パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社は、業務用ライブ映像制作・配信システム「IT/IPプラットフォーム KAIROS」の新ソフトウェア「バージョン1.8」を2025年2月に提供開始する。
KAIROSは、新機能の「Kairos Core複数台制御」やグラフィックプラットフォームである「Singular.live」や「Viz Flowics」との連携、16:10や5:4などのより多様な解像度への対応が含まれるバージョン1.8によって、大型ライブイベントや放送局など、高クオリティでリッチな映像演出を様々な現場で求める顧客に、負担・負荷を抑えつつ、自由度の高い映像制作と映像制作システムを提供するという。
バージョン1.8より、コントロールパネル「Kairos Control」1台に対して、最大2台のメインフレーム「Kairos Core」を接続できるようになり、最大2台のKairos Coreの同時制御が可能になる。これまではKairos Core側からは最大8台までのコントロールパネルの登録が可能であったが、コントロールパネル/Kairos Creatorは特定のKairos Core1台に対してしか登録できないため、複数台のKairos Coreを運用する場合はそれに応じた数が必要であった。
バージョン1.8から、最大2台のKairos Coreを1台のパネルで操作することができるため、より多くの映像ソースを扱うことが可能になり、大型イベントなどでのKAIROSを用いた運用の効率化を促進する。
バージョン1.8では、HTML5グラフィックスにも対応し、Singular.liveやViz Flowicsで生成したグラフィックスをKAIROSへ直接入力できるようになる。これによりKAIROSへ入力する前にファイル変換する必要がなくなり、スコア表示やステータス、テロップなどのグラフィックスを、Kairos Painterからより容易に使用できるようになる。
KAIROSアライアンスパートナーでもあるSingular社のCEOスティーブン・ハインボルド氏とVizrt社のガブリエル・バニョス氏は、次のようにコメントしている。
KAIROSとの統合により、エミー賞を受賞したSingular.liveグラフィックス・プラットフォームへのアクセスが拡大し、ライブ制作がよりシンプルで、手頃な価格で、スケーラブルになります。
Viz FlowicsのグラフィックをKAIROSのワークフローで直接使用することで、ライブ・プロダクションを簡素化、合理化するだけでなく、クリエイティブな可能性を高めることができます。
同じくKAIROSアライアンスパートナーであるSKAARHOJ社との連携も進化している。バージョン1.7よりSKAARHOJのRaw Panelモードに対応したため、KAIROSのバージョンアップのみでSKAARHOJ社のコントロールパネルを弊社純正パネル同様に新機能など使用できるようになる。
バージョン1.8では、SKAARHOJ社のオーディオコントロールWave BoardおよびQuick Shot ProとQuick ShotもKAIROSとのRaw Panelモードに対応し、同時にそれぞれのパナソニック特別モデル「PAN-WB-V2B-BU」と「PAN-QSP-V1B-BU」、「PAN-QS-V1B-UB」が発売開始される。Wave Boardへの対応により、Kairos Audio Mixer使用時に複数のフェーダーを同時に動かすことが可能になりKAIROSでのより容易なオーディオ操作を提供する。
SKAARHOJ社のCEOカスパー・スカホイ氏は、次のようにコメントしている。
スカホイ氏:パナソニックとは、KAIROSアライアンスパートナーとして、長年にわたってライブ・プロダクションのための革新的なツールを開発してきました。今回の1.8リリースでは、パナソニックとのネイティブな統合とKAIROS専用の新しいパネルシリーズを提供することで、次のレベルへと進化し、さらにパワフルなソリューションをユーザーの皆様にお届けできることを大変嬉しく思っています。
KAIROSアライアンスパートナーを担当するプロAV技術部技術三課課長藤本景之氏は、次のようにコメントしている。
藤本氏:これからもお客様の使用環境に合わせたシステム設計や映像演出に必要なことを、KAIROSアライアンスパートナーとの連携を通じて実現することで、お客様の要望に応えつつ、KAIROSの可能性を広げていきます。
ほかにも、バージョン1.8では、16:10やDCI(2K/4K)などより多くの解像度でのST 2110の入出力への対応を行う。
KAIROSはこれからも、より様々な機材が使用される映像制作現場、大型から小規模まで様々な規模の撮影に臨機応変に対応する放送局や大型LEDスクリーンを使用するライブイベント会場などでも、これまで以上にKAIROSの自由な映像制作を活用いただけるようアップデートを続けていくという。
■KAIROSバージョン1.8詳細
- メインフレーム:Kairos Core 2000(AT-KC2000T/2000TS1)、Kairos Core 200(AT-KC200T/200TL1)、Kairos Core 1000(AT-KC1000T)、Kairos Core 100(AT-KC100T)
- ソフトウェア:Kairos Creator(AT-SFC10G)、タッチコントロールパネルソフトウェア(AT-SFTC10G)、Kairos Core Manager(AT-SFCM10G)
- コントロールパネル:Kairos Control Panel(AT-KC10C1、AT-KC10C2)