レビューDJI Action 2メイン写真

■価格
DJI Action 2 Dual-Screenコンボ:税込63,800円
DJI Action 2 Powerコンボ:税込49,500円
■発売日
2021年10月27日

2種類のパッケージを展開

レビューDJI Action 2説明写真

2019年5月に発売を開始したDJIのハンドヘルドカメラ「OSMO ACTION」が第2世代に進化して、「DJI Action 2」として登場した。

Action 2の大きなポイントは、大きさ、形状、そして磁力だ。もちろん、二代目として最近のアクションカムとして抑えどころとなる4Kハイスピードや空間補正(映像を安定化させるロックステディ、水平を維持するホライゾンステディ)は踏襲している。それ以外のこのこれまで世界のどこにも存在しなかったカメラについて、磁力式機構と対応周辺機器を中心に見ていこう。

製品パッケージは2種類、DJI ACTION 2 Dual-ScreenコンボとDJI ACTION 2 Powerコンボで、それぞれ内容は以下の通り。

■DJI ACTION 2 Dual-Screenコンボ内容物

  • カメラユニット
  • フロントタッチ画面モジュール
  • 磁気ストラップ
  • 磁気ボールジョイントアダプターマウント
  • 磁気アダプターマウント
  • 電源ケーブル

■DJI ACTION 2 Powerコンボ内容物

  • カメラユニット
  • 電源モジュール
  • 磁気ストラップ
  • 磁気アダプターマウント
  • 電源ケーブル

二者択一のポイントは、

  • 自撮りなどでカメラ全面と反転した液晶画面が必要か?(Dual-Screenコンボ同梱のフロントタッチ画面モジュールが便利)
  • なんらかの平坦なものにカメラを設置することがあるか?(Dual-Screenコンボ同梱の磁気ボールジョイントアダプターマウントが便利)

と考えられる。

小型で軽量のカメラユニット

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小型のカメラユニット

カメラユニット筐体は39mm正方形で手のひらサイズよりさらにひとまわり小さい。前面はレンズ部を筐体端までギリギリに収めた一眼で、インパクトのあるデザインだ。背面ははタッチ対応液晶スクリーンで、前面同様にギリギリまで画面を広げているので、各種設定の操作は快適だ。

アルミ製で重量は56g。とにかく軽く小さいので、様々なところへ設置、貼り付け、ぶら下げが容易、FPVドローンに搭載といった用途も比較的容易だろう。後述の磁力機構とも相性がよい。マイク、バッテリー、ストレージを内蔵しているので、このカメラユニット単体でほぼすべての設定、撮影は可能となっている。

磁気を応用したモジュール機構を採用

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磁気を使ったカメラの固定が可能

カメラユニット単体でも撮影は行える上、モジュールや追加パーツをにより様々なアクションカム的応用撮影に対応する。本機は、モジュール追加の要として磁力を併用している。

磁力機構によって、

  1. カメラユニットへの各種モジュール時に両者を近づけるだけで、接続端子などについて正しい向きで吸い寄せられてカチッとハマる(誤った向きでは反発してハマらない)。なお、ハマった先ではツメによって確実にロックされ不意に外れる心配はない。
  2. 余分なネジや穴といった機構が必要ないので、水分やホコリへの対策ともなり、筐体をよりスタイリッシュに仕上げられる。

といったメリットがある。

フロントタッチ画面モジュールと電源モジュール

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フロントタッチ画面モジュールと電源モジュール写真

どちらも磁気とツメでカチッとハマる。これらを装着することで、バッテリー、USB Type-Cポート、MicroSDカードスロット、多方向マイク、フロントタッチ電源モジュールではセルフィー用の反転画面が追加される。

ホットスワップにより、電源を入れたまま両モジュールは脱着できる。カメラユニットから取り外したモジュールは自動的に電源オフとなる。

バッテリー持続時間はフロントタッチ画面モジュールで最大160分、電源モジュールで180分まで延長される。フロントタッチ画面モジュールはカメラユニットに近づけると接続を促す表示が画面に現れる。

