EOSR7メイン写真

  • EOS R7・ボディ:税込197,780円
  • EOS R7・RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMレンズキット:税込246,180円
  • RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM:税込42,500円
  • RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM:税込68,500円

EOS APS-C史上最高解像性能やEOS初機能を満載

キヤノンはミドルクラスにRシステム初となるAPS-C機を2台リリースする。APS-C機のハイエンドとなる「EOS R7」(以下:R7)と、エントリーモデルとなる「EOS R10」の2機種だ。ここでは筆者がR7のデモ機をお借りして独自の業務目線でレビューを行っていく。APS-C最上位機種としてEOS APS-C史上最高解像性能を謳うR7、気になるEOS初となる機能も満載だ。

    ■EOS R7新機能一覧

  • EOS初プリキャプチャ機能
  • EOS初パノラマ撮影
  • EOS初カメラ内フォーカスブラケット撮影
  • EOS初カメラ単体でのストリーミング機能
[映像人のカメラ・アクセサリー2022]レンズ編説明写真
最大積載量900gのMOZA Mini-Pにも搭載可能

なかでもニコンZ 9で話題となった、時間をさかのぼって記録できる「プリキャプチャ機能」が、R7では0.5秒ながら標準搭載してきた。野鳥などの撮影で重宝されているが他スポーツ全般、一瞬のタイミング勝負では非常に強力な機能だといえる。現状ではRAWバースト機能をONにすることで、最高約30コマ/秒のRAWデータを0.5秒前、つまり15カット程プリキャプチャしてくれるものとなる。多用するとデータサイズも膨らんでしまうため、使い所を見極める必要がありそうだ。RAWだけではなく、JPG記録でもプリキャプチャが行えると記録撮影全般で積極的に使用したいと思えるため、今後の展望に期待したい。同時に筆者のメインカメラでもあるEOS R3にも、ぜひファームウェアで対応して欲しい魅力的な機能だ。

他にもEOS Kiss M2やPowerShot G7 X Mark IIIに続き、自動水平補正を搭載してきた。

以上、様々な新機能はあれども、それらは他媒体でも積極的に実践レポートとして取り上げられるであろう。今回は試用期間もタイトであったため、筆者が最も着目している用途として、「EOS R3やR5のサブ機としてどれだけのパフォーマンスを発揮できるのか?」を着眼点として検証を行なっていく。

EOS R3といえば写真機としての性能はもちろん、ムービー内部RAW撮影や6時間もの連続記録にも対応している現行Rシステムの最上位機種だ。位置付けとしては、フラッグシップモデルではなくハイアマチュアモデルとなるが、R3の完成度からして来るべきフラッグシップモデルの期待値は非常に高い。

一方、R7は同じくハイアマチュアモデルの中でもAPS-Cモデルのフラッグシップモデルとされている。しかしながら、同社のAPS-Cモデルは価格も機能も全体的にエントリー向けにリリースされてきたのがこれまでのメーカー戦略だった。

現在では、ソニーやニコンなどの競合メーカーに加え、富士フイルムの中判参入によりハイエンドでは中判、ミドルエンドでも競合メーカーのAPS-Cフラッグシップモデルと戦わざるを得ない状況において、「実売30万円オーバーの『X-H2S』に対し、実売20万円前後のフラッグシップモデルというのはいささか心許ない」、プロユーザーなら誰もがそう感じるところだろう。そんな期待と不安を胸にテスト機を入手した。さっそく詳しく見ていこう。

外観の比較

サイズ感としてはEOS R5とRPの間に位置し厚みがあることでR5に近い。グリップも深くLレンズなどのグリップ性能も問題ない仕様となっている。

レビューEOSR7説明写真 レビューEOSR7説明写真
左からR5、R7、RP

新しいのは機能だけでなく、そのユーザーインターフェースにも新サブ電子ダイヤルを搭載している点だ。初見では左目でファインダーを覗いた場合干渉してしまうのではと思ったが、多少顔の向きを調整すれば十分に快適な操作が行える印象だ。

また、この新サブ電子ダイヤルは中心のマルチコントローラーを押し込むことで拡大表示となるため、兼ねてより5DのUIでズームボタンを押してからサブダイヤルで倍率を変えフォーカス詳細確認を行っていた筆者からすると、新サブ電子ダイヤルから指を動かす必要がない合理的なUIは新鮮かつとても好印象に感じた。

また、こちらにトラッキングON・OFFをアサインすることでAFフレーム移動とトラッキングの開始を迅速に行うことも可能な仕様だ。

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新サブ電子ダイヤル
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SDカードスロットはUHS-Ⅱ対応の2スロット

