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およそ2年前、驚きの画質&機能を備えたウェブカメラ「Insta360 Link」が登場した。
「所詮、ウェブカメラでしょ…」なんて侮るなかれ、その性能は「一眼カメラみたい」なんて言うと大袈裟だけど、実際、私の自宅のライブ配信システムのミラーレス一眼カメラはInsta360 Linkにすべて置き換わった。
テレビ会議やオンラインセミナーを行うと、必ずと言ってよいほど「映像がキレイですね!カメラは何を使ってますか?」と聞かれる。その度に、5万円以下で購入したInsta360 Linkを紹介するのだけど「え?ウェブカメラなんですか?」と、必ずと言ってよいほどビックリされる。
カメラ本体とPCを「USBケーブルで繋ぐだけ」で、高品位な4K映像をPCにインプットできるウェブカメラを用いたセットアップは何よりシンプル。ライブ配信の現場にありがちな「機材やケーブルが入り乱れる」といったゴチャゴチャ状態から解放される。「導入コストを抑えつつ、クオリティを担保しつつ、自宅環境はスッキリしたい!」と考える方にはおススメの選択肢だろう。
多くの人が、そのコストパフォーマンスに驚くInsta360 Link。ついに待望の新モデルが登場した。その名も「Insta360 Link 2」。実売価格は「3万円ちょっと」という(以前にも増して)驚きの価格。さて、どんな進化を遂げたのだろうか?早速チェックしてみよう!
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ウェブカメラっぽくない?! 抜群の高画質
Insta360 Link最大の特徴といえば、画質の良さ。旧モデルも解像感や色味は抜群だったけど、新モデルも(発売時の価格が大幅に下がったにも関わらず)その特徴をしっかり受け継いでいる。
こちらが比較サンプル。ディスプレイモニターの上にInsta360 Link、Insta360 Link 2、Insta360 Link 2Cの順に並べて配置、同時に撮影した動画ファイル(1080P/30fps)から静止画を抜き出してみた。
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もはや間違い探しのようだけど、個人的な感想として、新モデルは「解像感」が(若干だけど)高まった印象。
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また、新モデルはデフォルトの色味が(ちょっとだけ)色鮮やかになった印象も受ける(ちょい赤かぶりな気もする)。色味に関しては好みが分かれそうではあるが、必要に応じて調整可能な範囲ではある。
カメラ設定から操作まで!自在に調整できるコントローラー
高画質が特徴なInsta360 Linkシリーズは、PCにインストールしたソフトウェア「Insta360 Link Controller」を介しパラメータを細かく追い込むことで、その真価を発揮する。
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カメラの画質は、オートモードの他、必要に応じてISO感度やシャッタースピードをマニュアルで調整が可能。ホワイトバランスは、色温度の値を数値で入力もできる。また、彩度やシャープネスなどのパラメータも細かく追い込める。
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カメラのアングルは「ジンバル操作」パネル内の「ビューの調整」でコントロールが可能。左右上下に加えて、斜め上や斜め下といった動作にも対応している。また、所定のアングルをプリセット保存して、いつでもワンボタンで呼び出すことができる。
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カメラ本体にマグネット内蔵!セッティング自由自在
コンパクトな筐体のInsta360 Linkは、これまでと同様にディスプレイモニターやノートパソコンに気軽に設置できるのだが、旧モデルと大きく異なる仕様を発見!なんと、新モデルはカメラ本体の底面にマグネットが内蔵されているではないか!!
これにより、カメラ本体をあらゆる金属面に直付けできる。材質さえマッチすれば、壁面や天井に取り付けて「アクロバティックな俯瞰撮影」もお手のもの。天井のダクトレール、キッチンのレンジフードなど、アイデア次第で様々なセッティングができる。
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ノートパソコンとInsta360 Link 2/2Cを野外に持ち出して、キャンプ用品の金属パーツ、例えばポールやペグにセットして「焚き火を囲んで対談撮影」とかもできそうで夢が膨らむ。もちろん、1/4インチネジ穴を介して(オーソドックスに)三脚に取り付けることもできる。
賑やかな環境でも肉声を拾える!「AIノイズキャンセリング」機能
旧モデルにはない機能として、新たに搭載された「オーディオモード」選択。近距離撮影に適した「ボイスフォーカス」モード、バッググラウンドノイズを大幅に軽減する「声の抑制」モード、ノイズキャンセリングを行わない「音楽」モードの3種類から環境に応じた選択ができる。高画質な映像だけじゃなく、音声面にもしっかり配慮がされている。
追従性能が向上?! 「AI追跡」機能
人物を自動追尾する「AI追跡」機能は、新モデルでさらに性能が向上した印象を受けた。実際の比較サンプルはこちら。
これまた間違い探しのようだけど、人物を追跡するジンバルの動きがよりスムーズ&ナチュラルになったと感じた。とくに、激しい動きに強くなった印象を受けた(個人的な感想)。
ちなみに、ジンバル機構をもたないInsta360 Link 2Cは、物理的なパン/ティルト操作こそできないものの、デジタルズームした映像の一部を切り出して画角を調整できる「オートフレーミング」機能を搭載している。こちらもプリセット保存に対応しているため、ワンボタンで任意のアングルを呼び出せる。さらに、「顔」「バストアップ」「全身」など範囲を指定した自動追跡も可能だ。
ワンオペ撮影に最適な「スマートフォン制御」機能が超便利!
今回、編集部から複数台のInsta360 Link2/2Cをお借りしたので、「マルチカム撮影を行ってみよう!」と思い立ったのはいいが、PCから離れてしまうとInsta360 Link Controllerを操作できない…という問題に直面。そんな時に便利なのが「スマートフォン制御」機能。
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「スマートフォン制御」は、単機のコントロールはもちろん、複数台のカメラを切り替える運用も可能。カメラ毎のジンバル操作、画質や色味の調整、またジェスチャー設定などを個別にコントロールできる。「ざっくりカメラを配置して、細かなアングル調整やカメラ調整は(離れたところから)ワイヤレスでリモート制御」なオペレーションは、実に快適。
以上、今回は新旧モデルの画質&機能の比較や現場オペレーション面の使い勝手を中心にレビューしてみた。まだまだ紹介しきれない機能の数々、ぜひ公式サイトでじっくりチェックしてください!
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