
ライカカメラ社は、「ライカ」の誕生から100年を迎える今年、世界各地でセレブレーションを展開している。2025年6月27日には、ウェッツラーで開催される記念イベントにあわせて、第46回「ライツ・フォトグラフィカ・オークション」が行われる。
この特別なオークションでは、希少なコレクターズアイテムが数多く出品される。目玉となるのは、「ライカI」のプロトタイプである極めて希少な「Leica O-Series No. 112」だ。


他にも、製造から100年を迎える「ライカーモデルA Anastigmat」や、伝説的なM型ライカの初号機など、カメラ史に残る名品が登場する。
また、今回のオークションにはチャリティー出品も含まれており、アーティストのキング・ナード氏による美しいエングレービングが施された「ライカMP」が登場。その売上はすべて、社会的連帯を推進する慈善団体「リヒト・インス・ドゥンケル(暗闇に光を)」に寄付される。
ライカ誕生100周年に際し、ライカカメラ社のみならず、その公式オークションハウスである「ライツ・フォトグラフィカ・オークション」もこの節目を盛大に祝う。第46回を迎える同オークションでは、「ライカ」の量産前に製造されたプロトタイプ「O-Series」が出品される。
ライツ・フォトグラフィカ・オークションの代表であるアレクサンダー・セドラック氏は次のようにコメントしている。
セドラック氏:「0-Series」は当時、シリアル番号101~125が振られた全25台のカメラで構成されていた。そのうちの約半数が今も現存しています。このシリーズは写真史における重要な足跡を残したことから写真報道の世界を切り拓いた先駆的存在としてコレクターの間で最も希少かつ熱望される逸品とされています。
このたび出品される「Leica O-Series No. 112」は、推定落札価格150万~200万ユーロで、今回のオークションにおける注目アイテムのひとつだという。
オークションハウスが提供するチャリティーアイテムの出品にも、大きな関心が寄せられている。今回出品されるのは「キング・ナード」という別名でも知られる英国のアーティスト、ジョニー・ドゥエル氏が手がけた特別仕様の「ライカMP」だ。ラグジュアリーアイテムへの緻密な彫刻で知られる同氏が、ライカカメラ本社を構えるライツ・パークの風景を独自のタッチでカメラボディに刻み、世界に一台だけの作品に仕上げた。

この特別な「ライカMP」の売却益はすべて、社会的支援活動を行う団体「リヒト・インス・ドゥンケル(暗闇に光を)」へ寄付される。推定落札価格は14,000~15,000ユーロだ。
特別なシリアル番号、ライカ史に刻まれた特別な存在
「ライツ・フォトグラフィカ・オークション」では、さまざまなメーカーの歴史的なカメラが出品されるが、その中心にあるのはやはりライカ製品だ。中でも注目されるのが、シリアル番号225の「ライカ モデルA Anastigmat」(推定落札価格:10万~12万ユーロ)だ。100台目のライカ量産カメラとして、「ライカ」の誕生100周年を祝うウェッツラーでの記念イベントにふさわしい象徴的な存在と言えるだろう。
このカメラは1925年、英国のマーケティング・広告代理店 オグルヴィ社に納品された記録が残っており、英国に渡った最初のライカであった可能性が高いと考えられている。

コレクターにとっても見逃せない存在となりそうなのが、シリアル番号700000の「ライカM3」(推定落札価格:500,000~600,000ユーロ)だ。このカメラはかつて、スポーツ写真やスキー写真の分野で先駆的な功績を残したシュテファン・クルッケンハウザー教授に贈呈されたものであり、全M型ライカの中で最初のシリアル番号を持つことでも特別な価値を有している。そのため、この「ライカM3」は、希少なコレクターズアイテムであるだけでなく、数多くの出版物でも取り上げられている。
「ライツ・フォトグラフィカ・オークション」の代表であるアレクサンダー・ゼドラック氏は次のようにコメントしている。
ゼドラック氏:オークションのハイライトというと、どうしても高額落札が期待される歴史的な一点物に注目が集まりがちです。しかし、今回のオークションには全部で445点が出品され、数百ユーロから数千ユーロ程度で手に入るアクセサリーやレンズ、カメラも多数含まれています。

現地・書面・オンライン・電話での入札受付
第46回ライツ・フォトグラフィカ・オークションは、2025年6月27日正午(中央ヨーロッパ時間)に、ドイツ・ヘッセン州ウェッツラーのLeica Weltにて開催される。入札は、事前にオンライン、書面または電話にて受け付けする。オークション開催中は、www.leitz-auction.comおよびwww.liveauctioneers.comからのライブ入札にも対応している。
なお、同オークションはライカ周年記念イベントの一環としてLeica Weltで開催され、一般公開はされないため、オークション会場での参加を希望する方は事前登録が必須となる。
また、ライツ・フォトグラフィカ・オークションは2025年秋にウィーンで2つの追加オークション:10月30日にライカギャラリー・ウィーンで写真専門オークション「Motion」を、続いて11月22日に、ウィーンのホテル・インペリアルで第47回ライツ・フォトグラフィカ・オークションの開催を予定している。

