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日本AMDブースは、AIに関する展示が興味深かった。
その中でも気になったのは、生成AIのデモだ。生成AIのデモ自体はそれほど珍しいものではないだろう。ブースのデモ機に「Mount Fuji」と文字を入力して、「このテキストから映像を作ってください」と指示を出すと、GPUが計算をして学習した機械が「富士山はこういうような形」という映像を自動的に作ってくれた。
これまでも生成AIのデモは様々なニュースで取り上げられていて、そのシェアはNVIDIAが突出している感じだ。そんな中でも、AMDのグレードの高いグラフィックスカードを搭載することで家庭向けのパソコンでも実現できる点をアピールしていた。
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このデモは、AMDのROCm(ロックエム)と呼ばれるAIワークロードを最適化するソフトウェア技術で可能にしている。NVIDIAはCUDAと呼ばれるプラットフォームで生成AIモデルを構築可能だが、AMDではROCmで生成AIが可能になる。ハードウェアには、「AMD Radeon RX 7900 XTX Taichi White 24GB OC」と呼ばれるGPUを使用しているところも、このデモのテクノロジーポイントになっているという。
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もう1点のブース注目ポイントは「AMD Instinct MI300Xプラットフォーム」の展示だ。AIは「トレーニング」と「インフェランス」という2つの技術的なポイントに分類されるのだが、そのトレーニングに使われる生成AI向けの高性能GPが「MI300X」だ。現在、AMDの最新の最高性能のGPUで、アジアで実物があるのはここだけという非常に貴重な展示が行われていた。
例えば新しいAIの学習をさせたい場合はラージランゲージモデルと呼ばれる自然言語処理の分野で使用される深層学習モデルがもっともポピュラーだが、この場合にMI300Xの8個搭載モデルがお勧めとしている。各社からMI300X搭載のGPUサーバの発表が始まっていて、これからいろいろなユーザーのところに届くのではないかという。
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