©石黒正数・徳間書店/映画『ネムルバカ』製作委員会
Blackmagic Designの発表によると、阪元裕吾監督の最新作である「ネムルバカ」の撮影およびグレーディングに、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4KとDaVinci Resolve StudioそしてDaVinci Resolve Mini Panelが使用されたという。撮影は渡邊雅紀氏が担当した。
「ネムルバカ」は漫画家・石黒正数による同名作品を原作とした青春ドラマで、「ベイビーわるきゅーれ」シリーズや「黄龍の村」などで知られる注目の映画監督・脚本家、阪元裕吾監督により実写映画化された。久保史緒里と平祐奈がダブル主演を務め、大学寮でルームメイトとして暮らす入巣柚実と鯨井ルカの日常と自分らしさを探す姿を描いている。
同作で阪元監督と初めてタッグを組んだ渡邊雅樹氏は次のようにコメントしている。
渡邊氏：「ベイビーわるきゅーれ」では手持ちや長回しシーンが多かったですが、本作ではそれとは違ったスタイルで、どっしりカメラを構えてカットを細かく割って見せたい、という要望がありました。
テスト撮影の時間があまりなかったので、使い慣れているBlackmagic Pocket Cinema Camera 4Kを選びました。4Kモデルにした理由は、キヤノンのFDマウントのオールドレンズを使いたかったからです。マイクロフォーサーズマウントはSpeed BoosterのFD変換アダプタを装着できるので、FDレンズも使えるうえ、フレームサイズも広がります。この作品には、柔らかいFDレンズのルックが合うと思ったんです。
また、寮でのシーンは部屋が非常に狭く、大きなカメラでは撮れるアングルに制限が出るため、Pocket Cinema Camera 4Kのコンパクトさも大きな利点だったという。
渡邊氏：通常の撮影だと、ジンバル用に2台カメラを用意することが多いのですが、今回はほとんど1カメ撮影でした。そのため、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4KがRonin RS2に載せられる点も大きな利点でした。リグから外してすぐにジンバルに載せられるようなシステムを作ったので、1台でも効率的に撮影を進めることができました。
現場でのモニタリングにはBlackmagic Design純正のExtended Videoを使いました。事前にLUTを作ってモニタリングすると、仕上がりのイメージがしやすいのですが、準備期間がない中でそれをやると、基準が曖昧になる。露出計で計測した光と、モニター上に出ている明るさや暗さは、どうしてもズレが生じるので、そういう場合は最適化された純正のルックを使用する方がいいと判断しました。
グレーディングには、DaVinci Resolve StudioとDaVinci Resolve Mini Panelが使用された。同作では、おおまかに日中、夜、最初のライブシーン、最後のコンサートシーンの4種類のルックが作られ、シーンによって使い分けられた。
渡邊氏：カラリストの星子駿光さんとは今回が初めてのお仕事でした。現場でRec709（Extended Video）をベースに撮影したこともあり、後からグレーディングでクセを出しても、作品としてのトーンが崩れにくかったそうです。また、Blackmagic Designのカメラはメタデータが豊富なので、作業しやすいともおっしゃっていました。
