Simmod Lensは、外径80-85mmレンズ用「NATOリング」を発表した。NATOリングにより、シネレンズオーナーは互換性のあるレンズの鏡筒にNATOレールを介して様々な軽量アクセサリーを取り付けることができる。標準的なNATOアタッチメントを使用することで、アクセサリーの取り付けオプションの幅が広がるという。

NATOリングは、一度取り付けることでレンズにフォーカスモーターを取り付ける最も簡単な方法を提供するとしている。大きなレンズでは、複数のモーターを同時にマウントして、フルフォーカス、アイリス、ズームをコントロールすることもできる。Blazar Remusアナモフィックシリーズのような人気のあるシネマプライムがより使いやすくなるという。

NATOリングはDJI LiDARレンジファインダーユニットを追加するのにも最適だという。NATOレール部の1つに溝とネジ穴のパターンがあるため、取り付けるたびに完璧な位置決めができる。また、LiDARユニットが回転して位置がずれることもない。

DJI LiDARレンジファインダーはNATOリングに直接取り付け可能

モーターのぐらつきを解消

レンズモーターのミスアライメントやスリップは、小型カメラシステムにフォローフォーカスをリグしようとしたことのある人なら誰でも知っている問題だという。カメラリグパーツ間のわずかな動きも、レンズモーターのぐらつきで混乱を引き起こし、ショットを台無しにし、レンズを損傷する可能性さえあるという。NATOレンズリングは、モーターを可能な限りレンズ自体に近づけることでこれらの問題を効果的に防ぎ、ぐらつきをなくし、すべてが完璧にアライメントされるようにする。

NATOリングは、FUJINON MK 18-55mmや50-135mmのような、その長さゆえにモーターのブレをなくすのが難しいとされてきたレンズに対応する

フォローフォーカスリグを縮小

NATOリングはハンドヘルドやジンバル操作に理想的だという。この方法でレンズアクセサリーを取り付けると、カメラリグのサイズが大幅に縮小され、人間工学に基づいたものになることが、その理由だ。軽量なカメラは、レンズの背面から効果的に「ぶら下げる」ことができるため、セットアップを保持する際には、カメラではなく、レンズ/NATOリングコンボの下で質量を支えることになる。レンズモーターとLiDARレンジファインダーは、オペレーターがケージレスのセットアップを行う必要がある場合でも、レンズに正確に取り付けできる。

ソニーVENICE用VENICEエクステンションシステムMiniのようなカメラは「ケージレス」で使用できる

レンズにモーターを取り付けることで異なるレンズ間の交換も簡単になる。広範なレンズセットを持つオーナーやレンタルハウスにとって、NATOリングの手頃な価格は各レンズに一つのリングを購入し、そのままにしておくことでレンズ交換をさらに迅速に行えることを意味する。

ミラーレスカメラに最適

Simmod NATOリングはミラーレスのセットアップにも最適だという。従来のロッドとベースプレートのソリューションよりも小さなフォームファクターで完全なセットアップを構築できる。軽量モニターやiPhoneをレンズの上にモニターとして取り付けることもでき、多くの場合、よりバランスのとれた使いやすいセットアップを提供する。

DJI Focus ProはNATOリングと一緒に使用可能(サードパーティ製アクセサリーが必要)

ソニーVENICEエクステンションシステムMiniに最適

NATOリングは、VENICE 2カメラ用の新しいソニーVENICEエクステンションシステムMiniを使用した手持ち撮影にも最適なソリューションだという。フォーカスモーター、ハンドグリップ、小型モニター、アクセサリーはすべて、カメラボディの代わりにNATOリングに取り付けることができ、セットアップをよりコンパクトで持ちやすくする。

NATOリングはVENICE 2カメラ用VENICEエクステンションシステムMiniに対応するように設計されている

特許構造

Simmod NATOリングは高品位アルミニウムから作られ、特許および複数の特許出願中のデザインを特徴としている。カスタムラバーインサートリングは、NATOリングをレンズに確実かつ損傷なく固定する。リングはレンズへの取り付け、取り外しが瞬時に行える。

1/4-20および3/8ネジソケットは、さらに幅広いアクセサリーの取り付けを可能にし、リングをレンズサポートに取り付けるためにも使用できる。

映画製作者による映画製作者のための製品

Simmod Lensは、ドキュメンタリーやコマーシャルプロジェクトで豊富な経験を持ち、高い評価を得ている撮影監督、ロン・シムCSCによって設立された。同氏は、モーターやアクセサリーをマウントするための、より柔軟で普遍的なソリューションとして、他の経験豊富な映画制作者と共同でNATOリングを開発した。

NATOシステムはその安全性と広く利用できることからSimmod Lensが選んだもので、ユーザーはすでに所有している既存のマウントを利用することができる。

NATOリングはアクセサリー、特にLiDAR距離計の位置決めを簡単にする。各NATOセクションにはアライメントマークがあり、アクセサリーを装着するたびに一貫した位置決めができる。また、レンズ間でモーターを移動する際にも迅速な交換が可能だという。

Simmod NATOリングは、コンパクトなメカニカルフォローフォーカスの取り付けにも使用できる

ねじ込み式レンズサポートオプション

大きなレンズや重量のあるアクセサリーを使用する場合、NATOリングにはレールに使用するレンズサポートを取り付けるためのネジ穴がある。これはレンズマウントに過度のストレスを与えないために重要だという。NATOリングにアクセサリーを取り付ける際は、レンズマウントの重量制限を超えないよう、常に常識の範囲内で行う必要がある。

Simmod NATOリングは、ソニーVENICEのような大型のシネマカメラにも使用可能

マルチNATOリグキットも発売

一式を携帯できるマルチNATOリング・ハードケースも発売される。丈夫で防水性の高いNANUKケースにカスタムカットのフォームインサートが装着されている。

Simmod NATOリング用カスタムフォームカットハードケース

入手方法

Simmod NATOリングは、B&HまたはSimmod Lensのウェブサイトから注文可能。より大きな外径95mmバージョンのNATOリングは開発中で、近日入手可能になるという。さらに大きなサイズや小さなサイズも期待されており、Simmod Lensは今後の開発の参考になるよう、ユーザーからのフィードバックを募集しているという。