いよいよNABも閉幕へ
猿田守一
NABもあっという間に終盤に差し掛かった。会場の雰囲気も初日と比べるとだいぶ落ち着いた感じになってきたような気がする。1日目には大混雑だったブースも今日は空いた感じに思える。広大な会場をセントラルホールからサウスホールまで数分歩くのだが、途中の通路でふと壁がNABのデザインのフィルムが張られている事に気が付いた。こう言う所がアメリカなんだなと変に納得してしまった。
また面白いものを発見した。サウス下のインテルのVRのデモである。こちらのデモも、見ている周りからするとシュールなのである。
本日は宏哉氏のNABブラリの撮影を担当させていただいたのだが、宏哉氏のレポートはNikonブースでの収録となった。NikonのNABへの出展は数年ぶりとなるそうだ。
今年のNABデイリーレポート0日目にMRMCとNikonのコラボでの産業用ロボットを使用したモーションコントロールロボットという説明をさせていただいたが、MRMC社はNikonが100%出資したイギリスの子会社であるということが今回の取材で判明した。一部訂正させていただきたい。ある意味100%日本が係わったモーションコントロールカメラと言うことになる。今回はD850の動画機能を前面におしだしてきたNikonであるが今後の展開を楽しみにしたい。
3日目は気の赴くまま
宏哉
ようやく3日目にして、取材にも余裕が出てきて、色々なブースを回り始めている。とはいえ、今年はあまり冒険はしていない感じで、「あー知ってるメーカー。これか〜」という具合にブースを見つけて、実機を触っている。
今日は、Panasonic DC-GH5を乗せるジンバルを探してみた。プレスルームから一番近いブースの1つであるDJIでは、RONIN-Sの展示があった。発表当時から気になっていたジンバルで、実機を触れるのを楽しみにしていたのだ。実際に触ってみるとその重量級なボディーにちょっと尻込み…。しかし、製品の質感やジンバルの動き、拡張性はバツグンで、RONINシリーズの滑らかな動きをこのRONIN-Sにも期待できそうだ。
Zhiyun CRANE Plus
DJIを離れて更に歩みを進めると、ジンバルメーカーのZhiyunを発見。展示スペースは小さなコマだが終始人が集まり賑やかな雰囲気だ。Zhiyunで気になったジンバルは、CRANE 2とCRANE Plus。CRANE 2はフルサイズの一眼レフカメラサイズに対応し、カメラレンズのフォーカスを外部デバイス無しで制御できる(対応機種のみ)。CRANE Plusはミラーレス一眼クラスのカメラに対応で、全体的に細身で軽量。手元でジンバルの角度を調整したりフォローモードを変更したり、またズーム操作ができるなど基本はしっかりと押さえている。どちらの機種も最大18時間の運用が可能なのも魅力的だ。
そのままセントラルホールを歩いていると、今度は大きなブースを構えるTiltaに辿り着いた。フルサイズの一眼レフカメラに対応するGravity G2 は、標準的なジンバル機能は一通り搭載しているのが、これは使い易いと感じたのはARRIローゼットを採用している点。ハンドル部分に形成されているARRI ローゼットを利用することでハンドルグリップを追加したりモニタを取り付けられたりと、拡張性が高い。Tiltaはリグメーカーと言うことだけはあって、ジンバル運用に於いてもユーザー好みにカスタマイズできる仕様を組み込んでいるのが好印象だった。
他にも大小様々なジンバルメーカーが出展しており、ジンバルだけを求めて会場をぶらりと歩くのも楽しい。明日は時間の許す限り、更に細かなブースを見て回りたい☆
岡的NABトピック5選
岡英史
NABもPRONEWS公式取材としては今日が最終日。ということで本日というより3日間のトピック的に。
■Panasonic
EVA1もProRes RAWを採用・Panasonic
DVX200・GH5・EVA1と立て続けに元気になったパナソニック。今回は新規でのハードウェアはバリカム用途のVFや8Kソリューション等のどちらかと言えばITよりな発表。
中でもEVA1の新ファームからのProRes RAW採用は誰もが納得できるところ。既に詳しい説明は動画が上がっているのでそちらでじっくりと確認して貰えば幸いだ。先ずは小休止と言う感じだろうか、この後のQ3・Q4での巻き返しに期待したい。
■TILTA
安価ながらも堅実な精度で作るRIGが個人的に好きなメーカーだが、一昔前は「安い」が前面に出ていてプロフェッショナルと言うよりハイアマチュア向けのイメージがあったが、今回のNABでのブースを見てるともはやその恩影は無い。隣のATOMOSとほぼ同じ大きさのブースを持ち、単なるRIG屋から総合的な撮影サポート機材メーカーに変わっている。
写真は3軸ジンバルだがジョイスティックによるコントロールは勿論ウッドハンドルの装備などRIGメーカーとしての作り込みは非常に面白い。
■Magliner(マグライナー)
中々日本ではその価格から専用ビデオカートと言うのは個人で使っている方は少ない。荷物の量と言うのと手軽さから言えば普通の台車の方が運びやすいが、やはり専用ビデオカートだとその積載量・剛性も含めて安心して運び込めることが出来る。マグライナーは一番その中ではポピュラーかもしれない。ベース部分に色々なOPパーツを組み込んでカスタムできる。写真は砂地/積雪での低圧バルーンタイヤを装備した物。良い感じだ。
■Tiffen
一時期は3軸ジンバルに押された感があるSteadicamだが、やはりスタビライザーとしては不動の頂点の座からは離れていない。昨年のNABで参考出品されていたM1-VOLTシステムが実用品として登場。従来のステディカムシステムに2軸の電動バランスシステムを組み込んだもので、強風にはやや弱いステディカムもこの追加バランスシステムのより余計な事は考えずにワークに集中が出来る。また今年は日本初のゴールドワークショップが開催される。価格は高めだが1週間の練習プログラムは非常に魅力的。何とか予算をひねり出したいところ。
■Grass Valley
NAB期間中にファームアップを発表したEDIUも、今はAmzonDriveの協力の元にクラウド経由で編集が可能になった。クラウドに関する予算等は直接メーカーHPを見て貰うとして、その実用性は高い。
写真はMacBook ProでEDIUSがサクサク動いてる状態。流石に4Kだと葉っぱの問題もあるかもしれないが本日のデモ機を触ったところ、遅延と言うほどの遅延は全くなく、ほぼリアルタイムでの編集が可能だった。更にRIOの吸収合併など今年は地味目なサウスホールの中で唯一収支が関係ないと思われても良いのでは??
■総評
今年は池永氏の初NAB参戦も含めて中々刺激的な4日間だったかもしれない。やはり大手メーカーが実走したビデオカメラの発表が一番上がる事が出来る。しかもそのカメラは4Kで簡単に取り扱えるイージー差を持ちつつも、プロの現場でも十分に耐えられる画質を持っていると言うのが今回の一番の収穫だった。
3日目にしてようやくVR撮影開始
池永玲
初めてのNABも3日目に突入。初日・2日目と来場者が想像以上に多すぎたこともあり全くVR撮影ができなかったのですが、3日目は来場者数も少し落ち着くということで朝からInsta360 Proを抱えて会場へ。
撮影できそうなポイントを探すため最初に訪れたのはLibec。8Kで撮影を行ったため後日アップする予定です。
他にもNABのスケール間を感じられる場所で撮影しています。
最終日出来るだけ多くの場所で撮影を続けたいと思います。一部ポイントで撮影した映像は後程アップします。