Blackmagic Designは、新製品「Blackmagic Cloud Store Ultra」を発表した。本製品は最大48TBの容量に対応した高性能フラッシュストレージであり、2つの独立した100Gイーサネット接続を搭載している。これにより、互いのワークフローに影響することなく、収録と編集を同時に実行することが可能となった。
ラインナップは24TBと48TBの2モデルで展開され、RAID 5のサポート、冗長構成のデュアル電源、Blackmagic Cloudとの同期に対応している。Blackmagic Cloud Store Ultraは、6月より世界各地のBlackmagic Design販売店にて発売される予定だ。なお、本製品はNAB 2026のBlackmagic Designブース(N2502)にて展示される。
- Blackmagic Cloud Store Ultra 24TB:税込1,538,000円
- Blackmagic Cloud Store Ultra 48TB:税込2,728,000円
映画・テレビ業界向けに設計されたネットワークストレージ
Blackmagic Cloud Storeは、映画・テレビ業界向けに設計された高い性能を持つラックマウント型ネットワークストレージである。HyperDeckレコーダー向けに設計されており、収録中に編集を開始できる点が特徴だ。また、Blackmagic Cloudによるメディア同期を把握し、DaVinci Resolveプロキシファイルにも対応している。
これにより、遠隔の撮影場所で収録が始まるとカメラのメディアが数秒で同期するため、ポストプロダクション部門は即座に作業を開始できる。高速のフラッシュベースのメモリーコアにより、多数のユーザーが同時に作業を行う環境においても、大容量のメディアファイルをエディターやカラリスト、オーディオエンジニア、VFXアーティストの間で共有するのに適している。
高度な冷却システムと冗長性を備えたハードウェア設計
Blackmagic Cloud Storeの全機種は、高速なM.2フラッシュメモリーカードを使用している。Blackmagic Cloud Store Ultraは、前面から背面へのサーバー型冷却システムを採用し、冗長性を備えた静音性の高い4つのファンを搭載した。
この直線的な空気の流れにより、内部のフラッシュメモリー部品に熱が均一に分散されるため、M.2カードにホットスポットやサーマルスロットリングが生じることを防止する。また、同モデルは2つの電源を搭載しており、電源供給の冗長性も確保されている。
RAID 5対応によるデータ保護と高速処理の両立
Blackmagic Cloud Storeシリーズには、高速のフラッシュメモリーコアが並列で搭載されている。Miniには4枚、MaxおよびUltraには12枚のM.2カードがRAID 0グループに並列配置されており、数十人のユーザーが同時にアクセスしても十分な速度を維持できる。
また、Ultraモデルでは必要に応じてRAID 5を使用するために再フォーマットすることも可能だ。RAID 5に設定することで、冗長構成のM.2カードによりデータの損失を避けることができる。RAID 5使用時は、6枚目のM.2カードがパリティに使用され、エラー訂正データが保存されることで、カード交換後のファイル再構築を可能にする。
リアルタイム・モニタリングと独立した2系統の100Gポート
特徴的な機能の一つとして、リアルタイムのHDMIおよびSDIモニタリング出力が挙げられる。ストレージマップではメモリーコアの状況をグラフィックで確認でき、読み込みと書き込みの動的な表示や、イーサネット接続におけるデータ転送グラフ、Blackmagic Cloudへのメディア同期状況、電源状況などのエラー確認が可能である。
Blackmagic Cloud Store Ultraは、2つの独立した100Gイーサネットポートを搭載しており、これらは2つの個別のネットワークとして機能する。一つのポートをHyperDeck ISO Recorder 100Gからの収録に使用し、もう一つを多数のローカル編集ワークステーションに接続しても、互いに干渉することはない。また、Blackmagic Ethernet Switch 360°Pを追加することで、各100Gイーサネットを16の個別の10Gイーサネット接続に変換することも可能だ。
サブスクリプション不要のプライベートなストレージ環境
Blackmagic Cloud Storeの利点の一つは、完全にコントロール可能なプライベートストレージとして運用できる点にある。サブスクリプション契約や月々のライセンス費用は不要であり、使用内容やデータをトラッキングされることもない。
MacおよびWindowsに対応した無償のソフトウェアユーティリティを使用するため、設定変更に有償のクラウドサイトを経由する必要もない。インターネット回線から完全に切り離された、機密性の高いプライベートなネットワーク内での運用が可能となっている。
ライブプロダクションとDaVinci Resolve連携の最適化
100Gイーサネットポートを搭載するBlackmagic Cloud Store Ultraは、ライブプロダクションにおけるHyperDeck ISO Recorder 100Gとの併用に適している。HyperDeckで8台のカメラを同時に個別収録しながら、プログラムの再編集やDaVinci Resolveでの生放送リプレイを並行して行うことができる。
DaVinci Resolveには高度な生放送リプレイ機能が搭載されており、Blackmagic Cloud Storeを介してレコーダーやワークステーション、リモートカメラを接続することで、高度なリプレイシステムを構築できる。新しいマルチソース・ビューアを用いることで、タイムコードが一致するクリップを視覚的にマルチビューで確認でき、リアルタイム性が求められるスポーツの生放送リプレイにも対応する。
Blackmagic DesignのCEO、グラント・ペティ氏は次のように述べている。
ペティ氏:8チャンネルのビデオを収録し、同時に編集する場合、収録にポートが完全に占有されてしまうので、1つの100Gポートだけでは足りません。Cloud Store Ultraには、2つの独立した100Gイーサネットポートが付いており、互いの作業に影響を与えないため、この問題を解決できます。片方のポートをHyperDeckの収録に使用し、もう一方を編集ワークステーションへの接続に使用できます。HyperDeck ISO Recorderと使用するのに適しており、映画やテレビのポストプロダクションワークフローの中心となることでしょう。