txt:松本敦 構成:編集部

発売前から話題沸騰の「GH5」の魅力に迫る

4K10bitでの内部収録や、フルHDでの180fpsなどの機能が盛り込まれたPanasonicn Lumixシリーズの最新作GH5。発表からすでに話題になり、予約もかなり好調とのこと。今回、発売前のGH5実機をお借りしたので、自分なりに感じたGH5の魅力について書いていこうと思う。

GH4を使っていた理由

メインカメラGH4、空撮はDJI MAVICを使用

GH5の説明に入る前に、筆者がGH4を使っていた理由は「比較的ハードな環境での撮影が多い」ためであった。昨年末に、西表島でのツアーでカヤックに乗り、マングローブのジャングルを登りながら滝の頂上を目指すという撮影があった。

そもそもGH4はマイクロフォーサーズで小型。「持ち運びが軽い」という点があり、予備機を持って行ってもそこまで荷物の負担にならないというメリットがある。さらに96fpsのスローやタイムラプス機能で表現の幅を持たせてくれる上に、レンズやアクセサリー類が、フルサイズ機種に比べて値段が安いという「移動にもお財布にも優しい」、「コストパフォーマンスの高さ」がGH4を人気機種に押し上げたのではないかと個人的には思っている。

左:GH5、右:GH4

手に取った感じではそこまで大きさの違いが分からなかったものの、正面から比べてみると、少しだけGH5の方が高くなっている。

左:GH5、右:GH4

横から比べるとGH5の方がややスリムに感じる!

GH5ではデュアルスロット形式で2枚SDカードを挿せるにもかかわらず、スリムになっていた。

左:GH5、右:GH4

背面の大きな違いとしては、GH4での録画ボタンがGH5では上面に移動している。そのかわり、フォーカス切り替えの脇に「ジョイスティック」が新たに追加された。

ジョイスティックは方向を変えることで「選択」、そして押し込むことで「決定」として使用する。メニュー操作だけでなく、フォーカスの位置を合わせる時にも直感的に使え、非常に使い勝手が良かった。

上面ではGH5は録画ボタンの位置が大きく変わった。GH4での録画位置に慣れていたため、間違って露出やISOを触ってしまったが、これは慣れることでおそらく解決するだろう。

ゲレンデでGH5をテスト撮影!

取材協力:Activity Japan
ツアーガイド:ライオンアドベンチャー
 

GH5のさらなる進化として、GH4からの「防塵・防滴設計」に加えてマイナス10度までの「耐低音設計」で、より過酷な環境での撮影が可能になった。ということで、今回はスノーモービルアクティビティの撮影の際に持ち出してテスト撮影を行った。

180fpsのスロー撮影が楽しい!

個人的にGH5で一番楽しみにしていたのがこの機能。サンプル映像を撮ってきたのでご覧ください。

動きのある被写体やスポーツシーンでも、このスローを入れることで日常では体感できない速度を表現できるようになる。さらにソフト上で、Twixtorなどのプラグインを使えば、かなり滑らかなスローにできるだろう。

ただ注意点として、スロー撮影中はオートフォーカスが効かなくなる。上記の写真のように、動きの早い被写体を捉えるのはかなり困難になる。是非次回のアップデートではスローのオートフォーカス機能も加えてほしいところだ。

5軸手ぶれ機能比較

GH5に新たに加わった「5軸手ぶれ補正」を試した。プレートに5軸手ぶれ補正をオンにしたGH5と、手ぶれ補正なしのGH4を乗せ、手持ちで被写体を追いかけてみた。

もともと足場の悪い雪道で、歩く振動をダイレクトに拾っているGH4の手ぶれとの違いがよくわかる。

プロ使用のニーズにもしっかり対応

今回はテストしていないものの、4K/60pや10bit内部収録に対応することで、さらにクオリティの高い撮影ができることや、標準でHDMIケーブルカバーがついたことで、外部収録機材への拡張性なども盛り込んでいる。プロユースとしてのスペックも十分に備えていると言える。

ハードな環境でもカジュアルに使える頼もしい相棒

今回撮影したゲレンデの気温はマイナス4度だったが、もちろん正常に動作した。マイナス10度での撮影というのは、あまりないかもしれないが、これだけ過酷な環境でもちゃんと作動するという「安心感」は、非常にありがたい。映像のクオリティももちろん大事だが、やはり撮影において一番心配なのが「機材トラブル」。その点をクリアした上で、ハイクオリティな機能をフルに盛り込んだGH5は「ハードな環境でもカジュアルに使える頼もしい相棒」と言える。筆者もすでに予約を完了しているので、この相棒と出かけるのを今から楽しみにしている。

WRITER PROFILE

松本敦

松本敦

映像クリエイター。企業VPからスポーツイベント撮影まで幅広く手がける。アクションカムやドローンなどの特殊ガジェット好き。