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本質的な性能が向上して、フラッグシップ機に〜DJI Osmo Action 4レビュー

DJIのOsmo Actionシリーズから、およそ1年ぶりに新しいアクションカメラOsmo Action 4(以下、OA4)が登場した。Osmo Action 3(以下、OA3)で採用された使い勝手は、そのまま継承され、画質や映像ブレ補正等の本質的な機能が強化されている。アップデートされた撮影性能を中心に、発売前の実機を用いてレビューを試みた。

民生用ドローンの分野でパイオニアであるDJIにおいて、同社の「Osmo Action」シリーズは、「Osmo Pocket」や「Osmo Mobile」、「Ronin」シリーズなどとともに、「ハンドヘルド」のカテゴリーにラインナップされており、2019年5月に発売された初代Actionを皮切りとして、今回で4世代目となる。2021年10月に発売されたOA2は、マグネット着脱式で様々なアクセサリーが装着できるユニークな合体型のスタイルであったが、2022年9月発売のOA3からは、当初のGoProライクなデザインに戻り、OA4もその流れを継承している。

前機種と比較した場合、フォームファクターに大きな変更はないが、イメージセンサーが1/1.7インチから1/1.3に、画素サイズも1.6μmから2.4μmとなり、画質の向上に大きく貢献。防水性能も、16mから18mと向上している。DJIでは、OA4を、フラッグシップアクションカメラと位置付けている。

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Osmo Action 4の特徴について

今回、OA4の主なポイントをピックアップしてみると、以下の通りである。

  • 1/1.3インチ CMOSイメージセンサー
  • 2.4μm相当のピクセルサイズで、最大4K120P動画
  • 4K60P 155° FOV
  • 10-bit D-Log M
  • どのアスペクト比でも、HDR動画に対応
  • 映像ブレ補正 360° HorizonSteadyの充実
  • 防水18m(ハウジングなし)
  • ジャイロデータのエクスポートに対応
  • GPS内蔵 Bluetoothリモコン&Sports Track機能
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Osmo Action 4アドベンチャーコンボ一式
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アプリDJI Mimoのカメラコントロールの画面

外観とアクセサリーについて

OA4のサイズは、OA3同様、70.5×44.2×32.8mm、重さは145g。外観は、レンズユニット以外、OA3と良く似ており、バッテリーも互換性があるから、同じ筐体が利用されているように思える。ボディカラーは、グレーから黒へ。シャッターボタンやRecボタン等の色は、オレンジから赤に変更されている。

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DJI Osmo Action 4

光学系に改善があり、イメージセンサーが、OA3の1/1.7インチCMOSセンサーから、1/1.3インチにアップグレードした。

シリーズの特徴であるデュアルスクリーンは維持されており、LCDフルカラーのタッチディスプレイをフロントとリアの両面に設置。自撮りの際にも設定がスムーズにできる点が良い。画面のスペックは、フロント画面が、1.4インチ 323ppi 320×320、リア画面が、2.25インチ 326ppi 360×640となっており、タッチの反応は良い。正面のACTION 4のロゴの部分には、マイクや色温度センサーが配置されている。

シャッター/録画ボタンは、スナップショットボタンとして使用することができる。カスタムモードとクイックスイッチボタンに対応し、頻繁に使用するパラメーターをショートカット保存して、撮影モードを物理的にスムーズに切り替えることができる点も便利である。音声プロンプトを利用して、モードを切り替えることもでき、その際は、音声で現在のモードを読み上げてくれる。

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LCDフルカラーのタッチディスプレイをフロントとリアの両面に設置
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ACTION 4というロゴの部分に、マイクや色温度センサーが配置されている
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正面向かって右側面にあるクイックスイッチボタン

内部にストレージはないので、microSDカードを装填して使用する。

バッテリーは、1770mAhのLipo15、6.8Wh、3.85V。動作時間は、およそ2時間半程度。性能の向上に伴い、消費電力が増加したため、バッテリー駆動時間は、OA3と比較すると若干短いのだが、急速充電に対応しているので、迅速に撮影を再開することは可能だろう。

