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パナソニックは、35mmフルサイズイメージセンサー搭載ミラーレス一眼カメラ「S1R II」を2025年3月下旬に発売する。希望小売価格はオープン。市場想定価格は以下の通り。
- S1R IIボディのみ:税込47万5,000円前後
- S1R IIレンズキット(LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.):税込59万4,000円前後
- バッテリーグリップBG2:税込3万8,000円前後
LUMIXは2019年より、フルサイズ市場に参入。トッププロから高い評価を得ている「S1」シリーズ、オールマイティなモデルの「S5」シリーズ、エントリーモデルの「S9」シリーズをラインナップしている。その中から、トップモデルラインナップの「S1R」後継機としてS1R IIが新たに登場する。
対象は、風景・ポートレートを高画質で撮影するプロの写真家、野鳥や乗り物撮影のアマチュアユーザーなど徹底的にこだわりの作品を撮影したいユーザーとしている。従来のS1Rの持つ信頼性と先進的な性能はそのままに、大幅な小型軽量化を実現しており、静止画、動画をハイブリッドに撮影できる、機動性の高い最上位モデルであるという。
高精細4430万画素の描写性能
新開発の4430万画素のイメージセンサーと最新エンジンとの組み合わせにより、被写体の細部まで精細に描くことが可能。また、初代S1Rと比較して、常用ISO感度は80から51200と1段向上している。
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高画素機が不得意とする高感度帯でのノイズ量を抑制し、自然な描写を可能とする。また、4倍の画素で描写する「ハイレゾモード」を使用すれば、1億7700万画素の撮影を実現できる。この機能は、三脚を使用した撮影のみならず、手ブレ補正機能の進化により、「手持ちハイレゾ」にも対応する。
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高画素機でありながら、高速性も両立している。高速連続撮影においては、電子シャッターで毎秒40コマ、メカシャッターで毎秒10コマのAF追従高速連写が可能である。
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進化したAFと手ブレ補正性能
AFの進化は、大きく2つある。1つは、人物、瞳、そして顔の認識精度の向上である。AI技術の進化により、従来難しかったシーン、例えば横を向いていたり、顔や手がマイクで一部が隠れているようなシーンにおいても、より正確に目や顔や瞳にピントを合わせることが可能となった。
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2つ目は追尾AFモードの性能向上である。主要被写体の周囲に他の人物などが重なってしまうと、シーンによってAFが迷ったり、別の人物に移ってしまうことがあった。今回、AI技術の進化と共に、カメラが被写体の人物の特徴量を記憶し、複数人が交差するシーンにおいても、主要被写体を粘り強く追従する。
追尾したい被写体がAFフレームに入ると、自動的に追尾が始まる。柱に隠れた被写体もしっかり追従する
手ブレ補正機能はこれまでもLUMIXが非常に高い評価を得ていたが、S1R IIでも5軸8.0段の性能を実現している。また、動画撮影においても、様々なシーンに適した手ブレ補正が可能である。
手ブレ補正には、センサーが物理的に動いて補正をかけるボディ内手ブレ補正と、センサーが出力した映像に補正をかける電子手ブレ補正がある。S1R IIでは、この電子手ブレ補正について進化が見られる。
電子手ブレ補正は原理的にカメラが映し出す画角が狭くなってしまうが、S1R IIでは画角変化がない「クロップレスモード」を今回新たに追加している。クロップレス電子手ブレ補正は、周辺の歪みの性能は従来の電子手ブレ補正と同程度であるが、従来のものより画角が広く撮ることが可能である。
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8K動画記録と豊富な動画機能
そしてS1R IIでは、LUMIXとして初めて8K動画記録に対応した。しかも8Kをフル対角で撮ることが可能。また、8K動画記録にとどまらず、S1R IIは多彩な記録フォーマットに対応している。
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一般的に、高解像度機はダイナミックレンジ性能が苦手である。しかし、S1R IIは広いダイナミックレンジ性能を有しており、14ストップV-Logを実現している。
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また、撮影後の編集なしでも作品の色味表現の幅を広げる「フォトスタイル」も強化されている。動画系既存モデルにおいて「シネライクD2」「シネライクV2」を提案してきたが、今回新たに「シネライクA2」を追加した。こちらは、広いダイナミックレンジと豊かなグラデーションが特徴であり、オールラウンドに使える色味に仕上がっている。
