参加した誰もが熱狂と感動に包まれオースティンを後にするSXSWとは?

SXSW(The South by Southwest:サウス・バイ・サウスウエスト:以下SXSW)は、テキサス州オースティンで開催されるイベントである。「Music」、「Interactive」、「Film」と三つのカテゴリーを中心に1000を超えるセッションや展示会から構成される。今年も3月13日から21日まで開催された。

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メイン会場はオースティンコンベンションセンターだが、周辺のホテルや公共施設も会場となる

元々は、オースティンで活躍するとある音楽マネージャーの呼びかけで始まったこのイベントは、1986年に地元の音楽関係者が開催したインディー音楽の見本市がその起源となり、1994年「Multimedia (Interactive)」、「Film」部門が設置された。現在のイベント形態が確立されたのは、Interactive部門が設置された1998年頃。またSXSWの由来は、映画「North by Northwest」(北北西に進路を取れ)に由来している。 オースティンコンベンションセンターを中心に市街のホテルや店舗を巻き込んでの開催で、関係ない市民でも参加してしまう街を挙げての一大イベントとなっている。

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会場周辺では、フライヤーや告知が貼られて行く。この時期は貼られた告知物を撤去しやすいようにゴミ箱や柱がラップにくるまれる

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コンベンションセンター近くのホテルやレストラン施設でも多くのセッションが開催される。(Yahoo!セッションより)

最近では”SXSWedu”、”SXSW V2V”、”SXSW Trade Show”など分科会が年々増殖して、その勢いは止まらない。その他のショーやカンファレンス等への参加者も含めるとのべ10万人を超えるビッグイベントである。チケットが$600〜1745と高価であるにもかかわらずSXSWが注目を集めている事からも窺い知れるだろう。ただし、この数はあくまでトレードショーやカンファレンスへの参加者のみ数であり、実際にはMusic期間中に街中で行われるライブへの参加者、及びそのアーティストの数を含めると、その数は測り知れない。

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Interactiveセッションでは、イラストによって内容が中継されるグラフィックレコーディングが名物。復習するのにぴったり! (C)shigeru Kobayashi

インディーズ音楽見本市であったSXSWが世に知れ渡ったきっかけは、2007年にTwitterがSXSWアワードを受賞し、世界的にブレイクしたことに端を発する。もちろんInteractive分野に留まらず、新しい情報や知的刺激を求める起業家からプログラマ、ジャーナリストら、IT関連の人々が一同に介する。またFilm部門であれば、映画監督、プロデューサー、俳優、TV局関連の関係者が集う。Music部門は、JAY Zやビヨンセ、Lady Gagaなど有名なミュージックスターがぶらりとセッションに参加するなど各部門に関わる人々が多くのこのSXSWを目指す。

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街中至る所にSXSWの休憩所が設けられる。コミュニケーションも大事

そんな何でも飲み込んでしまう多様性に満ちたSXSWは、ある意味森羅万象に起こる事をいち早く取り上げるため分野を超えて、様々な事に触れられる事が特徴だ。デジタルヘルスケアなども今回は分科会が発足し、展示会も行われた。注目となる分野は大体網羅されるため世の中で起こっている事を俯瞰出来る。参加者も様々な分野から参加する。

参加者によって、感想は様々で“最高の音楽イベントだった!”、“稀に見る映画祭だ!”、“スタートアップ企業が活躍できる格好のイベントだ!”とその参加したカテゴリーによって、回答は様々だ。 ある意味この多様性がSXSWの魅力であると誰もが言う。

いまや、オースティンの街への経済効果は100億円以上と言われており、イベント自体がオースティンの重要な産業になっている。閑散としていた田舎街が急激に開発されるなど、その加熱度は毎年増している。

SXSWからトレンドが生まれるSXSW Filmに注目

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Boyhood Post-Production: 13th Year of a 12 Year Movie(邦題:6才のボクが、大人になるまで。)セッションより

各分野の中でもPRONEWSは、SXSW Filmを中心にカバーする。いまやサンダンス映画祭に続く登竜門としてのポジション。最新映画作品のスクリーニングがメインだが、業界で影響力のあるスピーカーや映画監督のセッションは大きな見所のひとつである。若手のフィルムメーカーを対象に、現場に活かせるメソッドや考え方をレクチャーするワークショップ等も行われ濃厚なプログラムが用意されている。

今回はそんなSXSWを追ってみたいと思う。いつもとは少し違うPRONEWSのレポートに注目いただきたい。

  • Vol.01 宇宙とロボットとのインタラクション。未来はそこに!〜Interactive編
  • Vol.02 映像を全身で浴びる8日間〜Film編
  • Vol.03 失敗を恐れずに突き進め!SXSWスタートアップレポート
  • Vol.04 同時多発する周辺イベントがおもしろい!