
EIZO株式会社は、パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社(以下:パナソニック社)のライブ映像制作ソリューションである「IT/IPプラットフォーム KAIROS」の、ITおよび映像関連機器メーカー、サプライヤー各社とのパートナーシップ「KAIROSアライアンスパートナー」に参画した。
パナソニック社が提供するKAIROSは、イベントのライブ配信やテレビ放送、スポーツ中継など、ライブ映像の制作を行う現場で活用されているソリューションだ。ITベースによって複雑で高度な映像を低遅延で出力でき、IP化によってネットワーク伝送、リモートオペレーションに対応できるため、現場のニーズに合わせた最適な環境で柔軟かつ高品質な映像制作が可能となるという。
KAIROSはCPU/GPUベースのオープンアーキテクチャの製品であり、外部の機器やシステムとの連携が容易に行える。パナソニック社はITおよび映像関連機器メーカー、サプライヤー各社と提携し、KAIROSとの連携やシステム統合化の推進を目指すパートナーシップ「KAIROSアライアンスパートナー」を設立している。
同パートナーシップへの参画に伴い、EIZOの30.5型HDRリファレンスモニター「ColorEdge PROMINENCE CG1(以下:CG1)」と、KAIROSの動作検証が行われ、互換性が確認された。CG1は、同社で初めて「SMPTE ST 2110※(以下:ST 2110)」に対応しており、KAIROSとの互換性が確認された世界初のリファレンスモニターだ。
※ SMPTE ST 2110とは、IPネットワーク上における映像データの伝送方式を定めた標準規格の一つで、放送局を中心にSDI規格からの移行が推進されている。
同協業によって期待できる効果

KAIROSとCG1を活用することで、映像の入力から出力までのすべてをST 2110で完結した映像制作環境を構築できる。ST 2110は非圧縮方式で送られた映像を扱うことができるため、4K高解像度かつ12-bit 4:4:4といった映像データを高品質で伝送、表示可能だ。
CG1はKAIROSからのST 2110の出力を受けられるため、コンバータやゲートウェイなどの設置が不要だ。システムの機材を減らすことができるほか、事前にST 2110での出力の妥当性確認が可能だ。また、KAIROS、CG1ともにNMOS※2とST 2022-7に対応しており、NMOSでの制御や冗長性をもったネットワークシステムを構築できる。
※2 NMOS(Networked Media Open Specifications)はAMWA(Advanced Media Workflow Association)にて標準化された、IPネットワーク上で機器の制御と管理を行うためのプロトコル規格
同協業を通じて、日々高い生産性が求められる映像制作業界に対し、より高品質な映像制作環境と効率的なワークフローの構築に貢献するとしている。
2025年4月6日から10日にアメリカ・ラスベガスで開催される国際放送機器展「NAB Show 2025」の同社ブース(SL5829)およびパナソニック社ブース(N1311)にて、CG1を展示する。