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近年、ミュージックビデオなどで見られる映像の粒状表現は、基本的に撮影後の編集で粒状を付加するのが一般的である。しかし、動画撮影時に粒状を付加できるようになった。そして今回、LUMIX Sシリーズとして初めて、ProRes RAW HQの内部記録に対応した。
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ワークフロー全体にわたる信頼性と効率性
ワークフローについても変化が見られる。制作活動のワークフローにより密接に関連するアプリケーションとの連携についても強化進化させている。
まず1つ目として、写真撮影のテザーソフトであるCapture Oneに対応した。Capture Oneは、業界標準的な人気のテザー対応写真編集ソフトウェアであり、従来よりLUMIXとしても対応の要望は非常に多かったという。ついにLUMIXとして初めて連携が可能になる。今回のCapture Oneとのコラボレーション開始を機会に、3ヶ月の無料トライアルを実施する。
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スマートフォンアプリ「LUMIX Flow」が新しくリリースされる。本アプリは、今回新たにリリースされるものであり、大きく分けて2つの特徴を有する。
1つ目の特徴は、スマートフォンを大型モニターとして使用できる点である。この機能は、既に一般的なアプリケーションで実現されている。
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2つ目の特徴は、全く新しい使い方を提案する点である。本アプリは、映像制作の一貫した管理ツールとして使用されることを想定して開発された。映像制作は、構想段階、撮影段階、編集段階という一連のワークフローから構成される。構想段階では、絵コンテ、カット割り、シナリオなどが作成される。撮影段階では、シナリオや絵コンテに基づいて撮影が行われ、撮り直しは許されない。編集段階では、撮影されたデータが編集される。
「LUMIX Flow」は、LUMIXカメラとスマートフォンを連携させることで、これらのワークフローを一括管理するアプリケーションである。
「LUMIXモード」は、撮影カメラがLUMIXであることを前提とするモードである。映像制作初心者や、より手軽に始めたいユーザー向けに、スマートフォンカメラでの撮影を可能とする「スマートフォンモード」も搭載する。このアプリケーションは、S1R IIのリリースに合わせて提供される。
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「Frame.io」は、S5 IIなどの機種でバージョンアップにより対応済みの機能である。クラウドへデータを直接アップロードし、遠隔地の編集チームと共同作業を行うことで、効率性を向上させる。
撮影意図に呼応する直感的な操作体系
ユーザーインターフェースと操作性能についても強化されている。新開発のチルトフリーアングル液晶により、静止画と動画の両方において快適な撮影が可能である。初代S1Rで高く評価された、臨場感溢れる撮影を可能にするリアルビューファインダー(576万ドット)にも対応する。
ビューファインダーの隣には、LUMIXとして初めて「写真/動画切り替えスイッチ」が設けられている。これは、静止画と動画をそれぞれの専用機として扱えるようにするという意図によるものである。各モードでファンクションボタンの機能割り当てを変更したり、メニュー構成を動画用と静止画用で分割したりするなど、独立したメニュー構成のユーザーインターフェースが新たに搭載されている。
写真/動画切り替えスイッチは、従来のLUMIXの作法とは異なる手法である。しかしながら、映像業界においてはスイッチ切り替えの採用が増加している。S1R IIは、その業界の流れに沿って今回の設計に至った感じだ。
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S1グレードとしての信頼性についても、こだわりの性能を追求している。一例として、シャッターの閉幕機能が挙げられる。屋外で連続してレンズ交換を行う際に、センサーに埃が付着するリスクを低減する。その他、耐低温、防塵防滴、操作防止のためのキーロック機構など、初代S1Rで評価の高かった信頼性の部分は、S1R IIにも継承されている。
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本体と同時発売される新バッテリーグリップ「DMW-BG2」は、縦位置撮影時においても本体と同様の操作感を提供する。また、カメラの電源を切らずにバッテリーグリップ側のバッテリーを交換できる機能を備える。
さらに、バッテリーグリップ側からの電力供給と本体バッテリーからの電力供給を同時に行うことで、従来記録に制限のあったSSDへの記録モードの制約を解消する。従来カプラーの使用が必要であったモードが、このバッテリーグリップとの組み合わせにより不要となる。
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最後に、LUMIX Sレンズについては、2025年2月現在18本のレンズが提供されており、ロードマップの一部も公開されている。本体、レンズ、アプリの三位一体で提案をしていくとしている。
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