2年ぶりリアル開催のInter BEE 2021
Inter BEE 2021 会場出口インタビュー Part1
2年ぶりのリアル開催となったInter BEE 2021。懐かしい人に久々にリアルで会える重要な機会となるわけだが、あまりにも長いこと業界人と喋ってないので、会話が途切れた沈黙への耐性が無くなっているのを激しく痛感した初日であった。
さて今回さっと会場を見て感じたのは、スイッチャーというものがこれほどまでに身近になったことはなかった、ということではないだろうか。これまでは、カメラの人はカメラだけ、みたいな棲み分けが行われてきたものだが、「配信」に関わる人ならみんなスイッチャーがわからないと話にならない時代になった。ちょっと前の「配信」に関わるならカメラがわからないとダメというフェーズが終了して、その背後のシステムに関心が移ってきたのを感じる。
今となっては配信用スイッチャーのメインストリームを突っ走るローランドは、Inter BEEに合わせた新製品はないものの、多くの既存スイッチャーに大幅なアップデートが行われており、多くの来場者で賑わった。配信用スイッチャーの二大巨頭のもう一角、Blackmagic Designが今回出展を見送ったのが実に残念であった。
そしてポスプロ・放送局クラスのスイッチャーはもはや、クラウドで動くソフトウェアスイッチャーという方向に舵を切った。以前からパナソニックは、専用サーバマシン上で動く「KAIROS」を製品化していたが、今回の展示ではそのソフトウェアを汎用クラウド上で動かし、本格的なリモートプロダクションへ踏み出す。
一方、ソニーもクラウド型スイッチャーシステム「M2 Live」を発表。カメラからの映像送りからスイッチングまで、トータルソリューションを展開する。またハードウェアベースではあるが、従来のような専用プロセッサを使わず汎用CPU/GPUを使う新基軸スイッチャー「XVS-G1」も登場した。
カメラが豊作と言われた今回のInter BEEだが、いやいやスイッチャーもどえらいことになっており、本当にこの機会しか見られない展示となっているのであった。