アドベンチャーコンボに付属しているOsmo Action多機能バッテリーケースでは、USB-Cケーブルと接続して、3つのバッテリーを同時に充電することができる。また、パワーバンクとして、スマートフォン等を充電できるところも気が利いている。内部にmicroSDカードホルダーも設けられており、2枚のカードを収納しておくこともできるから、いざという時のカード忘れ防止に役立つ。

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DJI Osmo Actionエクストリームバッテリーと、Osmo Action多機能バッテリーケース

防水性能は、18m(防水ケースなし)となり、OA3の16mより2m深くなった。防水ケース使用時は、60mまでである。

同梱されているクイックリリース式アダプターマウントは、マグネットとフックにより、横向きの場合は、カメラに直接、取り付けることもできて、着脱はスムーズだ。ただし、過去の機種と比べると、些か押し込む必要がある。これは、より確実にカメラを設置するための改善策であるようだ。カメラを縦位置に設置したい場合は、保護フレームを用いる。

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マグネット着脱式のクイックリリース式アダプターマウント
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カメラを保護フレームに嵌め込むことで、縦位置にマウントすることが可能に

アクションカメラに必須の専用アクセサリーが、以下の通り、豊富に取り揃えられている。

  • Osmo Action チェストストラップマウント
  • Osmo Action ヘルメット顎マウント
  • Osmo Action 60m 防水ケース
  • DJI フローティングハンドル
  • Osmo Action 接着ベースキット
  • Osmo Action バイクシートレールマウント
  • Osmo Action ミニハンドルバーマウント
  • Osmo Action 360° リストストラップ
  • Osmo Action GPS 内蔵 Bluetoothリモコン
  • Osmo Action ミニ延長ロッド
  • Osmo バックパックストラップマウント
  • Osmo Action 多機能バッテリーケース
  • Osmo Action 吊り下げ式ネックマウント15
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豊富なアクセサリー群

イメージについて

動画の撮影画角は、「超広角」、「広角」、「標準(歪み補正)」の3段階となる。16:9の横位置、縦位置のそれぞれの画角を比較してみると、以下の通りである(映像ブレ補正オフの状態)。

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「超広角」横位置
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「広角」横位置
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「標準(歪み補正)」横位置
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「超広角」縦位置
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「広角」縦位置
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「標準(歪み補正)」縦位置

動画の解像度/フレームレートは、以下の通り。

  • 4K(4:3):3840×2880@24/25/30/48/50/60fps
  • 4K(16:9):3840×2160@100/120fps
  • 4K(16:9):3840×2160@24/25/30/48/50/60fps
  • 2.7K(4:3):2688×2016@24/25/30/48/50/60fps
  • 2.7K(16:9):2688×1512@100/120fps
  • 2.7K(16:9):2688×1512@24/25/30/48/50/60fps
  • 1080p(16:9):1920×1080@100/120/200/240fps
  • 1080p(16:9):1920×1080@24/25/30/48/50/60fps

スローモーション

  • 4K:4倍(120fps)
  • 2.7K:4倍(120fps)
  • 1080p:8倍(240fps)、4倍(120fps)

動画フォーマットは、MP4(H.264/HEVC)。最大動画ビットレートは、130Mbpsとなっている。今回のOA4の肝は、光学システム。1/1.3インチのイメージセンサー、2.4μm相当ピクセルサイズによって、4K/120fps 155°超広角動画を撮影できるアドバンテージは大きく、低照度下の暗部のディテールの再現、ノイズ低減に威力を発揮している(OA3は、1/1.7インチ、ピクセルサイズは1.6μmであった)。実際、OA4のダイナミックレンジ及び、低照度環境下でのSN比は、OA3と比較して、1+ストップ向上している。

