PRONEWS RADIO Vol.01
※併せて聞くと効果あり!
今年のトレンドリーダーはVR!しかし、360°視野角でも見えていないものとは?!
石川幸宏 |
例年より遅い時期のスタートとなった今年のNABShow。今年は話題を一気にさらうようないわゆる“大型新人級”の新製品はあまりないようで、製品周期としては凹期の開催にあたると思われるが、開けてみるとやはりそこはNABShow。目新しい新技術や数年後を占うような斬新なアイデアが陳列されており、そこは毎年この場に来てみないと分からない醍醐味と魅力がある。
今年は開催前からのキーワードとして注目されるのはやはり“VR”だろう。普段はあまり足を運ばないノースホールの一番奥に設けられたVR特設の展示コーナー“VIRTUAL & AUGUMENTED REALITY PAVILION”では、予想通り初日から盛況ぶりを見せていた。とはいえ大企業としてはNOKIAが出展していただけで、あとは小規模ベンチャーが新事業投資へのアピールにひしめくといった感じだ。
NOKIAが展示していた360°映像と音を収録出来るVRカメラシステム「OZO」は、各々195°の視野角、2K×2K/30pで8個のレンズと8個のマイクで360°のサウンド収録も可能なVRカメラシステム。
さらにこの特設会場の一番奥には、50名以上は座れるであろうVR体験コーナーが設置され、行列をつくる人気ぶり。しかし一同が揃って何かに取り付かれたように自我の世界に没入している光景は少々異様に映る。現状のVRは個人個人での没入型(昨年はImmersive Media(没入メディア)としてコーナーが設けられていた!)が中心であり、すでにビジネス化されているような利用法もあるが、これまでの長い映像文化の指向性だった複数人で共有同時視聴することからは逆ベクトルへのメディアになるので、果たして今後どう展開を見せるのかは行き先不明だ。
またいくつかの複数で体験できるドーム型プロジェクションや裸眼3DTV、球体メディアなどの展示もあったが、これもまた不明。注目のVR系カンファレンスでは、やはりこの先どういう展開を見せるかは先駆者的にも誰もが不透明で、サウンドとの連携の重要性や欠落フレームによる没入感からの興ざめなど、本格的に市場に載るまでには随所にまだ多くの問題がありそうだ。
今年もやって来た映像の祭典に参加!
岡英史 |
何だかんだで毎年の恒例行事となったNABShow訪問。いつもは重鎮セレブ石川氏、又はスイッチャー侍・小寺氏のどちらかに相乗りをする形での参加だったが、今年は色々な事情が重なりそれが出来ない。なので今回は急遽タイタン猿田氏に声を掛けた所、意外にも二つ返事でOK!ならば旅は道連れ的にミスターステディカムで有名なY氏と関西の機材系Blogger(実は非常に優秀なTV系カメラマン)H氏も誘い、おっさん4名での珍道中でNAB入りとなった。
まずは1日目。中々面白いNAB初日前までの珍道中、まずはLAXに到着してから…(この辺は編集部に削除されてしまうので、興味ある方は直接お願いします)
閑話休題。毎年初日の午前中はプレス発表やカンファレンスで殆ど会場を見ることが出来ない。またSony、Panasonicという大御所もあるので本当に事前情報を掴んだブースにしか見に行けないが、その中で今回もManfrottoからはバッグと一脚が面白いと情報を掴んだ。
まずはブライダル系のビデオグラファーには定番になりつつある一脚+三又がバージョンアップし、下の三又部分がワンタッチで完全固定が出来るようになった。慣れれば下部の三又部分のロックは爪先で出来そうな感じだ。試しに簡易的にRIGに組んだα7Sを乗せて自立を確認して見たが150cm位なら完全に自立できる事を確認出来た。
次はスポーツ系のフォトグラファーには絶大の人気を持っているカメラバッグ、ThinkTankPhotoだ。筆者も一部使っているが、このローリーバッグはプロテクションは非常に良いが如何せん写真用なのでビデオ機器を入れるには若干厚みが足らない。例えばPXW-X70はOKだがDVX-200はNGな大きさ感、これがビデオサイズになったラインナップが登場した。価格はやや高価だがそのプロテクションは最高なので機材を守ると言う意味で適価だろう。特にC300やC500にマットBOXを付けた状態のシネマ仕様のRIGを組んだままでも収納できるサイズは圧巻だ。
最後はLEDライト。しかも照明技師さんが扱う程の巨大なライトだ。近年のLED化に伴いハロゲンからLEDへ移行するのは大も小も同じ。しかし今回は世界未発表のとんでもないパワー1800Wと言う破壊力だ。驚くのはその大きさ、パワーに対して筐体が思った以上に熱くないと言うこと。どうやって冷却しているのか不思議だ。とりあえず初日のBEST3はこの様な感じ、残りの二日を楽しみたい。
新製品ラッシュの波に揉まれながら、広大な会場を廻って見つけたもの!
猿田守一 |
今回のNABは2014年に訪れていたので1年ぶりの参加となる。一昨年は大判センサー系のカメラの話題が特に目立っていたような印象だったのだが、今年は8K、4K、HDRの文字が目につき、展示に関しては4KのIP伝送が目立ち、Broadcastの復権を感じた。特にSonyの高度なIP伝送技術は業界の中心的な役割を果たしていくだろうという期待感が感じられた。
毎回開催ごとにBlackmagic Design社は話題を集めるのだが、今回はあまり大々的な新製品はなかった様だ。地味ではあるがブラッシュアップを確実に行ってきている。モニター用のSDI to HDMIのマイクロコンバーターは$85とかなりの値段を出してきている。また驚きの4Kデュプリケーターという今までどこも気がつかなかった隙間産業的な製品には驚かされた。この製品は1台でSDカードを25枚収録できるので、ライブや発表会などの現場での即売という新しい形の提案は面白い。