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ブラックマジックデザインは、Blackmagic Cloudの新機能を発表した。新機能は無償でcloud.blackmagicdesign.comより利用可能。

Blackmagic Cloudストレージアプリの新しいアイコンビューでは、サムネイルをスクラブして映像をプレビュー可能。また、クリップのメタデータを簡単に確認できる新しいインスペクタパネルも追加された。さらに、Blackmagic CloudのメンバーではないクライアントとURLを使用してプレゼンテーションを共有し、コラボレーションおよびグループチャットを行えるようになった。

Blackmagic Cloudストレージアプリの新しいアイコンビュー

Blackmagic Cloudストレージアプリの新しいアイコンビューは、ウィンドウの右上で選択できる。このビューに表示されるメディアファイルのサムネイルアイコンにマウスポインターを重ねて動かすことで、サムネイルをスクラブし、クリップをスクロールできる。リストビューに切り替えれば、メディアのその時点でのコンテンツがアイコンに反映される。これにより、Blackmagic Cloudでクリップの内容を簡単に確認できるようになる。

ほとんどのメディアフォーマットはすでにイメージアイコンに変換済みであるが、処理中のメデイアもあり、それらは近日中に完了する予定だいう。Blackmagic Cloudは、一般的なメディアファイルフォーマットからのサムネイル生成を幅広くサポートしている。未対応のフォーマットにはジェネリックアイコンが表示される。

メタデータ用インペクタパネル

さらに、Blackmagic Cloudストレージアプリウィンドウの右側には、メタデータ用の新しいインペクタパネルが追加された。これにより、右上で情報アイコンを選択する際に、タブを開いて選択したクリップのメタデータを確認できる。また、クリップのメディアをマウスでスクロールできるビューもあるので、リスト内のクリップを簡単に選択できる。

非メンバーとプレゼンテーションを共有

Blackmagic Cloud Presentationsには、URLを使用してクライアントをプレゼンテーションに招待できる新機能が追加された。これにより、Blackmagic Cloudのメンバーではないクライアントとプレゼンテーションを共有する選択をすると、URLが生成され、Eメールにコピー&ペーストできる。クライアントとすばやくプレゼンテーションを共有して、簡単にコラボレーションでき、グループチャットを行うことも可能だ。

Blackmagic Cloudのログインウィンドウは、日本語、ドイツ語、中国語、スペイン語、フランス語、イタリア語、韓国語、ポーランド語、ポルトガル語、トルコ語、ウクライナ語に対応している。

Blackmagic Cloudでは、DaVinci Resolveのプロジェクトを世界中で共有できるため、世界有数のエディター、カラリスト、VFXアーティスト、オーディオエンジニアとコラボレーション可能。真にグローバルなワークフローが実現できる。Blackmagic CloudはDaVinci Resolveに内蔵されているだけでなく、Blackmagic Design製のほとんどのカメラ、無償のiPhone用およびAndroid用のBlackmagic Cameraアプリにも内蔵されている。

ライブ同期について

Blackmagic Cloudの鍵は、Cinema Camera 6K、PYXIS、URSA Cine、URSA Broadcast G2などの最新のBlackmagic製カメラが、フル解像度のHDプロキシをH.264で収録できる点にある。これらのファイルは、収録されると同時にBlackmagic Cloudにライブ同期され、その後、同じクラウドプロジェクトに接続されているすべてのDaVinci Resolveワークステーションにライブ同期される。撮影監督に必要な作業はプロジェクトの接続だけで、これは、カメラのユーザーインターフェースで確認できる。これだけで、後はすべて自動で実行されるのだ。

収録を始める前にカメラでBlackmagic Cloudにログインし、DaVinci Resolveプロジェクトを選択するだけで、接続されているすべてのDaVinci Resolveワークステーションに収録ファイルがライブ同期される。エディターが編集する間に、カラリストがカラーコレクションを適用可能。複数のカメラで同時に収録している場合は、新たに搭載されたマルチ同期機能により、全カメラがマルチビューで表示されるので、エディターは最も優れたアングルを選択できる。

このワークフローは、編集ソフトウェアへのライブ配信に似ている。ユーザーが再生を開始すると、再生ヘッドの先でメディアがビューアに同期されるので、再生が終わることはない。クリップの各セグメントが届くにつれて、再生インジケーターの位置が戻り、クリップの尺が長くなっていくのが確認できる。クリップがリモートカメラで収録中である場合、ビン内のクリップアイコンには赤い収録インジケーターが表示される。

つまり、カメラで収録を開始すると、撮影中にリモートのDaVinci Resolveシステムで編集とカラーコレクションを開始でき、オンセットのDaVinci Resolveシステムではカメラの収録が終わると同時にカラーグレーディングを確認することが可能。これにより、撮影現場で複雑なカラーグレーディングのセットアップを行う必要がなくなる。ポストプロダクション施設で大型のDaVinciパネルと色精度の高いモニターを用いて作業できるからだ。オンセットのDaVinci Resolveシステムは、ショットの撮影が終わった瞬間に、カラーグレーディングされたショットを再生するために使用できる。ポストプロダクションと撮影を同時に実行できる並列的なワークフローだ。

ニュースにおいては、歴史的な出来事が起きている瞬間に、URSA Broadcast G2などのカメラで収録を開始し、編集システムに同期できる。エディターは収録が終わるのを待つ必要なく、撮影が開始された瞬間からニュースの編集を始められ、数秒でそのニュースをオンエアできる。

収録中にメディアをオンエアすると放送局が決めた場合、必要な作業はDaVinci Resolveビューアで数秒戻り、再生を押すだけだ。DaVinci Resolveは、ライブ配信と非常に似た方法でメディアを再生する。DaVinci Resolveがメディアデコーダーとプレーヤーとして機能する。

Blackmagic DesignのCEO、グラント・ペティ氏は次のようにコメントしている。

ペティ氏:Blackmagic Cloudのサービスを開始して以来、ユーザーの皆様が世界規模でプロジェクトの共有やコラボレーションをさらに簡単に行えるよう、私たちは継続的にアップデートや新機能の追加を行っています・ユーザーの皆様からは継続的にフィードバックが寄せられています。今回、サムネイルでクリップをプレビューできる機能、クリップメタデータの表示、Blackmagic Cloudの非メンバーとシンプルなURLを使用してクリップを見ることができる機能を追加できたことを、大変嬉しく思っています。