8回目のNAB!そして今年は新しい仲間も
岡英史
■新しい仲間
NABの楽しみは機材だけにあらず。素晴らしい素材に出会える
NAB参戦も今年で8回目を迎える。この間色々な方とご一緒させてラスベガス入りをさせて貰っていたがこの数年間はフリーランスのカメラマン(しかも街のビデオ屋さん)仲間での渡米をしている。LAからはレンタカーを借り片道600km弱の道のりを走るがその中での会話は同じレンジ同士なのでこれから登場する機材にあーでもないこーでもないと話は尽きないが、今年は諸々の事情により短期決戦としてみた。その為何時ものメンバープラス、四国で活躍している池永氏にもお声がけしたところ快諾頂き一緒に行動することとなった。その様子は既にレポートで上がって入るはずだが、池永氏の今回の機材はVRカメラ!NABに持ち込んだ自前機材としては初である。
左:池永氏、右:宏哉氏
まずはそのカメラの映像を見るべく街中から砂漠まで色々と収録しその可能性の一部を垣間見た気がした。今回速報として会場前の北ホール及び南ホールでの360°VR映像をUPしているので是非見て貰いたい。
■Day00として
こういう発表だと百選練磨の各国ジャーナリストも興奮するらしい
毎年開催前日はSonyとグラスバレーのプレスカンファレンスである。ここしばらくSonyは非常に大人しかった。VENICE等のシネマ系のカメラは登場させていたがミドルレンジ的なカメラはPXW-Z90を最後に新製品の噂はない。そろそろ来るよな?と思っていたらばっちりミドルレンジにすっぽりハマる2機種の登場。何方も3版CMOSでの4Kカメラだ。サイズはZ190が1/3inchで25倍レンズ、PXW-Z280は1/2inchでF12の明るさとどちらも魅力的だ。
その噂は早くもFacebook等のタイムラインで話題がもちきりであるが、実は革新については誰も唱えてない。この4日間でその部分を掘り出してみたい。 またグラスバレーは気になるEDIUSの事は特に大きく触れることなく、SAMを取り入れたことでRIOをこの先どういう風に扱うかのビジョンが印象的だった。このRIOの機能がこの先EDIUSに組み込まれるとなると、一気にステージが上がる気がするのは筆者だけではないはず。期待したい事案だ。
US Sonyで発売されているオールインパッケージのビデオジャーナリストKITもアップグレード展示
ラスベガスが熱い!初めてのNAB参戦
池永玲
今回初めてNABに参戦するためラスベガスにやってきました。愛媛松山のビデオカメラマンである私がなぜこんなところにいるかと言うと、以前からお世話になっている岡英史氏に「映像制作者なら絶対NABに行くべきだ」と誘っていただき、PRONEWSスタッフとして参戦しました。初めてで右も左も分からないし、ベテランメンバーがNAB取材用の機材は持っていくとのことだったので、私の撮影機材として昨年8月に導入した8KVRカメラ「Insta360 Pro」を持っていくことにしました。
NABプレスカンファレンスの前日、プレスパスの受取のため会場を訪れたのですが、NAB会場であるラスベガス・コンベンション・センターのあまりの巨大さに度肝を抜かれました。早速Insta360 Proでノースホール前とサウスホール前を撮影開始。NAB会場だけでなくラスベガスの色々な場所で撮影していて感じたことは老若男女、多く方々がInsta360 Proに関心を示していたことです。アメリカでは、よりVRが浸透してるのでしょうか。
4月8日、ついにPRONEWSの取材が始まりSonyのプレスカンファレンス会場へ。厳重に警備され暗幕に覆われた特別感のある空間は、すでにたくさんの取材陣が集まりすごい熱気です。ステージ中央に置かれた440インチサイズのCrystal LEDディスプレイに映し出される8K120pの映像をはじめ、この場の雰囲気にとにかく圧倒されました。個人的に気になったカメラと言えば、すでにPRONEWSでも情報が公開されているPXW-Z280。フォーカスリングやズームリングなどの粘りについてはカメラマンによって感覚が違うと思うのですが、僕にとってはやや軽めでした。カメラマンにとって非常に気になるファインダーの見え方ですが、かなり良いと思います。しっかりセッティングすればピントのシビアな4K撮影でも使えると感じました。
