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平和精機工業株式会社(以下:Libec)から2022年5月に発売された新しい三脚のラインナップ「HSシリーズ」は、ミラーレスカメラなどの小型軽量カメラから、大型のデジタルシネマカメラまでをターゲットとした三脚システムだ。

HSシリーズは従来の「RSシリーズ」の正統進化モデルであるとともに、新たなクラス対応へと足を踏み入れた意欲的なモデルを携えて登場した。

モデルはHS-150/HS-250/HS-350/HS-450の4種類で、数字が大きくなるほど大型のカメラに対応する。HSシリーズは従来モデルから大幅な改良を加えた、完全新規設計のヘッド(雲台)を採用する。ヘッドは、稼働部品も多くカメラという重量物を支えるため経年劣化が出やすい機材の1つであるが、HSでは経年によるパンやティルトのガタつきが起きない構造となっている。

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HS-150ヘッド部
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ヘッドのみの型番はH15

筆者は20年来のLibecユーザーでもあり、筆者のタイムコード・ラボにおいて近年はハンドヘルドカメラ用のRS-250シリーズを更新~整備などして愛用し続けてきた。そうした旧来モデルを使い続けてきたユーザーとして新HSシリーズがどう変わったのかを評価していきたい。

今回は、軽量カメラに対応する「HS-150」をお借りできたので、ミラーレスカメラや小型ハンドヘルドカメラを使ったレビューを行いたい。

無段階式カウンターバランスを採用

Libec三脚の真骨頂とも言えるのが「パーフェクトバランス」だ。小ぶりなヘッドでありながら、無段階式のカウンターバランス機構を搭載し、どのティルト角でも確実にカメラを止めることができる。

これから初めて本格的な三脚を導入しようとしている方向けに説明すると、まず「カウンターバランス」というのは、カメラをティルト(上下)方向に傾けた際、カメラやパン棒から手を離してもカメラがその角度で静止するための機能だ。

この機構がないヘッドはカメラの重さに引っ張られて、そのまま傾いていってしまう。傾かないように手で支え続けても良いが、そうすると手から意図しない振動が伝わったり、また本来行いたいカメラワークに必要のない余計な力を加え続けることになるため、滑らかなカメラワークが行いにくくなる。そこで、プロ向けの上級の三脚は「カウンターバランス」という、カメラの傾きを抑制する機構を備えている。

では、Libec HSシリーズが採用する「パーフェクトバランス」とは何かというと、ヘッドに適合するカメラ重量の範囲であれば、どんな角度にカメラを傾けてもヘッドを静止させることができる機構のことだ。これは「無段階式」というカウンターバランス機構が重要になる。同社のより安価なモデルのNXシリーズや他社の同クラスのモデルの場合、カウンターバランス機構は備わっているが「段階式」のカウンターバランスが採用されている。

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パーフェクトバランスシステム

例えば、1~4の4ステップの段階式カウンターバランスの場合、載せるカメラの重量によっては設定2ではカウンターが弱くて傾きが抑えられず、設定3ではカウンターが強くなりすぎてしまって反対に跳ね返ってしまう…ということが起きる。これを収めるにはカウンターバランスではなく、ヘッドの動きの重さを調整するティルトドラッグの粘りで押さえつけるか、カメラにアクセサリーなどを取り付けて少し重くするか、重心を上げるなどしてカメラ側をヘッドの設定に合わせにいくしかない。

しかし、ドラッグはそもそも撮影する対象によって調整するための機構であるし、せっかく軽いカメラをチョイスしているのに三脚のために重たくしてしまっては本末転倒だ。段階式カウンターバランスはそうしたステップとステップの間に適切なカウンター値がある場合は、カウンターバランスを調整しきれずに使うことになる。

しかし、無段階式のカウンターバランスは、ステップとステップの間隙というものが存在しない。カメラが2.4kgでも2.5kgでもその僅かの差を確実に追い込んで調整できるのだ。

