Blackmagic Design導入事例:映画祭出品作「In Memory Of」の場合

Blackmagic Designの発表によると、撮影監督のロバート・ヒューイット氏が、短編作「In Memory Of」の撮影にBlackmagic URSA Cine 12K LFデジタルフィルムカメラを使用したという。

ローレンス・ミリッシュ氏が監督、ジョン・モイオ氏がプロデューサーを務めた同作は、ブレント・ベイリー、ヤエル・グロブグラス、グロリア・コール演じる疎遠になった3人の成人した兄弟姉妹が、尊敬する父親の死後、ある品物の相続をめぐって衝突する様子を追う。その中で、彼らの人生を形作った、長い間埋もれていたトラウマが明らかになる。

Blackmagic Design導入事例:映画祭出品作「In Memory Of」の場合

Blackmagic Designのカメラとカラーサイエンスに詳しい同氏は、同社の新しいフラッグシップ・デジタルフィルムカメラでの撮影を楽しみにしていたという。

ヒューイット氏は次のようにコメントしている。

ヒューイット氏:Blackmagic Designのカメラは何年も使用してきています。最初のURSA Miniが発表された際、その品質に非常に驚いたのを覚えています。新しいURSA Cineシリーズについていろいろと噂を聞いていて、幸いにも本作で使用することができました。

URSA Cine 12K LFのフルフレームセンサーは、作品に独自の奥行きを与えたと同氏は語る。

ヒューイット氏:フルフレームセンサーでは、より大きなイメージエリアが得られるので、より没入間のある視野と浅い被写界深度の映像になります。カメラを設置し、セットに照明を当てると、監督やプロデューサーの誰もが、すぐさまそのイメージに驚いていました。すべての調整が終わると、本当に美しい映像となりました。

第一カメラアシスタントのジェレミー・ヒル氏にとって、Blackmagic Designのカメラでの撮影は、初代のHDのBlackmagic Pocket Cinema Cameraを扱って以来のことだった。現場の他のカメラアシスタント機器と同様に、システムの鍵となるのは制作中の使いやすさだという。

Blackmagic Design導入事例:映画祭出品作「In Memory Of」の場合

ヒル氏:2枚の大型タッチスクリーンモニターが両側に付いているのを本当に気に入っています。おかげで、設定を簡単に変更でき、監督などがカメラに近づいてフレームを確認する必要がある場合に、カメラオペレーターの邪魔にならずに映像をチェックできる、優れた補助モニターとして機能します。この新しい筐体には、トランスミッターや追加のモニター、レンジファインダーなどのアクセサリを簡単に取り付けられるマウントも複数搭載されています。

多くの場合、シネマカメラで違いを生む要素はそのダイナミックレンジであるが、ヒューイットとヒルの両氏は、URSA Cine 12K LFが幅広い露出に対応できる点に感心したという。

ヒル氏:本作の冒頭シーンは、暗い室内から、その室内に入ってくる強い太陽光のハイライトまでを捉えており、カメラのダイナミックレンジの優秀さを凝縮していると言えるでしょう。幅広い露出だったにも関わらず、イメージがとても美しいことが分かり、嬉しかったです。

ヒューイット氏にとっては、カメラの能力が最も発揮されたのは、ダイニングルームのシーンだったと言う。

ヒューイット氏:ゆっくりと近づいていくワイドショットから始め、それからテーブルのディテール、そして3人の激しい会話という順にショットを撮影しました。2人の俳優の後ろには大きな窓があったので、露出のバランスを取るのが少し難しかったです。長年の友人であり、優秀な照明であるマイキー・ピーダソンが、屋外でスクリムを使ってくれましたが、それでもとても明るかったので少し心配でした。しかし、ポストプロダクションの段階でBlackmagic RAWファイルを読み込んだ際に、カメラがこういったハイライトを極めて上手く扱っているのを見て驚きました。

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