リアライズ・イノベーションズ株式会社は、3D映像技術の世界的リーダーであるGracia AI Inc.(以下:Gracia)と業務提携し、同社の最先端技術「4D Gaussian Splatting(4DGS)」を導入した日本初のボリュメトリックビデオスタジオを開設する。
同スタジオの開設により、従来の3D技術では再現が困難だった「髪の毛一本の揺れ」や「複雑な光の反射」、さらに「素材の質感」までを完全に保持した、実写と区別がつかないボリュメトリックビデオを、映画制作やバーチャルプロダクション、そしてスマートデバイス向けコンテンツとして提供することが可能になる。
導入技術:3D映像の常識を覆す「4DGS」とは
今回導入する技術の基盤となる「3D Gaussian Splatting(3DGS)」は、従来の「点群やポリゴン」で立体を構築する手法とは異なり、「光や色の分布(Gaussian)」を空間に散りばめることで立体を表現する、2023年に登場した革新的な技術である。
メッシュ構造を持たないため計算が高速で、リアルタイム描画にも適している。3D空間にまるで霧のように浮かぶガウス点群が、光の反射や奥行に応じて自然に融合することで、これまでにない圧倒的にリアルな3D表現を可能にするとしている。
Graciaがこの3DGSをさらに進化させ、時間軸(4D)を加えたのが「4DGS」である。
これにより、被写体の動き・質感・光の変化までも立体的に再現し、ボリュメトリックビデオ(立体動画)として再生可能になった。従来のメッシュ(網目)構造を持たないため、ポリゴン割れやテクスチャの歪みといったCG特有の課題を根本から解消し、複雑な衣装や激しい動きも自然に描画する。ARやVRによるアイドルやアーティストのイマーシブ映像はもちろん、ミュージックビデオのようなカジュアルな映像から、映画「マトリックス」のような「バレットタイム(時間が止まったような特殊撮影)」、スポーツのフォーム解析まで、幅広い映像表現をカバーする。
映像制作現場へのインパクト
「CGを作るのではなく、演技をそのままアセット化する」
これまで、映画やCM、メタバース等の制作において「デジタルヒューマン」の制作には、膨大なコストと期間が必要であった。背景はCGで自由に作れる一方、演者のリアルな立体表現には限界があり、「不気味の谷」の問題もつきまとった。
「4DGSボリュメトリックビデオ」を活用することで、「演技力のある俳優のパフォーマンス」を、そのまま軽量な3Dデータとしてバーチャル空間に配置することが可能になる。これによりバーチャルプロダクション等のワークフローを劇的に効率化し、クリエイターの表現の幅を広げるという。
同ソリューションの主な特長
- 実写を4D(3D+時間)で完全再現:霧のように光を捉え、空気感まで記録。
- 幅広いフレームレート対応:映像の質感を維持したまま30fps〜240fpsに対応。
- 劇的な軽量化:独自AI圧縮により、従来フォーマット(PLY)比でファイルサイズを約45分の1に圧縮。
- マルチデバイス対応:PCをはじめスマートフォンやVRデバイスなど汎用デバイスで再生が可能。
国内最多の商用実績を持つリアライズが運用
リアライズ・イノベーションズは、ボリュメトリックビデオスタジオのパイオニアとして日本国内最多の商用案件を手がけ、トップアスリートやトップアイドルなど、多数の実績がある。撮影からXR・AIコンテンツ制作、システム開発・運用までを一貫して提供し、クリエイティブ制作現場に革新をもたらしてきた。「美しく撮る」ノウハウや「ビジネス活用提案」も業界トップクラスであるという。
今後の展開
リアライズ・イノベーションズは、自社スタジオでの4DGS導入だけでなく、国内他スタジオへの技術協力や運用支援を行い、AIとボリュメトリック技術の融合による新たな映像エコシステムの構築に貢献するとしている。
なお、リアライズ・イノベーションズとGraciaは2025年12月1日(月) 〜12月3日(水)ポートシティー竹芝にて開催されるXR Kaigi2025に出展し、4DGSのデモンストレーションを行う。
4DGS参考映像