Appleは、新しいM5チップを搭載したiPad Proを発表した。この新モデルは、AI処理性能を大幅に向上させるとともに、より高速なワイヤレス接続機能を備え、iPadの体験をさらに進化させるものである。
新しいiPad Proは2025年10月16日より予約注文の受付を開始し、10月22日(水)から販売を開始する。価格は11インチのWi-Fiモデルが税込168,800円から、13インチのWi-Fiモデルが税込218,800円からとなっている。
新しいiPad Proの核となるM5チップは、Appleシリコンの最新世代であり、iPadにおけるAI機能の新たな段階を切り開く。各コアにNeural Acceleratorを備えた次世代の10コアGPUを搭載しており、AI関連のパフォーマンスはM4チップ搭載モデルと比較して最大3.5倍、M1チップ搭載モデルと比較すると最大5.6倍高速化した。
これにより、デバイス上での画像生成やAIによるビデオ編集といったタスクが大幅に加速される。また、CPUも強化されており、グラフィックデザインや建築設計、ビジネス用途など、プロフェッショナルな作業におけるマルチタスキング性能が向上している。3Dレンダリング性能も、ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングへの対応により、前世代比で最大1.5倍高速になった。
パフォーマンスの向上はチップセットにとどまらない。ユニファイドメモリの帯域幅は前世代比で約30パーセント増加し、150GB/s以上となった。ストレージの読み書き速度は最大2倍に高速化され、256GBおよび512GBモデルでは標準のユニファイドメモリが12GBに増量されている。さらに、高速充電にも対応し、高出力のUSB-C電源アダプタを使用することで、約30分で最大50パーセントまで充電が可能である。
ワイヤレス接続機能も刷新された。Appleが新たに設計したワイヤレスネットワークチップ「N1」を搭載し、Wi-Fi 7に対応した。これにより、5GHz帯での通信性能が向上し、インターネット共有やAirDropの信頼性も高まっている。Wi-Fi + Cellularモデルには、同じくAppleが設計したモバイル通信モデム「C1X」が搭載され、モバイルデータ通信の速度が前世代比で最大50パーセント高速化すると同時に、消費電力は最大30パーセント削減されている。
デザインは薄型軽量を維持し、11インチモデルは厚さ5.3mm、13インチモデルは5.1mmである。カラーはスペースブラックとシルバーの2色展開となる。ディスプレイには、タンデムOLEDテクノロジーを採用したUltra Retina XDRディスプレイを搭載し、SDRおよびHDRコンテンツで1,000ニトのフルスクリーン輝度、HDRでは1,600ニトのピーク輝度を実現する。また、映り込みを低減するNano-textureディスプレイガラスのオプションも用意されている。外部ディスプレイのサポートも強化され、最大120Hzのリフレッシュレートに対応した。
ソフトウェア面では、最新のiPadOS 26が搭載される。新しいデザイン言語や、より直感的になったウインドウシステムにより、マルチタスキングがさらに効率的になった。ファイルアプリも機能強化され、iPadで初めてプレビューアプリが利用可能になる。また、Apple Intelligenceも深く統合され、ライブ翻訳やショートカットのインテリジェントアクションといった機能を提供する。
これらの新機能は、Apple Pencil ProやMagic Keyboardといったアクセサリと組み合わせることで、さらにその能力を発揮する。