
Blackmagic Designによると、イタリアのフェラーラにある独立系スタジオのTulpa StudioはBlackmagic Designの製品を使用して、完全に統合された放送レベルのワークフローを構築し、その結果に満足しているという。
視聴者は高い期待を抱く一方、制作予算が削減される中、小規模スタジオに対しても高品質のコンテンツを求めるプレッシャーが高まっている。同社は、映像制作の目的を達成する上で、もはや巨額の予算は必要ないということを証明した。
同社の創始者ミケランジェロ・イングロッソ氏は、次のようにコメントしている。
イングロッソ氏:Blackmagic Designの製品は、手の届きやすさと性能において常に完璧なバランスを実現してきました。
同氏のキャリアは、自身のレコードの販促のためにミュージックビデオを独学で撮影し始めたことからスタートした。
イングロッソ氏:Tulpaを創設した際、経費を抑えながら、映画並みの作品を制作できるソリューションが必要であることは分かっていました。
現在、同社は400平方メートルの施設で運営されており、サウンドステージ、ポスプロ・スイート、メイクアップ・ステーション、レンタル・サービスが完備されている。これは、大手のスタジオに匹敵するクリエイティブな施設だが、他と一線を画すのは同社の制作ワークフローだ。
経費なしで、映画のような品質を
同社の最新ヒット作である「Sweet Home」は、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーのチャンネルで初公開され、インディーズのスタジオが、そのサイズから予測される以上の成果を上げられることを実証している。Blackmagic URSA Mini Pro 12KデジタルフィルムカメラとBlackmagic Studio Camera 6K Proを中心とした複数のカメラで撮影された同作は、洗練されたハイエンドの商業作とドキュメンタリーの親密さを組み合わせた作品だ。
イングロッソ氏:本物の映画的な雰囲気を本作に与えたいと考えていました。それは、より豊かな色彩、浅い被写界深度、そして料理番組というよりは長編映画のような照明を用いることを意味しました。しかし、明瞭さを維持できなければ、どれも意味を成しません。視聴者は、シェフが何をしているのかをはっきりと確認できる必要があります。
Blackmagic RAW 12:1では、ストレージを管理しやすい状態に保ちながら、希望する柔軟性と画質が得られたという。
イングロッソ氏:最大8台のカメラで4Kと6KのRAWで撮影しましたが、DaVinci Resolveのメディア管理ツールでは、ファイルサイズの管理や不要なフッテージのトリムが実行でき、編集をスムーズに進められました。

統合の重要性
同社において、流動性は制作の中核となる原則のひとつだ。ATEM Television Studio HD8 ISOライブプロダクションスイッチャーを使用することで、同社は、マルチカムのライブスイッチング、個別収録、タイムコード同期すべてを1つのハブから行った。しかし、最も大きな変化をもたらした要素は、ATEMでは撮影直後にDaVinci Resolveプロジェクト(.DRP)ファイルを書き出せることだったという。
イングロッソ氏:撮影が終わる頃には、既に試写用のカットを配給会社に送る準備ができていました。そのような即時性は、ポストプロダクションで勢いを維持したい場合に重要です。
エコシステムで一貫性がある点、特にカラーサイエンスが共通していることも役立ったという。
イングロッソ氏:すべてのカメラを簡単にマッチさせられました。ショットのバランスを取ったり、プロファイルを修正するために、ポストプロダクションで何時間も無駄にする必要はありませんでした。ルックは早い段階で決まっていて、すべてが順調に進みました。

インディーズ制作のモデル
同社のアプローチは、同様の課題を乗り越えようとしている他の中小規模の制作会社にとって、インフラやスタッフ数を大幅に拡大することなく、最高の品質の作品を制作する方法を示す良い例である。
イングロッソ氏:ひとつのメーカーには執着していません。すべてが互いに連携し、作業のペースに影響が及ばないことが重要です。撮影から編集、フィニッシングまで、時間を節約し、リスクを軽減し、極めて高い競争力が得られる環境で作業しています。
映画並みの品質が贅沢と見なされるのではなく一般的にになるにつれ、同社のようなスタジオは、手の届きやすい、統合されたワークフローにより、インディーズの柔軟性とプロの洗練さの間のギャップを埋められることを示している。


