
音声に関する基礎知識を習得するSound Seminar
2025年5月16日、PRONEWS主催の「Sound Seminar」が開催された。
このセミナーは、音声に関する基礎知識を習得するとともに、現場ですぐに活かせるテクニックを学ぶことがテーマとなっている。
現役の録音技師として第一線で活躍中であり、YouTuber「桜風涼(はるかぜすずし)」としても知られる、株式会社ナベックス代表取締役社長 渡辺健一氏が講師を務めた。

株式会社ナベックス代表取締役社長。映画の録音やMAを得意とする録音技師・テクニカルライターであり、PRONEWSでも多数の記事を執筆。
撮影や録音技術をわかりやすく解説するYouTubeチャンネル「桜風涼(はるかぜすずし)のシネマ撮影研究所」のチャンネル登録者数は約11,000人(2025年5月2日時点)。
音声にもピントが存在する
セミナーはまず、「ビデオや写真と同じように、音声にもピントが存在する。」というフレーズから始まった。桜風氏曰く、音声におけるピントはマイクの性能や、その場の環境などで変化するため、まずはそのピントがどこにあるのかを正しく知ることが重要だという。
参加者にZOOM社製「H2essential」が配布され、収録したい音をできるだけ明瞭に捉えるために知っておくべきポイントの実践演習も行われた。
参加者は席を移動し、音源との距離や位置を変えたり、マイクの向きを変えたりと、よりそれぞれ実践的な演習へ内容が移行した。

ほとんどの場合「収録したい音以外の環境音(=雑音)」が存在する。ポイントは、いかに「収録したい音」と「雑音」の音量差を作り、「雑音」を気にならないレベルに抑えるかことにある。
「音量差」とは具体的に何dBの差が必要かを学び、空調の音や反響音などを拾いにくいマイクの向き、角度を理解し、調整することで、収録上はその「雑音」がほとんど気にならない程度に抑えることができる。
使用するマイクが持つ特性を理解し、それをうまく活かすことで、音声のクオリティが格段に上がるのだ。
参加者の中には自らの機材を持参し、これを実践する方も多く見られた。

現場でどのようなことに注意し、問題が発生した場合はどのように解決に導くのか、桜風氏が長年録音技師として培ってきた技術と知識が惜しみなく披露された。
また、会場には参考機材として未発売(※セミナー開催時点)のHOLLYLAND社の新製品「LARK MAX 2」と「LARK A1」をはじめ同社のワイヤレスマイクやワイヤレスインカムが展示された。特に新製品の2機種は国内初展示で、参加者は日本でいち早くこれらの製品を試用することができた。

今後もPRONEWSでは様々な技術セミナーを開催する予定であり、次回はテレビロケ、ニュース、イベント取材などを手がける番組制作技術会社の現役スタッフを講師に招いて、カメラワークの基礎をテーマに行う予定だ(6月上旬〜中旬を予定)。
参加募集はPRONEWSで行う予定なので、気になった方はぜひ定期的にチェックしてほしい。

