4つのエリアで新製品やソリューションを展開
Panasonic ConnectのNAB2023展示は、4つのエリアで最新の映像技術と新製品ラインアップを用いたソリューションを展示した。
- 「ST 2110 Production Ecosystem」
- 「KAIROS Deep Dive」
- 「PTZ Camera Systems Lineup」
- 「Connected Classroom」
新製品を加えたKAIROSやST 2110での映像制作ソリューション、15周年を迎えたリモートカメラの全ラインナップが揃う展示となった。今回は各担当者の方からお話を聞きつつ各製品を見ていこう。
ST 2110 Production Ecosystem
ST 2110 Production Ecosystemでは、放送局向け展示として、IT/IPプラットフォームKAIROSをコアに、リモートカメラ、スタジオカメラをST 2110で接続したIPベースのシステムを展示していた。
スタジオカメラ、リモートカメラをST 2110のフォーマットでKAIROSとの連携
植山氏:
この展示では、スタジオカメラ、リモートカメラをST 2110のフォーマットでKAIROSと繋げております。一番下手にあるスタジオカメラが新商品のPLマウントのスタジオカメラ「AK-PLV100」になります。
スタジオカメラ「AK-UC4000」、そしてAK-HC3900も展示しており、AK-HC3900はカメラヘッドから直接ST 2110を出力しております。
このスタジオカメラはCCUレスのデモになります。奥にあるリモートカメラ「AW-UE160」もKAIROSに直接ST 2110で繋がっています。
KAIROS第2世代となる新メインフレーム「AT-KC200」
深谷氏:
KAIROSブースでは、今年の2月に発表した新商品の「AT-KC200」を展示しております。こちらのブースでは、KAIROSを1台使って背面のグラフィック、カメラのスイッチング、左右のサイネージの画面全て制御できるというデモを行っております。
深谷氏:
背面にありますグラフィックは横長3面つないだ映像になりますが、KAIROSから出力しています。
また、ブース左右のディスプレイにもKAIROSで合成をした映像を出しております。さらに、このブース内のカメラ全ての映像をST 2110のIP信号でKAIROSに入力し、それを実際にこのKAIROSでスイッチングするデモを行っております。
「KAIROS Deep Dive」
岡崎氏:
KAIROSのクラウドプロダクション展示のポイントは、KAIROS自体はソフトウェアでスイッチャーとして、オンプレミス同様のスイッチングのアプリケーションをクラウド側にも展開できることです。
実際には他社さんのサードパーティー製のサービスと組み合わせ、ストリームの入出力をした上で、インターネット上を通って集めた映像をクラウドのスイッチャーの中で映像を加工して、エフェクトをかけて、それを配信するサービス展開を考えております。
サービス自体はスイッチャーの部分とクラウドの映像を集めて開始する部分という形で提供しています(米国向けを予定)。
コンパクトライブスイッチャー「AV-HSW10」(新製品)
里村氏:
新商品の小型スイッチャー「AV-HSW10」は、ご好評いただきました「AV-HS50」に、多彩なIPプロトコルなどを強化しました。入出力についてはSDI 4本、HDMI 1本、それからIP入力2本の計7本を構成になっています。IPについてはSRT、NDIに対応です。マルチビューでリモートカメラからSRTで映像を引っ張っています。
出力についてはSDI 2本、HDMI 1本、IP出力 2本。それに加えてUVCの出力に対応しています。パソコンとの接続でWebカメラのように使用可能となります。AW-HS50からの変化点として、AUXバスの対応やT型フェーダーを搭載しています。
機能としても、PinP対応のキーが2つ、そのうち1つはクロマキーにも対応しています。この小型の中に上位機種である「AV-UHS500」相当の機能を詰め込んだ高機能な製品になっています。
PTZ Camera Systems
