能を高い携行性の鏡筒において実現

F2ズームでありながら、小型軽量設計を実現する。

  • FE 28-70mm F2 GM:最大径92.9mm x 全長 139.8 mm, 質量約918g
  • FE 24-70mm F2.8 GM II:最大径87.8mm x 全長119.9 mm、質量約695g
  • FE 24-70mm F2.8 GM:最大径87.8mm x 全長136 mm、質量約886g

ソニーのFE 24-70mm F2.8 GMの大きさや重さとほぼ同じサイズを実現する。それでいて、F2ズームの高い描写性能を小型ボディに閉じ込めて、機動力も担保できているのを1つ大きなポイントとしている。

高速・高精度・高追随かつ静粛なAF性能

オートフォーカスの性能部分も妥協なく作っている。α9 IIIのAE/AF追随最大120fpsの連写にも対応。今回はフローティングフォーカスを採用。フォーカスレンズ群を2つに分割して、それぞれに2機ずつ最適化されたXGリニアモーターを搭載しており、F2ズームの大きく重いレンズ群を高速かつ精緻に制御することを可能にしている。

また、フローティングフォーカス機構によって高い近接性能を実現する。最大撮影倍率は0.23倍、最短撮影距離はズーム全域で0.38mという形になっている。フォーカスブリージングの抑制でも非常に高いスペックを誇っている。

操作部には、FE 24-70mm F2.8 GM IIに配備されているものと同等のスペックを搭載。3連リングのフォーカスリングやズーム操作感切り換えスイッチを搭載する。また、フードは新型の花形フード(ALC-SH182)を付属する。開閉式操作窓もついており、装着しながらもフィルターとの操作を可能にしている。