画質設定では、Proモードを選択すると、映像調整が追加され、シャープネス、ノイズ調整等のカスタム設定が可能となる。

今回、テストをして、ノーマルを選択した場合も、とても自然な発色であると感じられたが、OA4ではDJI AIR 2S等で先行して実装されていた10-bit D-Log Mのカラーモードに対応したので、広いダイナミックレンジを得ることにより、カラーグレーディング耐性も高まっている(OA3では、10bit D-Cine Likeだった)。カメラ正面右下のACTION 4の「O」の部分に搭載されている高精度な色温度センサーにより、陸上はもとより、水中においても、自然な発色を実現することができる。

音声録音は、48 kHz 16-bit AAC。3つのマイクを内蔵し、風ノイズ低減を実装。スペックOA3と比較して、明らかに音質がクリアに向上していた。ライブ配信も手軽に実行することができる。

4K60pノーマル

4K60p 10-bit D-Log M

4K30p 10-bit ノーマル(低照度下)

4K30p 10-bit D-Log M(低照度下)

4K120p スローモーション

静止画の最大解像度は、
4000×2256(16:9)
3648×2736(4:3)
OA3の4000×3000から、変更されている。

写真フォーマットは、JPEG/RAW。

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広角4:3 横位置
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標準4:3 横位置
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広角16:9 縦位置
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標準16:9 縦位置

映像ブレ補正について

次に映像ブレ補正 360° HorizonSteadyについて見てみよう。OA4の映像ブレ補正は、EIS(電子式映像ブレ補正)が採用されている。

  • RockSteady 3.0
  • RockSteady 3.0+
  • HorizonBalancing
  • HorizonSteady

動画撮影時に、RockSteadyを使用すると、画角がクロップされるので少し狭くなるが、安定化が図られる。

今回、新たに登場したのが、RockSteady 3.0+。RockSteady 3.0+を選択すると、さらに画角が狭まるが、映像ブレ補正は、より強力になる。HorizonBalancingは、水平の傾きが±45°までの場合、水平を維持する機能だ。動画解像度が、1080p(16:9)、2.7K(16:9)または4K(16:9)で、60fps以下の時にのみ利用できる。HorizonSteadyを選択すると、水平維持が作用する。撮影途中でカメラが回転した場合でも水平が維持されるのだ。検証時に、ぐるぐるとカメラを回転してテストした際も、水平が見事に保たれていた。

因みに、スローモーションとタイムラプスモードでは、EISは対応していない。

360° HorizonSteadyオフ

RockSteady 3.0

RockSteady 3.0+

HorizonBalancing

HorizonSteady

まとめ

ここまで見てきたように、OA4は、画質や使用感にこだわるユーザー向けのDJIのアクションカメラのフラッグシップモデルという位置付けとなっている。一見地味ながらも、画質における暗所性能や直感的な操作性が向上しており、本質的な性能や機能の改善について、妥協せずに取り組む姿勢は好感が持てる。周辺部の歪みは、好みが別れるところかも知れないが、超広角のアングルの追及にも、こだわりを感じる。

モバイルアプリにおいては、Wi-Fiで、OA4に接続した状態で、データを転送せずとも、プレビューしたり、自動編集を施すことができるので、ストレスフリーである(一部の機能で制限があり)。

セルフィースティックを認識して、映像から消すことができるインビジブルスティック機能も、より多くのシーンで機能するようになった。

細かい点では、OA4は一部の撮影設定において、ジャイロデータが出力できるので、サードパーティーのソフトウェアを利用して、さらなる映像ブレ補正を施す際に有用である。また、GPS内蔵Bluetoothリモコンを使えば、Mimoアプリによって、速度やチルト角度、加速速度、ルートマップ等を、自転車やモーターバイクの映像に付加することができる。

Osmo Action 4は、DJIのオンラインストア、認定ストアより販売中。価格は、Osmo Action 4スタンダードコンボ 58,300円、Osmo Action 4アドベンチャーコンボ 75,900円。

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編集機能も搭載している統合型のアプリ DJI Mimo
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WRITER PROFILE

染瀬直人

染瀬直人

映像作家、写真家、VRコンテンツ・クリエイター、YouTube Space Tokyo 360ビデオインストラクター。GoogleのプロジェクトVR Creator Labメンター。VRの勉強会「VR未来塾」主宰。