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今春発売された新たなレンズラインナップの実物が出揃うのが、Cine Gear Expoだ。さらに今回はシネマレンズ関連の新たな展示も多く見られた。カメラ以上にレンズも撮影の要である事は言うまでもない。その中で目立ったものをいくつかピックアップしていこう。
富士フイルム(フジノン)
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4月のNABで発表されたスーパー35mmフォーマットの4K対応Cabrioレンズシリーズ5本目の新ラインナップとなる20-120mmズームレンズ、Cabrio XK6×20 20-120 T3.5。コンパクトな筐体でリーズナブルな価格も魅力ながら、単焦点レンズ数本を持つのと同等なクオリティを目指して開発された性能も高評価のようだ。脱着可能なサーボユニットも便利だ。ブースではパナソニックVARICAM LTとの組み合わせで展示。
DJI
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今回屋外に単独で展示スペースを出展し、クレーン等を除けばCine Gear Expoのブース出展最大規模になったDJI。今回もNABまでに発表された新製品Phantom 4、Zenmuse X5R、RONIN MX、Osmo Z-Axis等をハンズオンできるコーナーを設置。独自のドローン飛行エリアも設けて随時イベントも開催するなど、その勢いの凄さを物語っていた。
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キヤノン
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最新の4Kカメラ対応シネサーボレンズ、”CN-E18-80mm T4.4 L IS KAS S”の実機を展示。電動ズームユニットを一体化して低速でも高速でもスムーズな駆動が可能。やはり米国でも高機能に加えたコンパクトさが人気のようだ。またブースには、高感度カメラME20F-SHとEFシネマレンズ、Zacutoの新型VFの組み合わせによる、シネマ撮影スタイルでの展示も行われていた。
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ライカ(CW Sonderopticとして出展)
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コンパクトかつ高い描写力で人気のシネマレンズ、SUMMICRON-Cレンズシリーズの新ラインナップとして、40mmと15mmを新発表。40mmは今月、15mmは今年10月に出荷される模様。これでSUMMICRON-Cは、15、18、21、25、29、35、40、50、75、100、135mmの全11本のシリーズになった。
Cooke
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4月に登場したCookeのアナモフィックズームレンズ、35-140mm T3.1 Zoomを発売開始。Cookeはこれまで5本のアナモフィックレンズシリーズ(32、40、50、75、100mm)を2014年4月にリリース、その後もラインナップを拡張しており、今年度末には25mm、135mmのリリースを予定している。35-140mmの気になるお値段は$60,000(約650万円)相当。
Scorpio
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軽量コンパクトなアナモフィックレンズとして人気のスペイン製レンズScorpioから、こちらも4月のNABで初のアナモフィックズームレンズ、138-405mm T4.3が発表されている。これまでの単焦点アナモレンズシリーズ14本(20mm~135mm)も総じて軽量コンパクトだったが、こちらの重量も3.3kgと非常に軽量だ。
Veydra
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Cine Gear Expo初お目見えの、マイクロフォーサーズとソニーEマウントに対応したコンパクトシネマレンズVeydra。トップコピーに“ミラーレスシネマレンズ”を謳っており、ミラーレスカメラ用のプライムレンズに特化している点がユニークだ。現行機種は12、16、25、35、50、85mm/T2.2の6本のラインナップで、どれも$899~$1299までのお手頃価格。年内に19mmの発売開始も予定している(写真は試作品)。
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KOWA
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日本のKOWAからは、今年2月のCP+で参考出展していた、CINE PROMINERレンズシリーズのフォローフォーカスギア付きタイプを正式発表。コンパクトワイドレンズとして人気の8.5mm T3.0(15万円)、12mm T1.9(13万円)、25mm T1.9(10万円)の3本が共に対応。基本はブラック仕様になっているがオプションラインナップとしてゴールドバージョンもある。
txt:石川幸宏 / 編集部 構成:編集部
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