Blackmagic Design導入事例:「Do I Know You From Somewhere?」の場合メイン写真

Blackmagic Designによると、アリアナ・マルティネス(Arianna Martinez)監督によるSFロマンチックコメディ「Do I Know You From Somewhere?」の撮影に「Blackmagic URSA Mini Pro 12K」デジタルフィルムカメラが使用されたことを発表した。Blackmagic RAWで撮影された同作は、失われたつながりを異なる時系列で表現しており、トロント国際映画祭で封切られたという。

この作品は、オリーブとベニーのカップルに関する物語である。ある日、二人が共に築いてきた歴史が別のタイムラインに移行し始める。二人の記憶と所有物は消え始め、別の人生の存在を示すヒントが現在の人生に取って代わり始め、二人の家は異なる世界との境界となる空間に変わっていく。その結果として、二人は、新たに見つけた喜びを受け入れるか、それとも永遠に消えてしまう前に、消えゆく絆にしがみつくかを決断する必要に迫られる。

同作は、マルティネス氏、ランス・ケネス・ブラクニー(Lance Kenneth Blakney)氏、ゴードン・ミーハン(Gordon Mihan)氏が率いる受賞歴のあるカナダの制作会社Strike Picturesによるデビュー長編映画である。5週間で撮影されたため、各スタッフは制作中に複数の役割を担う必要があり、スムーズで一貫性のあるワークフローが不可欠だった。そこで、同社はURSA Mini Pro 12Kの使用を決めた。トロント国際映画祭と釜山国際映画祭で世界中の視聴者に対して公開されることを踏まえ、そのシネマライクな品質を高く評価しての採用だった。

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共同プロデューサー、撮影監督、共同エディターを務めたブラクニー氏は次のように語る。

URSA Mini Pro 12Kによる最初のカメラテストで、撮影とポストプロダクションで求めているスタイルの要件を満たすことが確認できました。これにより、このカメラでは技術的な観点で必要なものを確実に得られることが分かったため、クリエイティブな作業に集中して、撮影監督としての仕事を行うことができました。

同作では、ハンドヘルドのショットと静止ショットのはっきりとしたコントラストを多く使用して、衝突する二つの世界の複雑なタイムラインを反映している。同氏は、URSA Mini Pro 12Kの直感的でポータブルな設計のおかげで、肩乗せと三脚での撮影を簡単に切り替えられたと語る。同氏は複数の役割を担っており、長時間の撮影でも疲れない高品質のシネマカメラを必要としていたので、この柔軟性は特に重要だったという。

URSA Mini Pro 12Kにはマットボックスが装着され、フィルターを取り付けたり、特定のショット用に大きなガラスプリズムを取り付けて、柔らかく、記憶を映し出したかのようなルックを作り上げた。URSA Mini Pro 12Kの柔軟性により、制作チームは、求めているルックと創造的な視覚要素のどちらを優先させるかを選択する必要がなく、作品の芸術的ビジョンを達成するために不可欠なツールとなった。

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タイトなスケジュールと少人数のスタッフだったにもかかわらず、同社は制作のストレスを可能な限り低く抑え、創造性を促しつつ、スタッフの福利を考慮した撮影を行うことを目指していた。その一環として、Blackmagic RAWで直接SSDに収録し、現場のDITにそのSSDを渡したことで、迅速な作業が可能になり、DITが深夜にファイル転送やデイリーの編集作業を行う必要性が生じることが避けられた。

これにより、より簡素化された編集プロセスが構築され、扱うファイルサイズが小さくなったため、長編映画を制作する独立系制作会社にとって完璧なバランスが得られたという。

同氏は続ける。

Blackmagic Designは、CMやミュージックビデオからコミュニティ支援キャンペーンなどに至るまで、弊社が制作する様々な種類のコンテンツで機能する機材の一貫性のあるエコシステムを構築しているため、弊社の成長に大きく貢献しています。

Blackmagic Designの機材を使用することで、場所、照明条件、クライアントからの視覚的な要件に関わらず、簡単に適応できます。また、同社の機材は直感的に操作できるので、これまでに使用したことがないフリーランサーを雇っても、すぐに使い方を身につけられます。

Blackmagic Designの製品を使い始める前は、クリエイティブな作品と商業的な作品にわたって一貫性のある視覚的品質を得るのに苦労しました。カメラのアングルが異なると一致させるのが難しく、品質やファイルの種類も異なります」と同氏。「Blackmagic RAWで撮影している現在は、映像の一貫性を保てるので、ポストプロダクションでの作業が楽になりました。

同氏は最後にこう締めくくった。

テクノロジーにより、機材のトラブルシューティングの代わりに、創造性を発揮することに集中できるようになるべきだと個人的には思っています。URSA Mini Pro 12Kでは正にそれが実現しました。これにより、トロント国際映画祭や釜山国際映画祭などの世界的な舞台で上映するのに値する質の高い作品を制作できました。

新しいカメラのテクノロジーを試すことで、創造性の幅を広げ、弊社のサービスの質を高められます。また、URSA Mini Pro 12Kでは非常に良い結果が得られたので、今後、Blackmagic Designの他の製品を導入することを楽しみにしています。

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