260416_MS-510_topJgGfFhiq

キヤノンは、低照度性能を向上した超高感度カメラの新製品として、約320万画素1.0型の新SPADセンサーを搭載した「MS-510」を2026年5月下旬に発売する。

港湾や公共インフラ施設、国境付近など、セキュリティレベルが極めて高いエリアでは、昼夜を問わず対象を正確に捉える高度な監視システムが求められる。新製品の「MS-510」は、近赤外光の感度を高めた新SPADセンサーを搭載し、従来製品「MS-500」(2023年8月発売)と比べて最低被写体照度を0.001luxから0.0006luxへ向上させた、カラー撮影用超高感度カメラだ。

超望遠性能を備えたキヤノンの放送用レンズと組み合わせることで、闇夜でも数km先の被写体を鮮明に撮影できる。キヤノンは「ME20/MLシリーズ」を含む超高感度カメラのラインアップを強化し、高度監視市場の様々な撮影ニーズに応える。

260416_MS-510_01R4IixrEv

主な特長

新SPADセンサーにより夜間の監視を支援

SPADセンサーは、画素に入ってきた光の粒子(光子=フォトン)を数える「フォトンカウンティング」という仕組みを採用している。入射した光子が電荷に変換される際、瞬時に約100万倍に増倍して大きな信号として取り出すことができるため、微量の光でも検出が可能だ。

260416_MS-510_02Te5HgyEk
SPADセンサー

また、光子一つひとつをデジタルに数えるため、読み出しの際にノイズが混入しないことも大きな特長である。新製品の「MS-510」は、官公庁向けや研究分野において低照度撮影用途で採用されてきた従来製品の「MS-500」から最低被写体照度がさらに向上し、暗所でも対象を鮮明に撮影できる。

また、レンズマウントは、放送用レンズで主流のバヨネットマウント(BTA S-1005B 規格準拠)を採用している。キヤノンの豊富な放送用レンズを活用することで、夜間の遠方監視を支援する。さらにIP通信に対応し、遠隔でのカメラ設定・レンズ操作・雲台制御や、映像配信が行える。映像管理システムと連携することで、映像の一元管理も可能だ。

多彩な画質プリセットや画像補正機能により視認性高く撮影

夜間監視や遠方監視では、暗所特有のノイズや大気の影響により、映像の鮮明度が低下することがある。「MS-510」は、用途に応じた画質設定を保存できるカスタムピクチャー機能を搭載している。監視用途のプリセット「CrispImg2(クリスプイメージ2)」では視認性を確保するため、シャープネス・ガンマカーブ・ノイズリダクションを最適化し、昼間は高精細で高コントラスト、夜間はノイズを抑えた映像を撮影できる。また、広いダイナミックレンジで明部階調を保持できるガンマ(BT.709 Standard/Canon 709)を使ったプリセットも用意している。

さらに、かすみ・もやの影響を抑えて適正なコントラストに自動調整する「かすみ補正」、逆光や明暗差の大きい場面で黒つぶれと白飛びを抑制する「スマートシェード補正」を搭載している。霧や逆光などの厳しい環境でも、対象の輪郭や文字情報を視認性高く捉えることができる。