今年で11年目になる九州放送機器展(以下:QBEE)が今年も7月3~4日の2日間開催された。QBEEは、九州で開催される業務用/放送機器展である。近年コンパクトながらも主要メーカーが揃う良質なイベントとして盛り上がっている。また春に開催されるNAB Showと11月に開催されるInterBEEのちょうど中間時期に開催される事も人気の一つとしてあげられる。今回もPRONEWSではQBEEを取り上げ、最新の映像機器に関する情報をお伝えしたいと思う。詳細レポートは、改めて。まずは、MonkeyHills(岡英史氏&猿田守一氏)の速報を見ていただければ幸いだ。

txt:MonkeyHills(岡英史&猿田守一) 構成:編集部

MonkeyHills、九州放送機器展に現れる!

忘れた頃にやってくるMonkeyHills企画。今年も昨年同様もの凄い豪雨に見舞われた。おそらく理由は、誰かのせい…。

冗談はさておき、今年も感じたのだが、QBEEは穴場的な放送機器展示会だ。今年もそれは例に漏れず面白い物が会場に転がっていた。詳細なるレポートは編集部に任せて、早速MonkeyHillsが選りすぐりのお宝を紹介しよう。

Panasonic

4K収録可能なVARICAM 35。NAB Showでも静かに発表され、その動きが気になるところだが、確実に仕上がっている様子。今回は実際にケースの中から飛び出し、スタジオ系のカメラとして運用例でディスプレイ。まだまだβ機種とは言えしっかりとその映像の良さはモニターを通してもわかる。

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当初のコンセプトモデルでは、ドッカブル型である事が強調されていたデザインが印象的だった。もちろんブロック毎の組み合わせはしっかり受け継ぎ、その使用シーンに対して、現場にマッチする様に用途別に組み合わせる事が可能だ。今回はブロードキャスト仕様の形態だがそれも違和感はない。ガッチリとした筐体は頑丈な物をと言う現場の声を反映させた物。ようやく元気なPanasonicが帰って来たと言えるだろう。もちろんGH4での4K映像もm4/3をB4マウント変換させ、同じようなコンセプトとして展示されていた。

SONY

一番の目玉はやはりバリアブルNDフィルターを搭載したX180だ。九州初お目見えの同機、人気も中々あるようで、雨の初日だったが関心度は高く、このカメラをとりまく来場者が多かった。今回はNDフィルター部分のデモ機(KOBA SHOWレポート参照)でその様子をしっかり見ることが出来た。この他にはF55の新ファーム(特にLUT関連)でのデモや、久しぶりの新型ENGカメラPDW-850の展示がされていた。

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Canon

今回は取材カメラもCanonさんの協力で新型のXF205を試用しているが、このカメラの注目度は大きい。ちょっとしたインタビューやロケならXF205の筐体は丁度良い。3環リングと相まってマニュアルでもオートでも使い勝手は良く、WDRは当にENG現場では中々良い感じだ。その画質は今回の動画を参考にして頂ければと思う。

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またC300のAFがC100と同様になり精度の高いAFが期待出来る。また参考出品でありながら大判センサー用のEFシネマレンズ CN7×17 KASの展示もされていた。このレンズは是非見て欲しい。

Blackmagic Design

URSAを含む4Kカメラより、今回はBlackmagic Studio Camera HDを中心としたミニスタジオ的なソリューションを展示。まだまだ未知数な部分がある4Kソリューションより確実なHDソリューションを同社のスイッチャーと組み合わせた展示が興味深い。

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Libec(平和精機工業)

スライダーと三脚を高次元でまとめたALLEXシステムの展示。今回は当にALLEXに集中したフォーカスで非常に解りやすい。そろそろ発売時期が間近に迫った同システムではあるが、実はスライダーよりも本職である三脚システムに注目したい。徹底的に軽量化したヘッドは見た目以上の軽さで驚くはずだ。もちろんその動きはスムーズだ。 QBEE2014_01_Libec_02.jpg

IDX

今回のQBEEで一番の収穫が、IDXから参考出品されていた無線システム「CW-F25」である。いわゆるWi-Fiのシステムだがその距離は驚きの2km(大型アンテナ使用、標準アンテナでは400m前後)を実現。通常のWi-Fiとは異なり、カメラとベース間での波を複数出す事により電界を増やす技術で、Wi-Fiでありながら指向性の強い波を作り出す事に成功している。これは早く製品化を望みたい一品だ。

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Manfrotto

今回の展示で目に付いたのは、大型のLED照明。以前から小型のカムライト的な物は出していた同社だが、今回は確実に照明として使える機種を展示。参考出品ながらその完成度は高く既に販売が決まっている。面白いのは同じ5600Kのパネル(LED)を使っていながら、スポット的な物(30°)とワイド的な物(50°)を出してきた。色味も良くそのデザインも流石イタリアメーカー、素直に格好いい。

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PROTECH

社長が未だに現役カメラマンのPROTECH。その製品は現場のカメラマンが考えた面白い物や、きわめて高性能の物が多い。KOBA SHOWで発表されたモニターもあるのだが、なぜか同ブースにはなく他メーカーの4Kカメラに付いている。

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今回目を引いたのは通称「分け分け君」。これは何かと言えばVマウントバッテリー(または4P電源)から色んな電圧を出力する物でUSBポートまである。しかも全てのポートが2Aあるので、iPadが同時に4個Vマウントバッテリーで充電できる。販売価格も安めなので一つ持っていると現場で重宝されるはずだ。

総評

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QBEE初日の午前中は、悪天候で来場者数も少ない様子だったが、全体的に色んな機材をがっつり見る事が出来た。今回紹介したメーカーの他にもATOMOSや銀一(ステディカム)、ディストーム(TriCaster&3Play)等々面白い物がいっぱいある。実はこのQBEEで世界初と言う技術や機材も出ていた。是非実際に見に来てメーカー担当者に質問をして有意義な展覧会を楽しんで貰いたいと思いつつ、また来年もモンヒルコンビで来たいと思っている。では、続きは、編集部のレポートで!


[QBEE 2014] Vol.02