こうした、無段階式カウンターバランスを採用する三脚ヘッドは他にVintenの三脚がある。筆者は放送用カメラを使う際、VintenのVision 100や10などで育ったため、カウンターバランスを取る作業は無段階式のタイプに慣れているし、そうでないと調整を追い込めていないようで気持ち悪い。

HSシリーズでは、最上位の「HS-450」はもちろん、軽量カメラ向けのHS-150にもパーフェクトバランスが採用されている。

カウンターの強さが分かるメーターを搭載

Libecの三脚は、旧シリーズとなるRSシリーズでも無段階カウンターバランスシステムを採用していたが、HSシリーズではそれに加えて「カウンターバランスメーター」を搭載。カウンターの強さが分かるように0~100までの数値を打ったメーターが新設された。

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カウンターバランスメーター

パーフェクトカウンターバランスの場合、ツマミを何回転もさせて調整を行うため、ツマミを見ただけではカウンターの強さが分からない。日頃、三脚に載せるカメラが決まっているのであれば、カウンターの強さを数値で把握できた方がセットアップが早くなる。「カウンターバランスメーター」の数値は10刻みの表記で細かな目盛などは付いていないので、大雑把な値でしか把握できないが、まずは覚えている大まかな値までカウンターバランスツマミを回して、そのあと微調整を行えるので、何の表示もない状態よりは素早くセットアップを行えるようになった。

ちなみに、VintenのVision 100や11などの上位機種ではカウンターバランス値を確認できるデジタル表示ウィンドウが備わっている。こちらは1単位刻みで変化する表示だ。それには及ばないとはいえ、10万円未満のヘッドであっても「カウンターバランスメーター」を搭載してしまったLibecのHSシリーズはインパクトが大きい。

ドラグユニットを刷新

ヘッドの動きの滑らかさや粘り具合を決めるドラグユニットも刷新。操作性、耐久性、信頼性のいずれも向上させた新ドラグシステムが設計され、金属積層ユニットを採用した高性能ドラグユニットに仕上がっている。

そして今回、従来機ユーザーとして何よりも嬉しかったのが、0+3段階ドラグに進化したことだ。筆者が使い続けてきたRS-250はドラグ切替は2段階のみ。軽めの設定1と重めの設定2しかなく物足りなさを感じていた。上位のRS-350/450では、0+3段階のドラグが設定されていたが、カメラ重量との適合を考えるとRS-250の選択しかできなかった。

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パン/ティルトのドラグ調整は0+3段階

しかし、このHSシリーズはHS-350/450はもちろん、HS-150/250でも0+3段階のドラグ切替を実現している。設定0というのはフリーの状態、いわばスカスカの状態だ。そして1~3段階までがドラグユニットの粘りを受けて滑らかなカメラワークを行うことができる。ドラグの粘り(重さ)は使うカメラやユーザーの好みによってもまちまちで、設置1でも「重すぎる…」というユーザーもいれば、筆者のように設定3でも「軽い…」と感じてしまうなど、メーカーとしてもユーザーの声を反映させるのが大変な部分らしい。

個人的な好みで言えば、現在の設定3ぐらいが普段使いで、仮にもう少し重めの設定4があれば、商品撮影・料理撮影などの精密接写の際に助かるのになぁ…という感想だ。もちろん、現在の設定3でも問題なく料理接写などはできている。カメラマンの腕さえあれば問題ない(笑)。

ワンタッチで脱着できるスライドプレート

カメラをヘッドに脱着するためのスライドプレートは「SNAP ON/OFFプレート」を採用。旧来のヘッド後方へプレートをスライドさせての脱着方式ではなく、ヘッドのトップにサイドからワンタッチで脱着できるため、素早いセッティングが可能だ。

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「SNAP ON/OFFプレート」を採用

また、Manfrotto/Sachtler互換のプレート設計となっているため、他社の三脚ヘッドや電動ジンバルといった様々な機材にプレートを付け替えずに脱着・セットアップできるようになっている。

