ソニーは、35mmフルサイズ対応α Eマウントレンズとして、焦点距離16mm、開放絞りF1.8の明るさを持つ大口径超広角単焦点Gマスター「FE 16mm F1.8 G」を2025年4月11日に発売する。希望小売価格はオープン。市場推定価格は税込14万円前後。

14mmと20mmの間を埋める16mm F1.8 Gレンズが登場する。14mmと20mmの改善要望のあった点をそれぞれアップグレードしており、隙のない万能な広角単焦点レンズとしている。

ソニー、「FE 16mm F1.8 G」発売。静止画・動画を問わず活躍する万能な超広角単焦点説明写真
最新のレンズ設計により、コンパクトで軽量なボディを実現

これまでの14mmと20mmを購入されたユーザーからは、14mmはレンズ前面が楕円形で湾曲しているため、フィルターが装着できないという声が最も大きかったという。また、20mmはコンパクト軽量なモデルとして好評であったが、さらなる小型軽量化が求められていたという。

今回のFE 16mm F1.8 Gは、レンズ前面フィルターに対応し、20mmと同じくフィルター径67mmを採用しているため、汎用性が高い。また、20mmよりも4mm広角であるにもかかわらず、20mmと比較して軽く小さくなっており、取り回しのしやすい圧倒的なコンパクトボディがポイントである。

FE 16mm F1.8 Gは、「FE 24-105mm F4 G OSS」「FE 24-50mm F2.8 G」などの24mm端ズームレンズユーザー、または「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS」「FE 28-60mm F4-5.6」などの28mm端キットレンズユーザーが、静止画と動画の両方の用途に適した単焦点レンズを求めている場合、16mmを初めての単焦点レンズとして選択されるパターンが考えられる。もう1つは、すでに20mmを所有のユーザーが、よりダイナミックな画角を求めて買い増しされるパターンなど、これら2つの購入動線が想定されそうだ。

小型軽量化を実現しつつも優れた画質を実現

光学設計については、MTFは非常に高い性能を有している。高度非球面AA(advanced aspherical)レンズ2枚を採用。広角レンズで目立ちやすい像面湾曲や非点収差を良好に補正し、被写界深度の浅い開放から、画面すみずみまで高い解像性能を実現している。

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レンズ構成は12群15枚
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自然なぼけの実現と高い近接撮影能力

ボケに関してもこだわりを持っており、11枚羽根の円形絞りユニットを搭載しているため、絞り込んでも滑らかなボケ描写が可能。また、近接性能は非常に高く、AF時は最短撮影距離0.15m、最短撮影倍率0.25倍。小型軽量設計も大きなポイントである。20mmよりも小さく軽く、質量は約300gで、手のひらに収まるサイズ感と軽さを実現している。

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静止画・動画撮影ともに最適な「高速・高精度・静音」なAF

フォーカス性能については、アクチュエーターにXDリニアモーターを2機搭載しており、高いAF性能を有している。また、20mmから大きく改善された点として、フォーカスブリージングが挙げられる。これまでの20mmでは画角変動があったが、16mmでは大幅に抑制されている。

また、今回のレンズは動画撮影においても優れた性能を発揮する。片手持ちのジンバルでローポジションかつ動きながらの撮影も可能。重たいレンズでは不可能な、疾走感のある描写も実現できるという。ジンバルを用いた映像制作に最適である点をポイントとしている。

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安定した超広角レンズでの動画撮影

また、手持ちで自撮りをするVlogのような用途を想定した場合でも、アクティブモードをオンにしても、多少のクロップはあるものの、顔を含めて全景を映すことが容易にできる。ダイナミックアクティブモードにしても、顔が切れることなく、きちんと枠内に入るという点が、焦点距離の利点である。

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動画機能におけるラインナップを比較すると、フォーカスブリージングが最小化されている点が大きな変化点である。また、20mmからの変化点として、アイリスロックスイッチが挙げられる。20mmには非搭載であったが、今回は搭載されている。

フィルター径は67mmであり、汎用性が高い。20mmからの買い替え、買い増しを検討されている方にとっても、20mmと同様に67mmのフィルター径であるため、互換性があり、利便性が高いといえるだろう。

レンズ比較表
FE 14mm F1.8 GM FE 16mm F1.8 G FE 20mm F1.8 G
フォーカシング AFのアクチュエーター XDリニアモーター XDリニアモーター XDリニアモーター
AFのフォーカス方式 インナー インナー インナー
リニアレスポンスMF 搭載 搭載 搭載
フォーカスブリージング 発生する 最小化 発生する
カメラ本体
フォーカスブリージング補正機能
対応 対応 対応
絞り機構 絞りリング、絞りリングクリック 搭載 搭載 搭載
アイリスロック 非搭載 搭載 非搭載
手ブレ補正
(ボディ側機能)
ダイナミックアクティブ/アクティブモード 対応(純正最適化) 対応(純正最適化) 対応(純正最適化)