株式会社アスクが取り扱うAJA Video Systems社(以下:AJA)がオランダ・アムステルダムで開催された「IBC2025」に出展し、映像制作・配信ワークフローを進化させる新製品群を発表した。
今回の発表では、高密度なUltraHD/IP伝送に対応する「BRIDGE LIVE 12G-4」、HDと4Kを自在につなぐ小型コンバーター「UDC-4K」、IPとSDIの橋渡しを担うST 2110コンバーター「IP25-R」、そして「KONA IP25」を拡張する新ソフトウェアが公開された。
これらの新製品は、放送局やライブ配信、ポストプロダクション、AVシステムといった幅広い現場を対象に設計されており、従来のSDI設備と最新のIPワークフローをシームレスにつなぐことで、マルチチャンネル制作やリモートプロダクション、OTT配信など多様なニーズに応えるものである。AJAはこうした技術革新を通じて、次世代の柔軟で拡張性の高い制作環境の実現を後押ししているという。
新製品ラインアップ
BRIDGE LIVE 12G-4
BRIDGE LIVE 12G-4は、1RUの筐体に4系統の双方向12G-SDIポートを備えた、高密度なエンコード/デコード/トランスコードプラットフォームだ。H.264/H.265/H.262 (MPEG-2)/NDI/JPEG 2000/JPEG XS(オプション)に対応し、SDIとNDIの双方向変換やIPコーデック間のトランスコードも可能。SRT、RTMP/RTMPS、HLS、RTP、UDPなど幅広い配信プロトコルに対応し、UltraHDマルチチャンネル制作やリモートプロダクション、CDN向けマルチ配信に最適だという。
UDC-4K
UDC-4KはHDと4Kのシームレスな橋渡しを実現する、アップ/ダウン/クロス変換用コンバーターである。12G-SDIおよびHDMI 2.0に対応し、最大4K60p/12-bitの映像変換をサポートする。
フレームレート変換、フレーム同期、HDRメタデータのパススルーおよび上書きに対応する。4系統の12G-SDI出力は分配器としても利用可能で、中継現場、調整室、ポストプロダクションなど、HDと4Kが混在する制作環境で高品質なフォーマット変換を実現する。
IP25-R
IP25-Rは、IP映像規格ST 2110と従来のSDI/HDMIをつなぐ小型コンバーター。SMPTE ST 2110から最大4系統の12G-SDI出力および2系統のHDMI 2.0出力に対応し、最大4K DCI(4096×2160p60)、10-bit 4:2:2までサポートする。
デュアルSFP28による10/25GbE対応で、ST 2022-7の冗長化をサポート。IP移行を進める放送局や、SDIとIPが混在するスタジオ/中継車など、ハイブリッド環境での運用に最適である。
KONA IP25向けソフトウェアアップデート「Desktop Software v17.6」
SMPTE ST 2110 I/Oカード「KONA IP25」の機能を拡張する無償アップデート。
Video+Key同時プレイアウト/TXを新たにサポートし、最大4:4:4 12-bit 4Kに対応するなど、高精度・高画質なフォーマットでの入出力を拡張。ST 2110-30のマルチストリームに対応し、1つの映像に対して複数のオーディオストリームの柔軟なルーティングが可能になる。