いよいよ明日からNAB2018スタートです。初めて参戦するNABの熱さを現地からお届けします。
Insta360 Proで撮影した、各ホール前の映像をアップしたのでぜひご覧ください。
世界初展示!Crystal LEDが見せてくれる8K映像
猿田守一
本日(8日)よりプレスカンファレンスが始まった。NAB本番は明日9日からとなる。
会場のセントラルホールの入り口には工業用ロボットアームとハイスピードカメラを組み合わせたBOLTというモーションコントロールカメラが出迎えてくれる。このロボットのなんともコミカルな動きにみな足を止めている。このモーションコントロールシステムはNikonとMRMCのコラボ製品の様だ。カメラ部はD850を使用している。こういうロボット製品はそもそも日本の企業が頑張って世界に売り込んでもらいたかったと、ちょっと残念な思いである。
会場ではSonyのプレスカンファレンスが行われた。新製品発表と共にCrystal LED Display(CLED)の巨大な8Kスクリーンに次々と8K HDRの映像が映し出され、驚くほどの煌びやかなダイナミックレンジの広い映像に息を飲んでしまった。Sonyでは4K/8KサイズのCrystal LEDは日本では未だ組んだ事がなく、まさに世界初のお披露目となったわけだ。
収録に使用したカメラは平昌オリンピツクで使用されたUHC-8300。120fpsで収録された素材をこのCLEDはそのままの120fpsで再生するという、なんとも超モンスターなシステムとなっている。いよいよ現実的となった8Kの撮影から再生までのソリューションの完成形を世界で初めて目にした事は嬉しい限りだ。
いよいよ始まったNAB2018!!
宏哉
0日目に当たる今日は、Sonyのプレスカンファレンスからスタート。カンファレンスはセントラルホールにあるSonyブース内の、大型ビジョンSony Crystal LEDが設置された特設ステージで行われた。
プレゼンテーションは、440インチ、解像度8K×4Kという巨大なディスプレイを使い、8K HDR 120fpsのコンテンツを映し出しながらの贅沢な設え。冒頭は、CineAlta VENICEで 6K撮影されたヴェネツィアの映像が流され、その美しさに魅了された。その後、ワークフローやメディアソリューションなどを IP Liveや4K HDRなど同社の最新のシステムや機材の紹介を交えて説明された。
そして、遂に登場したのが、待望のハンドヘルド型4K60pカメラ“PXW-Z280”と“PXW-Z190”の2機種。
カメラ形状的には現行HD機 X200と似たPXW-Z280は、1/2インチ 3CMOSを備え、4K60p 10bit 4:2:2に対応。光学17倍ズームレンズを備え、レンズの3連リングはフルマニュアルコントロール仕様となっている。音声は最大4chまでの独立した収録が可能とのこと。
一方のPXW-Z190はレンズ周りは現行HD機のX180などに似た形状だが、レンズレスポンスなどは大きく改善されている。1/3インチ 3CMOSを搭載し、最大で4K60p 8bit 4:2:0に対応し、光学25倍ズームを実現している。
次に発表されたのがFS5 II。色彩設計を見直し、色調や質感をブラッシュアップしてスキントーンを改善。またRAW出力を標準搭載し外部レコーダを併用することで4K60pの収録も可能だ。またHFR収録にも対応し外部レコーダ仕様で、4K時120fps、2K時 240fpsを実現。また内蔵メモリーカードへもFull HD時に120fps、もしくは最大8秒までの240fpsでのHFR記録も行える。
カンファレンスの最後はUHC-8300で、8K HDR撮影されたリオのカーニバルの映像で締めくくられた。高精細でダイナミックレンジも広く、色のりも美しい圧巻の映像だった。
今日の取材では、その後のGrass Valley取材もあったため、ゆっくりと新製品を触っている時間が無かった…。明日以降、気になる機材を入念に触り、その出来映えを確かめたいと思う。