今年のキヤノンブースは「臨場感クオリティ」をテーマとし、高画質・高解像度な迫力ある作品のほか、多数の新製品や技術展示などが行われていた。先日行われた新製品発表会で公表されたとおり、今年は史上最多の新製品を投入。デジタル一眼、コンパクトデジタルカメラ、後発参入のミラーレス一眼でもシェアNo.1を狙うとしており、こうした意気込みを感じさせる出展となっている。
新商品多数発表で人が溢れるキヤノンブース
毎年恒例となっているセミナーもブース正面で行われていたほか、隣接するホテル内でも開催されていた
今回の新製品は、コンパクトカメラ8機種、レンズ交換式カメラ5機種のほか、デジタルビデオカメラ、超広角ズームレンズ、新コンセプトのストレージ端末など17機種あまりとなっており、1月に発表されたプリンターなども含めるとブース内は新製品で埋め尽くされていた感がある。
EOS 5Ds。約5,060万画素の新開発35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載することで、広ダイナミックレンジ実現。常用ISO感度100~6400、拡張時には12800相当まで対応できる。61点エリアAFセンサー、被写体検出用AEセンサー、AF補正用光源検知センサーを連携させることにより、AFシステムの総合性能を大幅に強化。ピント精度と安定性、柔軟性に優れたAF制御を実現
EOS 5Ds/5Ds Rのハンズオンコーナーはいつも大勢の人で大盛況。5Ds Rは5Dsの光学ローパスフィルターをキャンセルしたモデルで、偽色やモアレより解像度を重視するユーザー向けのモデル
新製品となるデジタル一眼レフカメラEOS 5Dsや5Ds Rのハンズオンコーナーは常時長い行列ができており、有効画素数約5,060万画素のセンサーによる高解像度だけでなく、新たに搭載された振動ブレを防ぐミラー振動制御システムや擬似望遠効果が得られるクロップ撮影、61点高密度レティクルAF機能など、実機で確認したい来場者が詰めかけていた。
超広角ズームレンズEF11-24mm F4L USM。4枚の非球面レンズとUDレンズを採用することで優れた描写性能を実現した35mmフルサイズ対応超広角ズームレンズ。プロフォトグラファー向けのL(Luxury)レンズとなっているが動画ユーザーに普及しそうな感じだ
レンズの新製品はEF11-24mm F4L USMだけとは言えEFマウントは他社製の業務用動画カメラにも採用されており、スチルカメラマンだけでなく動画のカメラマンの関心も高い。周辺部の解像度やディストーション、周辺光量の低下など広角レンズ特有の欠点が極限まで補正されている。こうした優れた描写性能を備えた広角レンズは数も少ないことから、超広角レンズのスタンダードとなると思われる。
Connect Station CS100。離れた場所にあるConnect Station CS100同士でオリジナルサイズのまま写真や動画データを共有することが可能なほか、プリンターと直接接続し、パソコンを使うことなくプリンターから印刷可能
新コンセプトのストレージ端末Connect Station CS100は、ビデオカメラやデジタルカメラ、スマホなど、多様化する映像機器からの静止画や動画のファイルをPCを介さずに効率よく整理するためのハブといえ、有線無線でのIP接続やSDカードスロット、USB端子などを備えており、様々な映像機器と接続し、HDMI接続したモニターやテレビで再生できる。撮影年月や撮影カメラ別に画像を整理するだけでなく、保存されていない画像だけを取り込む差分保存機能などを装備しており、日々増え続ける画像を効率よく整理保存できるようになっている。スマホの普及により一般家庭でパソコンを利用することが少なくなってきたこともあり、手軽に画像データを保存できるのはありがたい。本体には1TBのHDDが内蔵されており、かなりの量の画像を保存可能だ。
業界ではミラーレス一眼後発参入となる同社だが、今回EOS M3が新製品としてラインナップに加わった。また、現状EF-Mレンズとしてズームレンズ3機種がラインナップされているが、EOS M3の発売(2015年3月下旬)と同時期に単焦点レンズEF-M22mm F2 STMが発売される。
ミラーレスカメラEOS M3。有効画素数約2,420万画素のAPS-Cサイズの大型CMOSセンサーを搭載。14bitキヤノンRAWによる6000×4000での記録や映像エンジンDIGIC6を搭載しており、高階調のデジタル信号を高速・高精度に処理することが可能
なお、コンパクトデジカメの新製品は光学30倍ズームレンズを搭載したPowerShot SX710 HSのほか50倍ズームレンズを搭載したPowerShot SX530 HS、自分撮りに最適なPowerShot N2、IXYシリーズとしてIXY 170、IXY 150が新製品として出展された。
そのほか、EOSデジタル一眼のエントリーモデルとしてEOS Kiss X8iとEOS 8000Dの2機種、子供の成長記録やイベントの記録に最適な便利機能を搭載したHDビデオカメラiViS HF R62、参考出品として1型の大判センサーの搭載と25倍ズームのPowerShot G3 Xが出展された。