M-Fnボタン(マルチファンクションボタン)の他、ISOボタンも設置され操作性が向上している。

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ISOボタン

この辺りのUIはR3、R5で慣らした者としては多少の違和感はあるが、すぐに慣れるレベルにつき、携帯性を維持しながら合理的なUIに進化させる上での答えとして割り切れる。

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十字キーの中心にクイック設定ボタン

5軸ボディ内ISとEF-Sキットレンズ

R7も最新ミラーレスではお馴染みの5軸ボディ内ISを搭載しており、レンズとの協調補正で最大8.0段分の手振れ補正に対応している。これらはレンズによって最大補正値が変動するもので、キットレンズの「RF-S 18-150mm F3.5-6.3 IS STM」では7.0段分、「RF-S 18-45mm F4.5-6.3 IS STM」では6.5段分の手振れ補正効果となるそうだ。それでは同時に発表されたキットレンズの特徴にも触れておこう。

特筆すべきは以下の3点だろう。

  • 小型軽量
  • MF操作でクローズアップ撮影
  • 動画撮影中滑らかで静かな設計のフォーカス
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左からRF-S 18-150mm F3.5-6.3 IS STM(310g)、RF-S 18-45mm F4.5-6.3 IS STM(130g)
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RF-S 18-45mm F4.5-6.3 IS STMの望遠端

望遠タイプもまた、このサイズ感で230mmもの望遠撮影が可能になるのは素晴らしい。こちらは35mm時点のMF操作で最大撮影倍率が0.59倍にもなり、ハーフマクロレンズ以上のクローズアップ撮影が可能となっている点も注目だ。なにより、運動会の親御さんカメラマンにとっては、価格、携帯性、望遠性能、描写性能、フォーカス追従性能と、どれをとっても素晴らしい選択になるのではないかと感じた。

写真や8bitでの映像制作であれば、7月に発売予定のEOS R10との組み合わせで最もコストパフォーマンスに優れた体験ができそうだ。

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RF-S 18-150mm F3.5-6.3 IS STMの広角端
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RF-S 18-150mm F3.5-6.3 IS STMの望遠端
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個人的には型の接合部分が気にならなくなるとより所有欲が増しそうだ

APS-Cモデルの望遠撮影

さて、それでは本題へ入っていこう。R7はR3やR5のサブ機としてどれだけ価値があるかを見ていきたい。

まずAPS-C機と聞いて一番に期待する点は望遠撮影のアベレージだろう。キヤノンには既に「RF100-400mm F5.6-8 IS USM」という非常にコストパフォーマンスに優れた望遠レンズがある。換算で160-640mmともなる望遠撮影がこのサイズ感で行えるのは、フルサイズしか存在しなかったRFユーザーとしては願ったり叶ったりだろう。

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RF100-400mm F5.6-8 IS USMの広角端
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RF100-400mm F5.6-8 IS USMの望遠端

さっそくこちらのセットを持ち出してみた。以下、東京スカイツリーの袂での撮影素材となる。

    テキスト
RF100-400mm F5.6-8 IS USM 123mm
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634mを誇る東京スカイツリーを下から換算196mmで見上げるとこうなる。ここからが見せ所だが、換算640mmで撮影すると、ドローンを飛ばさなくとも点検ができるのではないかと思う程クローズアップした撮影が可能だ。

    テキスト
RF100-400mm F5.6-8 IS USM 400mm
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    テキスト
RF100-400mm F5.6-8 IS USM 100mm
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    テキスト
RF100-400mm F5.6-8 IS USM 400mm
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高感度耐性と長時間収録性能を検証

そんな望遠撮影が得意なのはいうまでもないが、それとは逆に心配になるのが高感度耐性である。特にEOS R5を運用されている方で、本格的な映像制作に着手している方なら、そのノイジーなCanon Log 3に悩まされたに違いない。これらはEOS R3で完全なまでに改善されてはいるが、このR7、APS-Cモデルでありながら3250万画素とフルサイズに換算すると5200万画素となり、R5の画素ピッチを下回ってしまうというから心配で仕方がない。

百聞は一見にしかず、映像内における高感度耐性については、そのノイズの振る舞いを実際の映像で見て貰う以上に確かな方法は存在しない。以下、中心の黒い部分を確認するとハッキリとその差が確認頂けるだろう。可能であれば4Kモニターで確認して頂けるとより明確な違いを確認できる。

4K 29.97fps IPB(軽量)Canon Log 3で撮影。R5に関しては写真では上手く処理されるが10bitのCanon Log 3では素の状態なのだろう

