
Blackmagic Designによると、ボルチモアのChurch of the Nativityが、15台のBlackmagic Design製カメラおよび1台のATEM Constellation 8Kライブプロダクションスイッチャーを基軸としたライブプロダクションワークフローを用いて、毎年恒例のクリスマスイブの礼拝を制作したという。同イベントはMaryland State FairgroundsのCow Palaceビルにて行われ、1万人の来場者を集めた。また、YouTubeで数千人の視聴者に対してライブ配信された。
Church of the Nativityには週末の定期礼拝用に1,400席が用意されているが、より多くの人々が礼拝に出席できるように、2005年以来、クリスマスイブの礼拝はMaryland State Fairgroundsで開催している。礼拝には、25分間の余興、午後3時からのミサ、午後5時15分からのミサが含まれる。Cow Palaceは3つのエリアに分かれており、各エリアで異なるイベントが開催される。北端には、約6,690m2のエリアにメインステージと客席が設置されている。中央エリアには入口と余興の会場がある。南端には、「ジングルジャム」と呼ばれる子供向けの礼拝エリアと、イベントの運営を手伝った650人のボランティアのための部屋がある。
同教会の制作主任であるパブロ・サインス氏は、今年のイベントには、Blackmagic Designの様々なカメラをライブイベントとBロールの両方に使用したという。複数のBlackmagic URSA Broadcast G2が放送用の撮影に使用され、2台のBlackmagic Studio Camera 4K Pro G2が余興用、2台のBlackmagic Micro Studio Camera 4Kがワイドショット用、複数のBlackmagic URSA Mini Pro 4.6K G2デジタルフィルムカメラと1台のBlackmagic URSA Broadcastが子供向けエリアに使用された。6台のBlackmagic Pocket Cinema Camera 6K G2デジタルフィルムカメラが、メインの祭壇周辺や余興エリアなど、イベントのあらゆる場所でハンドヘルド撮影に使用され、1台はジンバルにワイヤレス接続して使用された。

サインス氏は、カメラの優れた画質と汎用性の高さにより、イベントのあらゆるディテールを捉えることができたと語る。特に、低照明における機能は、カメラが様々なシーンやパフォーマンスを撮影する必要があったメインエリアで役立ったという。
サインス氏:毎年、誰もが最も楽しみにしている瞬間の一つは、「きよしこの夜」を歌う時です。来場者が一人ずつ隣の人のキャンドルに火をつけていき、会場全体がキャンドルでゆっくりと照らされます。各ショットを完璧に捉えるために、カメラは、カメラの担当者やシェーダーと同様に精力的に働いてくれました。
ATEM Constellation 8Kがコントロールルームの中心となり、40個の入力と24個の出力すべてが使用され、Blackmagic Videohub 40×40ルーターにはファイバーと一部はSDIを介してほぼすべての機器が接続された。ATEM 2 M/E Advanced Panel 40と共に使用されたATEMのひとつのM/Eがイメージの拡大を行い、ATEM 2 M/E Advanced Panel 20と共に使用されたもうひとつのM/Eは放送とライブ配信に使用された。
また、3台のATEM Camera Control Panelがリモートカメラコントロールを行うためにワークフローに組み込まれた。2台のATEM Studio Converter 2が、カメラをファイバーを介して長距離で他の機器と接続するために使用され、2台のATEM Talkback Converter 4Kはエンベッドされたオーディオチャンネルを用いたSDIトークバックに使用された。さらに、2台のATEM SDI Extreme ISOライブプロダクションスイッチャーが全カメラの個別収録に使用され、HyperDeck Studio HD PlusとHyperDeck Mini放送デッキが収録に使用された。

同氏は、Blackmagic Designの機器は可搬性が高いので、多くの変動要素を伴うこのような大規模なイベントの準備において、機敏に対応できたと語る。運営スタッフが直面した課題のひとつは、過去2年間、マイクが様々な音を拾ってしまう問題を避けるために、コントロールルームを別の場所に設置する必要があったことだった。今年、コントロールルームはCow Palaceの北西の角に設置され、9,000mを超えるビデオケーブルで、すべてのエリアからコントロールルームに接続された。
サインス氏:Blackmagic Designの機器により、非常にシンプルな接続で全カメラの信号をブースに送信し、タリーとカメラコントロールを即座にカメラに送信できました。
ATEM Studio Converter 2とATEM Talkback Converter 4Kには非常に助けられています。
300m以上離れた3つの場所を行き来する非常に多くの回線があり、それぞれの場所でビデオ信号をSDIからファイバーに変換し、再びSDIに変換する必要がありました。この2機種のおかげで、無数の個別のコンバーターをセットアップする必要はありませんでした。また、Mini Converter Optical Fiber 12Gも多数使用しました。この機種は双方向であるため、個別のコンバーターの数を減らすことができ、セットアップを遥かに簡素化できました。
数年かけて、徐々にBlackmagic Designの製品を買い足していき、円滑にイベントを行えるようにしてきました。
ATEM 2 M/E Advanced Panel 40は、必要に応じて拡張し、カメラ、グラフィック、ビデオ再生ソースを異なるバンクにグループ化できるため、制作中のエラーが少なくなります。
気に入っているもうひとつの機能は、ディレクターが切り替えるM/Eを簡単に変更できる点です。余興の収録に3つ目のM/Eを使い始めたところですが、担当者はボタン1つで臨機応変に難なくそのM/Eに変更できます。マクロに簡単にアクセスしたり、必要に応じてディップ機能を使用できるのは素晴らしいですね。また、プリプロダクションにおいては、SuperSourceの設定とDVEをジョイスティックで調整できるので、パネルで微細なコントロールが行える点を大変気に入っています。