筆者の場合、基本的には三脚ヘッドへのカメラの脱着はクイックシューや三脚アダプター(フネ)といった、スライドプレートとカメラの間に1アイテムかまして脱着を行うようにしている。そのためスライドプレートの脱着方法やデザインはあまり影響がないのだが、それでも三脚のセッティング時や撤収時にはスライドプレート+三脚アダプターのヘッドへの脱着は行うので、その際は僅かながらだが「SNAP ON/OFFプレート」の素早さの恩恵を受けている。

アクセサリーポート

ヘッドの前方にはアクセサリーポートを装備。1/4と3/8インチのネジ穴が1つずつ開いており、モニターや照明といったアイテムを取り付けることが可能。ヘッドのベース部分にアクセサリーポートが設けられているため、ヘッドの搭載重量やバランスには影響せず、少し大きめのモニターなどを取り付けていても問題なく運用できる。

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1/4と3/8インチのネジ穴が用意されているアクセサリーポート
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予備カメラネジも用意されている

HS-150ならではの特徴

さて、ここまでは大まかにHSシリーズ全体の特徴を綴ってきた。続いては、今回お借りしたHS-150ならではの特徴を見ていこう。

HSシリーズの中でもHS-150はミラーレスカメラや軽量なハンディカメラをターゲットにしたモデルだ。実は、HS-150というモデルは同社の従来製品の中には存在しない新たなクラスに位置する。旧RSシリーズはRS-250が最軽量対応モデルで、RS-150という製品は存在しなかった。

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ミラーレスカメラとの見た目のバランスもよい

ミラーレスカメラ向けの軽量三脚として、NXシリーズがラインナップされているが、こちらは"世界最軽量の三脚"を主眼に開発された物で、新設計の「段階式カウンターバランス機構」「カーボン脚」「トルクユニット」と意欲的な製品であったが、ハイエンド志向ではなく、どちらかといえばエントリー向け。しかし、HS-150はバリバリのプロカメラマンがメイン三脚として使える設計になっているのは、上述の通りだ。

HS-150の諸元を確認しておこう。

最大搭載重量は3kg。カウンターバランスの適応重量は0.8~2kg(重心55mm)。ティルト角度は+90°/-70°。三脚システムの重量は、グランドスプレッダー仕様で6.2kg。ミッドスプレッダー仕様で5.9kg。高さはグランドスプレッダー仕様で56~166cm。ミッドスプレッダー仕様で81~166cmとなっている。

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ローアングル時は雲台トップ部で56cmまで下げられる

Libecさんは、筆者が従来からグランドスプレッダー仕様しか好まないとご存知なので、今回は何も言わずHS-150のグランドスプレッダー仕様を送ってきてくださった。

テストでHS-150に載せてみたカメラはパナソニック「LUMIX DC-GH6」だ。ただし、完全な素体ではなく、GH6専用のSmallRig製のカメラケージとグリップベルトを取り付けている。レンズは、最も現場で多用しているオリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」を装着した状態である。システム重量は全体でおおよそ1600gだ。

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今回使用したカメラはパナソニックLUMIX DC-GH6

今回はこのシステムに、三脚アダプターなどを挟まずに、直接スライドプレートにカメラを取り付ける形で使ってみた。

まずはカウンターバランスだが、「カウンターバランスメーター」で70強ぐらいのところで、完全バランスを取ることができた。これは、2kgを当然のように超えるハンドヘルドカメラでは当たり前のことなのだが、ミラーレスカメラのような軽量なカメラで完全バランスを得られるのは感動だ。カメラマンを長くやっていればやっているほど新感覚に襲われるだろう。

ドラグの重さは先にも述べたように、個々人の好みが出るところだが、筆者はこの撮影システムでも最大設定値の3を選択。上位機種と同等のしっかりした同社の脚部「RT30B」に、ダイキャスト製のヘッド筐体のお陰で、歪みや捻れに影響されないスムーズなカメラワークが可能だ。

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脚部は従来と同じRT30B
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2-2-1の3段式脚部