ご覧の通り、ISO1250で既にザワザワと暗部にノイズが躍るR5に対して、なんとR7ではISO2000以下ではほとんど気にならない。

そればかりかISO3200-4000に至るまで、R5のISO1250より好印象といってしまうと大袈裟かもしれないが、同等かそれ以上ノイズが少ない印象を受ける。自社開発の新型CMOSセンサーの恩恵か内部補正が秀逸なのかは分からないがその差はハッキリとしている。

画像では確認しづらいとは思うが、スマホなどで視聴されている方向けにデータサイズを抑えたクローズアップ画像も用意した。

    テキスト
左からR5/ISO1250、R7/ISO1250、R7/ISO3200。真ん中のR7の画像がやや精細さで劣るのは開放F値でのフォーカスの違い
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丸い参照部分に黒いシミのようなノイズが如実に確認できる。これが映像になるとワシャワシャと踊り出して、ノイズ処理をするとどうしてもディテール部分も削がれてしまう、暗部ノイズの厄介なところである。

この結果には筆者も正直良い意味で驚いた。最低でもR5と同程度であれば、明るめの室内であればR5やR3のサブとして十分に稼働させられると思っていたところ、はるかに良い結果となった。10bit Canon Log 3収録において十分な露出を確保できる確約がない撮影では、R5よりR7の方が圧倒的に適しているといわざるを得ない。

R7の長時間収録性能

さて、R5で厄介だった高感度の暗部ノイズに関しては期待以上の結果が得られたわけだが、一方で長時間収録の安定性に関してはどうだろうか。 これまで一眼カメラで長時間収録をするなど、シネマ機でもない限り夢のまた夢。30分制限もそうだが、パナソニックのGHシリーズを除いてセンサーサイズの大きなカメラは、全て熱問題により長時間収録には非対応だった。

よって、記録や舞台、イベント、報道、メイキング、インタビューなどの需要を見据えた一眼ムービーユーザーの多くが、CINEMA EOSが高額だったためパナソニックへ安息の地を求め移動したのがかれこれ10年程前になるだろうか。当時、「EOS-1D C」といったDSLRのフラッグシップモデルにCanon Logを搭載したモデルも登場したが実売105万円と高額であった。

そんな理由もあり、一眼映像制作者の間で破竹の勢いでファンを獲得していったのが、GH3とその後継のGH4だったと記憶している。遅れること2年、ソニーの「α6500」でも実質4Kでの長時間収録が可能となり、複数台まとめ買いをされる業者も多く見られた。筆者もα6500には婚礼のエンドロールや記録ムービーを5年以上支えて貰っている。

その間、キヤノンでは安定的なムービー撮影を行いたい場合CINEMA EOSかカムコーダーを導入する他ない状態だった。それが最近では、やっとEOS R3で念願の30分制限を撤廃し念願のスチルムービー盤石なハイブリッド性能となったが、実売70万円の価格設定である。

今回のR7が20万円台で6時間の長時間収録を謳っているのは、キヤノン史上、異例といっても良いだろう。実際にはどうなのか、さっそくテストを行ったので結果を確認して欲しい。

スマホに表示させたタイマーを撮影した映像の切り抜きをエビデンスに、ご覧の通り4K 29.97fpsでしっかり6時間(5時間59分59秒)撮影することができた。

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撮影設定:4K 29.97fps IPB(軽量)8bit 4:2:0/Prograde Gold 256GB/室内+25度/USB-C給電
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※発売前の試作機での検証

続いて、より後負荷な撮影設定でのテストを行った。4K 59.94fpsでは、1時間40分以上撮影することができた。

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撮影設定:4K 59.94fps IPB(軽量) 8bit 4:2:0/Prograde Gold 256GB/室内+25度/USB-C給電
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7Kオーバーサンプリングである4K UHD Fineでも、40分以上の撮影を続けることができた。筆者個人的には十分満足のいく結果が得られた。

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撮影設定:4K UHD Fine 29.97fps IPB(軽量)8bit 4:2:0/Prograde Gold 256GB/室内+25度/USB-C給電
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※カメラが完全に冷めるまでインターバルを挟んで撮影

続いてより細かい部分を見ていきたいと思う。

ショルダーストラップにも垣間見えるヒエラルキー

まずは、本当にどうでも良いと思われる方も多いかとは思うが、付属のショルダーストラップについて。これはEOS R5のものとまったく同等品質(太さ厚み)のものが付属する。EOS R3よりはやや細く、5DなどのDSLR機からするとかなり細いものだ。

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一見どうでも良さそうだが、キヤノンの製品ヒエラルキーとして、APS-C機のフラッグシップがフルサイズでいうところのEOS R5により近い位置にあることを再認識できた。つまり、EOS 5D Mark IIIやEOS 5D Mark IVのサブ機として活躍したEOS 7Dを彷彿とさせる。

