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NHKは2025年5月の最終週を「NHKTECH WEEK」とし、NHK技術部門の最新の研究開発成果や取り組みなどを一般に紹介する2つの一般公開イベント、「NHKTECH EXPO 2025」と「技研公開 2025」を開催する。

デモやパネル展示、体験型展示などを用意し、職員が直接、分かりやすく説明する。どちらも事前予約なしで、自由に入場可能。

5月26日(月)から28日(水)までの3日間は、東京都渋谷区のNHK放送センターにて「NHKTECH EXPO 2025」を開催する。番組制作や緊急報道、電波確保など、全国 NHKの現場ならではのノウハウ・アイデアから生まれた機材やサービスなどを20項目展示する。

5月29日(木)から6月1日(日)までの4日間は、東京都世田谷区のNHK放送技術研究所にて「技研公開 2025」を開催する。放送技術研究所は日本唯一の放送技術分野を専門とする研究機関だ。未来を見据え、放送技術分野の基礎から応用まで幅広く取り組んだ研究開発の成果を紹介。今年は「広がる つながる 夢中にさせる」をテーマに18項目を展示する。

NHK TECH EXPO 2025

5月26日(月)から28日(水)までの3日間、全国のNHKの現場ならではのアイデア・ノウハウを生かした開発や放送・視聴者サービスを支える技術の取り組みを一般に公開する

今回は、「新しい発想で、魅力的なコンテンツを」、「大切な情報を確実に届けるために」、「体験・体感してみよう!」をテーマとして、全20点を展示する。

見どころ

  • 新しい発想で、魅力的なコンテンツを
    • 定点カメラ・地表探査ローバーで西之島の謎に迫る
      西之島の生態系の調査で活躍した定点観測カメラや地表探査機などの展示とともに、調査の様子を実際に撮影した360°映像で紹介。
    • ちるるアニメーター!
      総合テレビで放送中の「週刊情報チャージ!チルシル」のマスコットキャラクター「ちるる」を操演する「ちるるアニメーター!」。カメラ映像から操作する人物の顔や手、姿勢を検出し、AIを活用してリアルタイムでCGキャラクターを操作できる
      解析
  • 大切な情報を確実に届けるために
    自然災害などの厳しい環境の中でも正確な情報をリアルタイムにかつ確実にお届けして命と暮らしを守る防災・減災報道に取り組んでいる。通信手段や電源を喪失した場合でも機動的にロボットカメラを設置できる「ネットワークカメラ映像伝送 BOX」や、これまで伝送回線の確保が難しかった場所での伝送を可能にした「可搬型ネットワークカメラ伝送システム」などを紹介する。
  • 体験・体感してみよう!
    MR(Mixed Reality)デバイスを用いた「MRcast」では、CG オブジェクトをデバイスの装着者が手を使って自由に操作できる。その合成映像を放送に活用したり、デバイスを装着していない方にも共有して楽しめるいただけるシステム。

このほか、「VR球体型ディスプレー」、「東日本大震災 VRで振り返るあの日の記録」などのVR技術を利用したコンテンツ体験を紹介する。

開催概要

  • 開催期間
    5月26日(月)~28日(水)
    10:30~17:30(最終日は17:00まで)
  • 会場:
    NHK放送センター(東京・渋谷)正面玄関ロビー
  • 入場:
    無料(事前予約なしでどなたでも来場可能)
  • ホームページ

展示項目一覧(予定)

大切な情報を確実に届けるために新しい発想で、魅力的なコンテンツを体験・体感してみよう!

No. 展示名称 担当部局
1 電子メモツール メディア技術局 システムテクノロジーセンター
2 スマホとドローンでまるっと 3D モデル化 広島放送局
3 画像解析による自家発小出槽の油量計測システム 名古屋放送局
4 ニューステロップ制作における配色サポート機能 技術局 システムソリューションセンター
5 可搬型ネットワークカメラ伝送システム 名古屋放送局
6 ネットワークカメラ映像伝送 BOX メディア技術局 コンテンツテクノロジーセンター
7 次世代ネットワークカメラ 技術局 システムソリューションセンター
8 投開票速報 自動読み上げ&印刷システム 仙台放送局
9 テレビ開票速報自動読み上げシステム メディア技術局 システムテクノロジーセンター
10 スポーツイベント クラウド収録・編集システム メディア技術局 コンテンツテクノロジーセンター
11 イマーシブ体験コンテンツ編集支援システム メディア技術局 コンテンツテクノロジーセンター
12 定点カメラ・地表探査ローバーで西之島の謎に迫る メディア技術局 コンテンツテクノロジーセンター
13 ちるるアニメーター! メディア技術局 コンテンツテクノロジーセンター
14 AI 自動スイッチングシステム「SWARTA」 メディア技術局 コンテンツテクノロジーセンター
15 Bluetooth Auracast 放送用音声送り返し装置 株式会社 NHKテクノロジーズ
16 来年打ち上げ!火星衛星探査計画(MMX) メディア技術局 コンテンツテクノロジーセンター
17 MRcast 徳島放送局
18 VR 球体型ディスプレー 盛岡放送局
19 東日本大震災 VR で振り返るあの日の記録 盛岡放送局
20 映像音声連動型 8K 切り出し視聴 一般財団法人 NHK財団

