txt:石川幸宏 / 猪川知紀(編集部) 構成:編集部

MANTIS

CGE_04_01

MOTION IMPOSSIBLE社のリモートドリーシステムMANTISは、様々なカメラとジンバルシステムを搭載できる無人移動撮影用のリモートシステム。会場では普通のビデオカメラ以外に、360°撮影用のノキアOZOや360Herosなども搭載。約300mの範囲でリモート可能で駆動音も非常に静かと、モジュラーマンティスシステムとよばれる、文字通りMANTIS=カマキリの腕のような伸縮自在のシステムで地面スレスレのアングルから、2m程度のアングルまで対応。

360Abyss

CGE_04_02

360°映像もついに海中へ進出!深海3,280フィート(約1,000m)まで潜水可能(本当?)という、360Herosの360°水中撮影用ユニット、360Abyss。6面のGoPro HERO(3/3+/4に対応)取り付け用ドームに、Bullet 360という水中用コントロールユニットを上部に配置。筐体から8本のボールジョイントが突出しており、筐体を守る。

LIFEPOWER

CGE_04_03

持ち運び可能なソーラーパワーユニット、LIFEPOWER。14.85cm×15.2cm×2.55cm、800gほどの手のひらサイズのA2Lと呼ばれるリチウムイオン電池の本体と、折りたたみ式のソーラーパネルを組み合わせて、ソーラー充電を行える携帯電源装置。3時間の電源チャージでUSBのアウトプットからDC 5V/3A up to 15Wの出力。100W/120WのLEDライトやビデオモニターはもちろん、ラップトップPCやDSLR(6台分)、ドローン用チャージャーなど用途も様々。

Lanparte

CGE_04_04

香港の手持ちジンバルメーカー、Lanparte。GoPro HEROやスマートフォン用のハンドヘルドジンバルシステムを展示。GoPro HERO用の3軸ジンバル部LA3Dに、小型のトランスミッターユニットを装備したワイヤレスコントロールキットGWCK-01を装着。さらにバキュームの脚をつけて走行中の車両等でも遠隔コントロールできる「GoPro On WIRELESS CONTROL KIT」を新発表。スマートフォン対応のワイヤレスコントロールもある。

HIVE

CGE_04_05

省電力・長寿命のプラズマ光源を利用した、高発色のプラズマ照明システム、HIVE。アメリカではLEDにかわる照明として、かなりメジャーになってきているようだ。今回はWASP1000、Bee1000の最新2機種を展示。ともに新しい1000Wプラズマバルブを用いて、これまでの250W対応のプラズマバルブに比べて約5倍の明るさを実現。それでも5万時間と長寿命で、スペクトラム特性が良い点や、100%フリッカーフリーなところなど、次世代照明システムとしての期待値も高い。

CGE_04_06

プラズマバルブ

X-Rite

CGE_04_07

X-Riteからはおなじみのカラーチャート(ColorChecker)より、ビデオ向けのX-Rite ColorChecker Videoが登場。左列から、肌色、リニアグレースケール、中央4枚の大型グレーレベル、右側2列の高彩度色と配置されており、裏面にはホワイトバランスターゲットがある。小型サイズのColorChecker PASSPORT VIDEOもある。

LUME CUBE

CGE_04_08

GoPro HERO等と組み合わせて仕様できる超小型(2.54×3.81cm)の強力LEDライト、LUME CUBE。1個の明るさが1500lmと明るく、USB充電で駆動、Bluetoothによるワイヤレス調光も可能でスマートフォンの専用アプリから最大100キューブまでのコントロールが可能。また最大5個までを組み合わせて使用する事もできるので通常のビデオ撮影はもちろん、アクションカメラやドローンとの組み合わせなど様々な用途で使用できる。100フィート(約30m)までの防水対応。昨年度は数々の賞も受賞。シングルキューブで$79.99から。

CGE_04_09

総括~2016年のCine Gearに思うこと

CGE_04_10

毎年訪れていると、あまり代わり映えしない製品(良い意味で!)も多いCine Gear Expoだが、今回は意外にも大きな変化があったように思う。昨年までのドローンや小型ジンバル系の出展が目立たなくなった分、元々の映画撮影用途に特化した製品の出展が目立ったように思われる。

また初日の展示時間が、昨年までの午後14時~21時から、昼12時~20時に変更されたことも、従来は屋外での照明機材の展示を行うための夜間展示が多かったが、今回からはステージ内での照明展示が大部分を占めたため、屋外展示の必要性が無くなったようだ。屋外のみの展示となると、昼間にあまり効果的な展示ができないというのも確かに不公平感がある。とはいえ、照明に関する展示は年々増えている感じもあり、以前のような中国系の似通ったLEDパネルばかりではなく、ちゃんとした映画に使える照明機材展示が充実している点でも、Cine Gear Expo視察への価値は高いと思われる。

CGE_04_Party_Storaro

© CineGearExpo2016
レジェンドであるヴィットリオ・ストラーロ氏の登場も驚きだった

今年はPanavision、ソニーから目玉の出展があったが、アメリカではNetflix、Amazon.comなどのネット映像との連携により、ますます映画界が活況になっているようだ。新しいものに全て取り替えるのではなく、新旧とりまぜ、いかに共存できるのか?という視点から成長過が見えるのがすばらしい。来年もシネマ制作の新たな技術・製品展示のサプライズを期待したい。

txt:石川幸宏 / 猪川知紀(編集部) 構成:編集部


Vol.03 [Digital Cinema Bülow V] Vol.00