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左はフロントタッチ画面モジュール、右はカメラユニット

なお、二種のモジュールは防水ではないので、装着しての水中撮影は専用のケース(DJI Action 2防水ケース)が必要となる。

ハンズフリーで撮影可能になる磁気ストラップ

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同梱の磁気ストラップも、磁力機構を備えている。磁力によりストラップを内側、カメラユニットを外側として上着類を挟んでカメラユニットを半固定することもできるので、単にぶら下げた状態よりカメラが安定する。

装着した者が激しい動きをとってもカメラが踊らない。ぶらさげている状態とならないため、見た目も麗しい。

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DJI Action 2磁気ストラップで衣服の上から本体を固定

どんな場所にも取り付け可能な磁気ボールジョイントアダプター

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装着することでボールジョイントを有するマウントアダプターとなる。これもカメラユニットに対しては磁気とツメによる接着で快適だ。アダプター底面をまわして取り外せば、三脚穴がある。いろんな機材器具に装着可能となる。

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底面の三脚穴

アダプター底面は吸着ゲル。ホコリやヨゴレにより吸着力が小さくなった際は水洗いすれば再生する。

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底面の吸着ゲル

セルフィースティック、三脚、脱着式リモコンを1本に統合した延長ロッド

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延長ロッドは、先の磁気ボールジョイントアダプターマウントに装着可能。樹脂素材で作られていて軽い。下端は展開し、三脚として使用可能。本体はある程度伸縮して自撮り棒として使用できる。

また、コントロール部(DJIリモコンパッド)は軽い磁力でロッド本体から外すことができて、離れて単独使用できる。ストラップ穴と充電用のUSB Type-Cポートがある。

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磁力で装着できるAction 2マクロレンズ

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DJI Action 2マクロレンズ

DJI ACTION 2では被写体まで300mm以上がフォーカス範囲であるが、このアクセサリーを使用することで数センチ先の被写体にフォーカスを合わせられる。多くのアクションカムはある程度以上離れたものを撮影する意図に向けてつくられているので、このアクセサリーを使用すればユニークな画を撮影することができる。

カメラユニットにはやはり磁力で接着するが、他のアクセサリーに比べて磁力がやや弱い。なお、装着することでカメラユニット前面の保護になりつつ、このアクセサリー自体のレンズもカルデラ状にひっこんでいるので、全体的な取り扱いに安心感が出る。

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マクロレンズ装着の画角とケラレ
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マクロレンズ非装着の画角

装着時はケラレや歪みが多少とも出てしまうが、これは使用者の意図、工夫次第で解決だ。

カメラ本体とアプリからコントロール

カメラユニットや接続したフロントタッチ画面モジュール 、電源モジュールの電源ボタンを押すと起動する。長押しするとスナップショットに設定した機能(写真、短い動画、動画撮影)が起動する。

各種設定は、カメラユニットもしくはフロントタッチ画面モジュールの画面をタッチ、スワイプすることで行う。各画面は大きく高解像度で色あざやか、タッチ感度もよいので操作設定にストレスはほぼない。各アイコンや数値、階層化メニューは直感もしくは一度操作してみればすぐに慣れるようなわかりやすさだ。

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液晶画面
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本機はスマートフォンアプリ DJI Mimoにより操作、設定、モニタリングを行える。他のアクションカムより小さく軽いAction 2の筐体の大きな設置汎用性からすると、使用頻度と価値は大きいだろう。

実は、カメラユニットやフロントタッチ画面モジュールのインターフェースと仕様の完成度は高いので、アプリからのみ使用可能な機能は少なかったりする。撮影時の機能としては、スマートフォンの大きめ画面によるモニタリング時ならではの露出オーバー警告やヒストグラム表示くらいだ。