大切な情報を確実に届けるために:1~9
新しい発想で、魅力的なコンテンツを:10~16
体験・体感してみよう!:17~20

技研公開2025の開催について

NHK放送技術研究所(技研)の最新の研究開発成果を一般に公開する。放送技術研究所は日本唯一の放送技術分野を専門とする研究機関。公共放送NHKの一員として、豊かな放送文化を築くために、研究開発の立場から貢献するという役割を担っている。未来を見据え、放送技術分野の基礎から応用まで幅広く取り組んだ研究開発の成果を紹介する。

今年は「広がる つながる 夢中にさせる」をテーマに、技研が目指す「Future Vision 2030-2040」の3つの重点領域(イマーシブメディア、ユニバーサルサービス、フロンティアサイエンス)や、直近の課題解決に貢献しメディアを支える研究成果などを18項目の展示で紹介する。さまざまなデバイスによって視聴体験が空間的・感覚的に広がる世界観、人と人・人とコンテンツ・人と社会をつなげる技術、多くの方を夢中にさせるイマーシブコンテンツの技術を体感できる。

見どころ

  • イマーシブメディア 〜その場にいるような世界を体感~
    • 広がるコンテンツ体験
      ARグラス、3Dディスプレー、多感覚提示装置(振動・温度・香り)による未来のコンテンツ体験を楽しめる。
    • イマーシブメディア体験:
      画素数30Kの360度カメラで撮影した映像を中心に、画素数15K相当のプロジェクターを用いた半球スクリーン装置に表示し、マルチチャンネル音響とともに没入感を体験できる。
    • シーン適応型カメラ
      広視野映像を高品質に撮影するために、画面内にあるさまざまな被写体それぞれの明るさや動きに応じて、局所的かつ動的に撮影モードを制御できるカメラを展示。
  • ユニバーサルサービス 〜いつでも・どこでも・誰にでも〜
    つながるメディアアクセシビリティー体験:番組と連動して、アクセシビリティーを高めるコンテンツをモバイル端末などに提示する技術を展示。
  • フロンティアサイエンス 基礎研究により未来のメディアを創造
    自由な曲面を可能にするディフォーマブルディスプレー:カラー表示に対応した伸縮ディスプレーを展示。昨年の技研公開2024で展示したものよりも画素数を増やし、より精細な映像が表示できるようになった。
  • メディアを支える ~メディアの直近の課題解決に貢献〜
    放送局データを用いた大規模言語モデル(Large Language Models:LLM):NHKが所有するニュースや研究論文などの独自データを学習させたLLMを開発。会場では番組制作者をサポートするアプリケーションを紹介。

講演等

技研講堂では、技研所長のオープニングスピーチ、技研が目指す放送メディアの未来ビジョン「Future Vision 2030-2040」のイメージビデオ、技研公開2025の見どころトークを5月29日(木)・30日(金)に上映するほか、5月31日(土)・6月1日(日)にはファミリー向けのイベントも開催する。

<講演など>
5月29日(木)~30日(金)の期間、事前に収録した講演を上映する。

  • オープニングスピーチ:講演者:神田 菊文 放送技術研究所長
  • 「Future Vision 2030-2040」イメージビデオ:技研が描く、2030-2040年に向けた放送メディアの未来ビジョンのイメージビデオ
  • 技研公開見どころトーク:技研公開2025のうち6件の研究を、それぞれの担当研究者がわかりやすく紹介

開催概要

 
  • 開催期間
    2025年5月29日(木)、6月1日(日)
    10:00:17:00(入場は終了30分前まで)
  • 会場
    NHK放送技術研究所(東京都世田谷区砧1丁目10-11)
  • 入場
    無料(事前予約なしで誰でも来場可)

展示項目

イマーシブメディア ユニバーサルサービス フロンティアサイエンス メディアを支える

1-1 広がるコンテンツ体験:コンテンツを一緒に楽しむ近未来の AR コミュニケーション
1-2 広がるコンテンツ体験:触覚と香りで体感する3次元コンテンツ
2-1 つながるメディアアクセシビリティー体験:ニュース速報の手話 CG 生成技術
2-2 つながるメディアアクセシビリティー体験:スポーツ中継の解説音声制作技術
2-3 つながるメディアアクセシビリティー体験:誰もが音楽を楽しむための可視化技術
3 イマーシブメディア体験
4 広視野撮影を目指した湾曲イメージセンサー
5 自由な曲面を可能にするディフォーマブルディスプレー
6 Web ベース放送メディア(1) 放送通信統合型コンテンツ提供基盤
7 Web ベース放送メディア(2) 来歴情報提示技術
8 Web ベース放送メディア(3) コンテンツナレッジ
9 Web ベース放送メディア(4) 生活シーンに合わせたコンテンツ提示技術
10 放送局データを用いた大規模言語モデル
11 ニュースメタデータ生成システム
12 縦型動画自動切り出し技術
13 イマーシブコンテンツ提示のための映像・音響の連動技術
14 ボリュメトリック音声制作技術
15 マルチレイヤー対応 VVC ライブエンコーダー
16 次世代地上放送のプログラム多重・伝送技術
17 光線の方向を自在に制御できる光フェーズドアレー
18 シーン適応型カメラ
T1 体験!できるかな 2030

イマーシブメディア:1、3、13~16、18、T1
ユニバーサルサービス:2、6~9
フロンディアサイエンス:4、5、17
メディアを支える:10~22