DSLRビデオをワンセットにした「D850フィルムメーカーズキット」を展示

ニコンブースで目に止まったのは、米国のみ販売を開始した「D850フィルムメーカーズキット」。フルフレーム4K UHDの記録に対応するD850本体や3本の純正レンズ、ProResやDNxHRの記録に対応したATOMOSのレコーダー「NINJA FLAME」、ステレオマイクロホンの「ME-1」、ワイヤレスマイクロホンの「ME-W1」、D850用のバッテリー「EN-EL15a」をセットにしたもの。Pelicanのケースのサイズに合わせた発泡フォームに入っており、ユーザー側で用意したPelicanのケースに入れ替えてキャリーオンできるようになっている。

ボディはD850で、ATOMOSのレコーダー「NINJA FLAME」をセットにしている

セットの中でも気になったのはBluetoothに対応したワイヤレスマイクロホン「ME-W1」だ。一般的なマイクロホンはトランスミッターで拾った音を飛ばすが、ME-W1の場合はレシーバーでも音声の収録が可能。例えば、自分のメモ書きのようなコメントも同時収録できる。

セットにはNIKKORプライムレンズが3本含まれている

セットのレンズは、20mmと35mm、85mmのNIKKOR f/1.8プライムレンズの3本。D850は、FXフォーマット(フルフレーム)の16:9で撮影が可能で、装着したレンズのそのままの画角で撮影が可能。さらに、1.5倍の画角になるDXフォーマット(APS-C)をクロップするモードも搭載しており、約30mm、約50mm、約120mmの画角で撮影できる。つまり、3本で6つの焦点距離が撮影が可能と考えてもよいだろう。

D850フィルムメーカーズキットには、モニター一体型4Kレコーダー「NINJA FLAME」を含んでいる。D850の内部記録の最大記録時間は29分59秒で、4K撮影時はピーキングが使えない。しかし、NINJA FLAMEに記録をすれば収録時間に制限はないし、NINJA FLAMEのピーキング機能を使うことができる。また、内部記録時は4:2:0となるが、NINJA FLAMEをHDMIケーブルで接続すれば4:2:2、8bit、4K UHD非圧縮ファイルの記録が可能になる。

D850は8Kタイムラプスムービーの撮影に最適な機能を備えている

D850で撮影された8Kタイムラプスムービーも気になる展示だった。タイムラプスムービーを実際に撮ってみると、露出をマニュアルにしていても明るさがコロコロと変わった現象に悩まされることがある。D850には直前に撮影したフレームを参考にする露出平滑化機能を搭載。明るさの変化を抑えることができるようになっている。

8Kタイムラプスのコーナーが設けられていて、2本の作品が公開されていた

8Kもの解像度があると大迫力の映像を実現できる

またD850は、ミラーアップをしてメカシャッターを開けっ放しにして電子シャッターでの撮影が可能。電子シャッターで撮影できることは、大量にシャッターを切るタイムラプス撮影でもシャッターへの負担を抑えることができる。D850は、8Kタイムラプスを撮るのにコストパフォーマンスの高いカメラといっていいだろう。

撮影を自動化するロボットを展示

自動撮影ロボットの展示も大変な注目を浴びていた。MRMCと呼ばれる映画やテレビ、コマーシャルの特撮に特化したロボット制御ソリューションの製品で、2016年にニコンが買収した100%ニコンの子会社だ。ニコンは、カメラマンが撮影できないようなところから撮りたいというニーズを実現するために買収したという。

MRMCは、映像用のロボットに特化したメーカーだ。例えば、産業用ロボットと同じような動き方で撮影をすると視聴者は酔ってしまう映像になる。そこで、MRMCのロボットは最初ゆっくり動いて早くうごいてゆっくり動くことによって視聴者がスムーズに見られるような映像を実現している。また、決まった位置に高速に動きながらも精密にきちっとした場所に止まるなど、映像に特化したニーズを満たしている。

自動撮影ロボットを使ったソリューションも展示されていた。1つが「Polycam:Chat」で、カメラに映っている最大4名の形の顔と関節の状況を認知して、自動的にカメラが被写体を追いかける。主に小さいスタジオでの用途を想定したものだという。

もう1つが「Polycam:Player」で、ステレオカメラでサッカープレーヤーの位置情報を認知して、それに従ってロボティックポットと呼ばれているロボットが自動追尾するというソリューション。ロボティックポットの中にはニコンのD5が入っている。