バリアングルモニター周りと要望

続いてバリアングルモニターと入出力端子の関係性について紹介しよう。

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感心したのが、マイク入力端子、モニター出力端子にバリアングル液晶がまったく干渉しないバランスで調整されている。HDMI端子に関しては割り切りなのは、他社に比べて背面モニターの精細さや発色に定評のあるキヤノンの自信の表れなのかも知れない。

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外部モニターをトップハンドルに装着した場合、ローアングルでのモニタリングは快適に行えるが、逆にハイアングルの視認性が悪くなる。その場合、画面表示を背面モニターと両表示に切り替えるなどして、バリアングル液晶でローアングル時のモニタリングが行えるようバランスが調整されているのは、現場の声をしっかりと反映させた素晴らしい調整だとR5でも感じた。

しかし、残念な点が一つ。R7は外部、背面のモニター両表示にした際、カメラ内部への記録ができなくなる仕様(RPと同等)である。つまりは外部収録を行わない限り、タッチフォーカス機能なども機能しなくなるし、ワイヤレスHDMIで映像をディレクターやクライアントに送信しつつ撮影することも不可能だ。この辺りは、「20万円台前半のカメラで、本格的なクライアントワークを安定的に行おうという方がおこがましい」ともいえるための及第点であろうか。

もう一点、気になったのは60Dで搭載されて以降、全てのシネマ機を除いたEOSで、バリアングルが180°未満の開閉である点だ。カメラに対してきっちり90°にならないことで、ロー&ハイアングル時の精密な構図出しなどが非常に行い辛い。これらは最近バリアングルで展開しているソニーでもいえる点だが、各社パナソニックの設計を見習って欲しいと感じる。そんなウィークポイントを打開する機能としての「自動水平補正」機能なのかも知れないが、可能であれば根本的な要因の改善に期待したいところだ。

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展開、ハイアングルポジ、ローアングルポジ(イメージはEOS RPとR5)

他気になる点としては、「HDMI出力先の接続を失うと録画が強制停止してしまう」仕様だ。これらはバリアングルが干渉して接触不良となるや即記録が停止してしまうし、外部モニターやワイヤレスHDMIのバッテリーが切れることでも録画が停止してしまう。そもそもMicroHDMI端子を採用していることで、端子自体の虚弱性と相まって接触不良気味のケーブルは、相当危険な録画強制停止マシンガントリガーと化す(実際クライアントワーク中に泣かされた経験がある)。

メーカーの見解としては、内部のデータを保護するため、確実に記録できる時点での書き込みを行うという意図があるそうだ。しかしながら、外部端子外の挙動が内部データに干渉しうる設計は改善してほしいと感じている。

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R7に対応するHDMIケーブルのMicroHDMI端子部分

あと測距輝度範囲だが、R7は実際にテスト撮影を行ってみた際、やや暗い場所でのAF挙動に不安が残る印象だ。筆者はEOS R5を婚礼の記録現場で使用した際に、薄暗い披露宴会場などのAF挙動で心許ない思いを幾度となく感じた経験がある、そんなR5でEV‒6.0~20(F1.2レンズ使用時)とされるところR7はEV-5.0~となる。

これはEOS RPと最低測距輝度範囲でみて同等の性能を意味し、EOS R3のEV‒7.5~はもちろん、R6のEV‒6.5~より劣る位置付けとなる点で、適用シーンを選ぶ必要がありそうだ。

まとめ

レビューEOSR7説明写真

さて、良い点も悪い点も個人的な目線ではあるが一通り紹介を行って来たが、上記伝統的な仕様ともいえる2点と最低測距輝度範囲を除けば、総じて絶賛ポイントしかないといえる完成度だ。特に動画機として見た場合、4K30Pでの長尺映像が撮影可能なので、EOS R3のサブ機的な位置でのマルチカム制作に使えるだろう。

正直これだけでもRFシステムで映像制作を行っている筆者からすれば、複数台マストバイな印象だ。また、日中野外での動体を狙った写真撮影などでも、望遠撮影の強みとR3から踏襲されたAF性能が大活躍しそうだ。

Nick Tsutomu|プロフィール
レストランシェフ引退後、IT系制作会社を経て2022年で個人事業10年目を迎える撮影監督兼カメラマン。ホテル、レストラン、ウエディング、不動産、舞台、イベント、芸能、映画、CMなど多ジャンルにて商業記録問わず小中規模の撮影をメインにスチルからムービー空撮までフレキシブルかつ的確な監修を強みとしている。美容学校写真講師を兼任していた経験やブライダルメイク室との人脈から各ジャンルに適したヘアメイクの斡旋なども行なっている。サウナとビールが好き。

WRITER PROFILE

編集部

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PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートを中心にお届けします。