バックラッシュはほとんど感じないレベルまで押さえ込まれており、望遠撮影や微細ワークを必要とする接写でも安心して使える。

なお、0+3段階で調整可能なHS-150のドラグだが、実は同じHSシリーズでも機種に拠ってドラグの重さはそれぞれ適切に設定されている。HS-150の場合は搭載するカメラが軽量ということがあって、全体的に少しドラグは軽めのセッティングとなっている。

これは当ラボにある「HS-350」と比べて気がついたことで、HS-350で設定3でカメラを載せずにパン棒を振ると三脚ごと浮き上がってしまうのだが、HS-150は同じ設定3でも三脚が浮き上がるほどではなかったことから発覚した。メーカー担当者に確認したところ、上述の通り機種毎に適切なドラグを設定してあるとのことだった。

さて、HSシリーズの中でも唯一HS-150のみが持つ特徴がある。それはカウンターバランス値を大きくしていってもティルト角に制限が付かないことだ。実は、旧シリーズを始め、HSシリーズはHS-250以上のモデルではカウンターバランス最大値100の場合、ティルト角が+/-50°、もしくは+/-40°に制限されてしまう。これはカウンターバランスに使用されているバネの強さと構造上、他社製品でも発生してしまう制限だ。

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カウンターバランス最大でもティルト角制限がないHS-150
※画像をクリックして拡大
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モデルによってカウンターバランスの調整ツマミの色が異なる。HS-150は金色

そのため、例えば、「HS-250」(1.7~4.5kg)で適応上限の4.5kgのカメラを使うとなると、必ずティルト角制限に引っかかるため、ひとつ上のHS-350(3.0~7.5kg)を選択した方が良いことになる。しかし、この制限がHS-150には発生しないため、安心して上限2.0kgまでのカメラシステムを組み合わせることができるのだ。

ミラーレスカメラやデジタル一眼レフカメラ(以下:DSLR)での撮影の場合、リグを付けたり、フォーカスフォローを付けたり、外部モニターを付けたり…とハンドヘルドカメラよりも使用スタイルが変化しやすい。それはすなわちオペレーション重量が変化するということなので、多少の重量増加でもカウンターバランス調整の結果ティルト角制限を受けないメリットは大きいだろう。

良いこと尽くめのHS-150だが、使っていく中で課題も見つけた。

小型軽量カメラ対応ということで、ミラーレスカメラよりもさらに軽い小型ハンディカメラを載せてみた。当ラボにある小型ハンディカメラはキヤノン「iVIS HF G20」という結構古いカメラぐらいしかないので、このG20を載せてみる。重量は約700g。HS-150の対応範囲が800g~なのでちょっと足りない…ということには今この文章を書きながら気がついたのだが…。

さて、軽量なカメラを載せる場合にひとつ問題があった。パン棒が重くて軽量なカメラだと前後バランスが取れないのだ!今回は700g足らずのカメラを載せてしまったため、さらに顕著に問題が出てしまったのだが、仮に800gでもそんなに大きくは変わらないだろう。

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G20では前後バランスが取りきれなかった

HS-150に付属しているパン棒は、上記機種と同じPH-6B。太めのしっかりとしたグリップに、伸縮可能な品質の良いパン棒だ。これが、どうも重すぎるらしい…。実際、G20をスライドプレートの最前方に取り付けて、さらにスライドプレート自体も前に迫り出させたが、バランスを取ることはできなかった。

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伸縮式のパン棒

現時点でユーザーができる対策は、カメラに適当な重さのあるアイテムを取り付けてカメラシステムを重くする、同社のアダプタープレート「AP-X」を使って嵩上げして重心を高くする、同社のロングスライドプレート「Long Plate S」と使って、さらにカメラを前に迫り出す…、などが考えられる。

さらに、もう少しスマートにする方法もあって、同社のNXシリーズやTHシリーズのパン棒をHS-150に取り付けるという裏技もある。実はNX100や300などのパン棒の菊座とHSシリーズなどの菊座の山は同じ切り方がされているので、見た目はちょっと不細工になるのだがちゃんと適合するのだ。残念ながら、NX/THシリーズのパン棒はアクセサリーとして別売されていないので、NX/THユーザーでないとできない方法だが、Libec側もこの「付属パン棒が重すぎてバランスしない」という問題は把握しているようなので、HS-150用にオプションで軽量パン棒などを用意するなどの改善策を今後出してくれるかも知れない。