    テキスト
左からスタート画面、器接続、撮影画面
※画像をクリックして拡大
    テキスト
左から一般設定、動画撮影設定、ファイル転送画面
※画像をクリックして拡大

Action 2を映像作品制作に使ってみる

ロケ運用の感触を探るため屋外に持ち出して一篇の映像作品製作の一部に使用した。撮影の一般的カットは一週違いで発表発売となったDJI Mavic 3 Cineによって撮影、DJI Action 2は同機が得意とするカットやアクセント的なカットの撮影に使用した。

■「Never Die – shot by DJI MAVIC 3 CINE -」の撮影仕様

  • 4K120fps
  • 16:9
  • D-Cinelike
  • H265
  • 録画自動停止温度 標準

155°ワイドアングルに寄れば、演者にカメラごと飛び越えてもらうなど、思い切ったカットの撮影が可能だ。フロントタッチ画面モジュールを装着すれば、セルフィーなどカメラレンズ側から画角内を視認しつつ撮影できる。

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カメラ飛び越え
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カメラのぞきおろし

DJI Action 2マクロレンズを装着することで極端に被写体に寄って撮影できる。異世界的なイメージカットとして仕上げるのも面白い。

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イメージヴィジュアル(撮影素材)
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イメージヴィジュアル(編集後)

ロケにおいては、小型、堅牢、起動からクイックに撮影開始可能といった点は素晴らしく活きる。ポケットに忍ばせた状態からパッと出してDJI Action 2による撮影に切り替えできた。

ちなみに巷で不足の声があがっているカメラユニットの発熱については、他の機材との入れ替わりや休憩をはさみつつの使用では、熱停止や触れられないほどに熱くなるといった問題は起きなかった。気温が8°、風速は10mという環境も冷却の足しとなっていたのかもしれない。

試験的に室温18°の部屋で4K30fps、フロントタッチ画面モジュール装着しての撮影では、25分程度映像が記録されたところで熱停止した。春、夏の無風運用では気をつけたほうが良いかもしれない。

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磁気ボールジョイントアダプターマウント、DJI Action 2延長ロッドによる手持ち

先のような製作プロダクション的運用のほか、DJI Action 2ではカジュアルな持ち歩き、v-log的な使用にも良さそうだ。

電源ボタン長押しによるクイックショット、ホライズンステディによる水平どりはスマートフォンなみの速さで撮影に望める。自撮り向けのフロントタッチ画面モジュールやDJI Action 2 延長ロッドなど周辺機器も携行に際して現実的なサイズ重量で、脱着も磁力機構によりスピーディーで間違いも起こしにくい。

まとめ

DJI Action 2はまず、アクションカムとして最先端の撮影仕様実装により、得られる画像や映像に不足や不安は少ない。王道的アクションカム運用も十分可能どころか、独自の形状やサイズ・磁力機構によるまったく新しい撮影方法の可能性も感じられる。

また、仕上げや質感にDJIプロダクト特有の高級感や品位がある。スマホなみに常時携行し、日常を記録するのも良いだろう(本記事作成のモデルらからも「かわいい」「欲しい」といった声が聞かれた)。価格設定も絶妙(筆者目線)、ひとつバッグやポケットにしのばせておいてもよいのかな、という感じだ。

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  • 記事中モデル:宮﨑恵理、伊豫明音
  • パッケージモデル、映像出演:SASSAN
  • ロケ協力:鳴門カフェAO

伊丹迅

綺麗め女子、ネコ、風景を写真・映像で素敵に表現する作家、ドローンパイロット。「Panasonic S5/S1/S1R/S1H User’s Information Board」「Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K & 6K info」「DJI RS2/RSC2、RONIN、RONIN 4D使用者懇談会」「DJI MAVIC・SPARKオーナーズ」などのFacebookグループを管理運営する。徳島ドローン協会 設立者/事務局長。正体は悪魔音楽集団「ギロチン伯爵」主宰/ヴォーカリストの悪魔、デーモン獄長。