パナソニックのリモートカメラは15周年を迎えた。ブースでは高感度のセンサーを搭載して、新開発の像面位相差オートフォーカス(PDAF)も実現した「AW-UE160」を展示。今秋には屋外対応のリモートカメラ「AW-UR100」が発売となる。
またリモートカメラ内蔵自動追尾機能もConnected Classroom実際の教室を再現してデモが行われていた。自動追尾機能を内蔵することで、設置・設営を簡易に行うことができ、より高速な動きに対しても追従するようなシステムになった。
屋外対応リモートカメラ「AW-UR100」(新製品)
佐々木氏:
パナソニックのリモートカメラは15周年を迎えました。今回、高感度のセンサーを搭載して像面位相差オートフォーカス(PDAF)も実現した「AW-UE160」を展示しています。
もう1つご紹介するのは、今年の秋発売の屋外対応リモートカメラ「AW-UR100」です。AW-UR100では、光学式画揺れ補正(O.I.S.)、電子式ROLL補正(E.I.S.)、パンチルト式画揺れ補正(D.I.S.S.:Dynamic Image Stabilizing System)の3つの揺れ補正を搭載し、ブースでは揺れ補正のデモを行っています。
揺れているように見える映像も、一度振動補正機能を入れると、映像が揺れなく止まって見えます。外の強い風であるとか、ポールに載せた際の振動などを効果的に抑制する仕様になっています。
「Connected Classroom」 (リモートカメラ内蔵自動追尾機能)
植木氏:
文教向けの自動追尾の展示です。リモートカメラ内蔵の自動追尾を今回リリースし、リモートカメラの自動追尾やマイク連動プリセット制御などを用いた映像制作の自動化による、オペレーション簡略化、省力化を提案しています。
自動追尾内蔵の特徴としては、内蔵することで、よりシンプルなオペレーションでユーザーは操作可能になっております。また、運営としてはより低コストでシステム構築が可能となっております。
今まで弊社では外部からの制御を行う自動追尾を行ってきたのですが、それを内蔵することで応答性が向上し、より高速な動きに対しても追従するようなシステムとなりました。
■今回展示の新製品・新技術
- メインフレーム(Kairos Core 200) AT-KC200T
AT-KC200T:性能・機能向上を実現した新しいKAIROSミドルレンジ(2023年6月発売予定) - タッチコントロールパネルソフトウェア AT-SFTC10G
タッチパネルモニターに表示したマルチビュー画面をタッチして、スイッチング、マクロ、シーン選択、クリップ再生などの操作が可能(2023年6月発売予定) - 4Kインテグレーテッドカメラ AW-UE160W/K
スタジオカメラに匹敵する高感度F14/2,000lxで撮影可能なST 2110対応の次世代フラッグシップリモートカメラ(2023年3月発売) - 4Kスタジオカメラ AK-PLV100GSJ
PLレンズマウント採用、5.7Kスーパー35mmセンサーを搭載したST 2110対応の4Kスタジオカメラ(2023年3月発売、海外限定モデル) - 屋外対応4Kインテグレーテッドカメラ AW-UR100
4K60P対応で高精度な映像撮影を実現、豊富なインターフェイスによる柔軟なシステム構築を可能にする屋外対応リモートカメラ(2023年度第2四半期発売予定) - コンパクトライブスイッチャー AV-HSW10
大学の講義や企業のウェビナー、ライブイベントなどで、高品位な映像配信を円滑に行える小型のIP対応スイッチャー(2023年度第3四半期発売予定) - リモートカメラ内蔵自動追尾機能
リモートカメラAW-UE40W/K, AW-UE50W/K, AW-UE80W/Kでシンプルなシステムで簡易に自動追尾ソリューションが構築できるカメラ内蔵自動追尾が可能(2023年内提供予定)
※カメラ内蔵自動追尾機能はリモートカメラAW-UE40W/K、AW-UE50W/K、AW-UE80W/Kに対して、通常のカメラファームウェアアップデート(無償)にて提供予定。提供時期については、AW-UE40W/KおよびAW-UE50W/Kは2023年度第2四半期、AW-UE80W/Kは2023年度第3四半期を予定している