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THシリーズのパン棒をHSに取り付けてみた

また、ミラーレスカメラなどを載せるときに出てきやすい問題が、パン棒の菊座部のノブがカメラの底部に当たる…という問題だ。

ハンドヘルドカメラなどは、横幅があるカメラでも右手のグリップ形状などから底部が大きく横に広がっていることはない。しかし、ミラーレスカメラやDSLRなどはカメラの横幅=底部の横幅となる機種がほとんどであるため、底部が雲台上部幅を超えて大きくはみ出す傾向がある。そのためノブと干渉しやすいのだ。

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カメラサイズと前後ポジションによってはノブが干渉する可能性も

レンズ交換式のミラーレスカメラやDSLRはレンズによって前後バランスが変わるため、このノブに干渉しやすい前後位置が生まれてしまう場合がある。テストではカメラケージを取り付けているので、より干渉しやすい条件になっているが、おそらくケージなしの素体の状態でもこの位置だとノブと干渉しているだろう。

NX/THシリーズのパン棒のノブのように、ノブ部分を短くするとともにネジの片方向ではなく両方向にノブが付いた形状にすれば、実用性を損なわず干渉しにくいノブにできるのではないだろうか?こうした問題は"HS-150ならでは"だろう。このような根本的とも言える問題が歴史ある三脚メーカーで生じてしまうのは、それだけこのHS-150という三脚が新しいポジションにあるということの証左なのだ。

Libecは日本メーカーであり、その開発拠点も国内だ。こうしたユーザーの声はメーカーにも届きやすいので、今後何らかの対応があることを期待したい。

まとめ

動画撮影における三脚の使用は、カメラの固定や安定したカメラワークに必須だ。特に動画ならではのパンやティルトといったカメラの動きの善し悪しは、三脚の性能に左右される。撮影者のある程度の鍛錬も必要だが、「腕前をお金で買える」と言われるほどに三脚はコストを掛ける価値のある撮影アイテムである。

では、例えば、100万円の三脚を買えば全て上手くいくのか?…といえばそうでもない。使用するカメラに適合した三脚、自身が使用する現場に適格な三脚を選ばなければ、宝の持ち腐れどころか、無用の長物になってしまう。

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現在、ミラーレスカメラを使った動画撮影が多くなってきている。数年前までは、そうした小型軽量なカメラで本格的な動画撮影行うための三脚の選択というのは大変に頭を悩ませたが、昨今は各三脚メーカーからミラーレスカメラをターゲットとした三脚が出てくるようになった。

Libecの場合、NXシリーズを皮切りにミラーレスやDSLRでの本格使用を見据えた三脚がラインナップされるようになった。タイムコード・ラボではHS-350を現場に既に導入しており、またHS-250も利用する機会があったため、ハンドヘルドカメラでのテレビロケや舞台撮影などで活用している。実際、当ラボの現場でHSシリーズを使用したカメラマンたちには好評で、現在も積極的にHSシリーズを現場に投入している。

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HSシリーズの登場で、ミラーレスカメラからENGカメラまで幅広いクラスのカメラに対応可能になったLibecの三脚ラインナップ。様々なカメラを使いこなすユーザーはLibec HSシリーズの中から適切な三脚モデルを見出すことで、自分の撮影環境に相応しい三脚を手にすることができるだろう。

当ラボでも、HS-150/250/350をそれぞれ使ってみて、現場で使用するカメラシステムによって使い分けるのが快適だと体験し、全シリーズを揃えてしまいたいぐらいの魅力を感じている。

WRITER PROFILE

宏哉

宏哉

のべ100ヶ国の海外ロケを担当。テレビのスポーツ中継から、イベントのネット配信、ドローン空撮など幅広い分野で映像と戯れる。