Accsoonは、CineView M7 Proスマートモニター向けの大規模なファームウェアアップデートを発表し、新たな送信(TX)機能を追加した。

CineView M7およびCineView M7 Proでは、ワイヤレスカメラ制御機能が拡張され、さらにいくつかの重要なモニタリングが改善された。これにより、映画制作者やカメラクルーの現場での使い勝手がさらに向上するという。

H.265およびH.264 TXモード:M7 Proを送信機に変える

今回のアップデートの注目機能は、CineView M7 Pro専用となるTXモードだという。モード設定メニューから直接、ユニットを送信機モードで再起動できるようになった。受信デバイスの機能に応じて、伝送にH.265またはH.264のいずれかを使用するオプションがある。

TXモードでは、M7 Proは最大4台の受信機へ映像を送信可能だ。これにはRXモードの他のM7 Proユニット、CineView Master 4K受信機、Accsoon SEEアプリを実行するスマートデバイスが含まれる(CineView M7 ProおよびCineView Master 4K受信機はH.264とH.265の両方をサポートするが、Accsoon SEEアプリを実行するiOSデバイスに送信する場合はH.264を設定する必要がある)。

この追加機能により、M7 ProはAccsoonの拡大するCineViewエコシステム内で柔軟なノードへと変貌し、制作環境全体でモニター、受信機、モバイルデバイスをシームレスにハイブリッド接続するセットアップを可能にするという。

Accsoonは新機能TXモードの操作手順を解説するチュートリアル動画も公開している。

ワイヤレスカメラ制御がさらに進化

今回のアップデートではカメラ制御も大幅な進化を遂げたという。ユーザーは対応カメラにワイヤレスで接続できるようになり、カメラ内蔵のホットスポットまたは現場のWi-Fiネットワーク経由で接続が可能だ。

同機能は現在、ソニーFX3およびFX30に対応し、FX6はベータ版(FX6対応は現在ベータ版であり、カメラファームウェアv3.0で検証済み、Wi-Fi接続に限定される)。

新たな「カメラ制御方式」切り替え機能が追加され、オペレーターが「USB」または「IP」接続を手動で選択できるようになった。IP経由で接続する場合、ユーザーは新しいリモート接続パネル内で直接必要なログイン認証情報を入力できる。

FX3やFX30などの対応カメラでは、アプリがカメラのホットスポットを自動検出・接続可能になった。手動での認証情報入力は不要。

対応する制御機能

  • リモート録画トリガー
  • 絞り制御
  • シャッター速度(時間モードと角度モード)
  • センサーゲイン(ISO / EI / dB)
  • ホワイトバランスと色温度調整(カメラ本体のホワイトバランストグルは「PRE」に設定のこと)

対応ミラーレスカメラ向けの新機能「カメラコントロール」に関する専用チュートリアル動画も公開中。

モニタリング機能の更新:精緻化されたツール、ブランキングおよびアナモフィックオプション

今回のファームウェアでは、現場ワークフローと精度の向上を目的とした、いくつかの重要なモニタリング機能が改善された。

  • 「マーカー」ツールが「ブランキング」に名称変更:更新されたツールには、カメラUIのオーバーレイを回避するブランキングセーフゾーン機能が追加された。セーフゾーン、グリッドガイド、ブランキングは動的に連動して拡大縮小される。
  • 垂直アナモフィック・デスクイーズ:新しい「アナモフィック方向」オプションにより、垂直動画撮影時のアナモフィックレンズに対応。アナモフィック係数と向きを選択すると、アプリが自動的に適切なデスクイーズを適用する。
  • クリップなしズームイン:アナモフィック・デスクイーズ適用時の動画フィードズームインで固定ブラックバーの発生がなくなった。ライブビューキャンバス全体が滑らかに拡大縮小され、精度が向上する。
  • SEEアプリ背景画像のカスタマイズ:Accsoon SEEアプリのデフォルト「No Signal」画像を、16:9のカスタム画像(.jpg、.jpeg、.png)に置換可能。クライアント向けモニターや再生画面のブランディングに最適。
  • アスペクト比プリセットの更新:一般的な配信比率をプリロードし、小数点以下2桁までのカスタム比率をサポート。

その他の最適化と改善点

今回のアップデートでは、内部的なパフォーマンス強化も実施している。

  • 録画およびライブ配信の起動速度向上。
  • カメラコントロールの接続遅延と安定性の改善。
  • UI要素の視認性と一貫性の向上。
  • 偽色表示、ゼブラ表示、ヒストグラムなどのモニタリングツールが、スクイーズ解除済み映像でより正確に動作。
  • 録画中の「REC」インジケーターアニメーションの視認性向上。
  • シャープニング効果の改善と完全な機能化。
  • (M7 Proのみ)無線切断後の再接続が高速かつスムーズに。
  • (M7 Proのみ)CineView Quad/HE/SE/2SDIとのペアリング時におけるオーディオデコードの強化。CineView Quad/HE/SE/2SDI送信機はM7 Proへ映像を送信可能だが、受信機はM7 Proの送信モードからの映像を受信できない。
  • (M7 Proのみ)送信機と受信機間のステータス同期が高速化。
  • (M7 Proのみ)モード切替時にRXモード用のWi-Fiが自動で有効化。

ファームウェア更新パッケージは、こちらからダウンロードできる。

詳細な設定手順については、Accsoonが提供する公式チュートリアル動画をご参照のこと。