Blackmagic Designは7月25日、渋谷区南平台町のスタジオで、招待制のイベント「URSA Cine 17K 65 Private Touch and Try Event」を開催した。

シネマカメラ「URSA Cine 17K」は、従来レンタルが主だった65mmセンサー搭載の超ハイエンド機を、Blackmagic Designが購入可能な価格帯で発売したことで、多くの注目を集めている。

その一方で、巨大な65mmセンサーのイメージサークルをどのレンズがカバーできるかという点は、ユーザーにとって大きな課題であった。対応レンズとしてLeitz Thaliaは知られているが、非常に高価なシネマレンズであるため使用できる現場が限られており、他のレンズとの相性が模索されていた。

今回のイベントは、そうしたレンズカバレッジに関する疑問を解消するため、様々なメーカーのレンズと「URSA Cine 17K」を実際に組み合わせて試すことができる貴重な機会となった。

会場には、Blackmagic URSA Cine 17K(中央)以外にも、Blackmagic URSA Cine 12K(右)、今後発売予定のBlackmagic PYXIS 12Kのプロトタイプモデルも展示され、体験することができた
17Kと組み合わせて体験できるレンズとして、Tokinaシネマレンズ「VISTA」シリーズ(奥)、GL OpticsのMAMIYA SEKORシリーズ(中間)、IRON GLASSのCarl Zeiss Jenaシリーズ(手前)など、様々なメーカーのレンズが揃えられていた
最も最適な組み合わせと言えるLeitz THALIAシリーズも用意されていた。THALIAの描写力は「別次元」と評しても決して過言ではない、まさに高嶺の花と呼ぶにふさわしいシネマレンズだ

これまで様々な展示会でURSA Cine 17Kは披露されてきたが、レンズを取り外してセンサーを直接確認することは難しかった。今回のイベントは人数を限定して行われたため、Blackmagic Designのスタッフに依頼し、初めてその巨大なセンサーを直接見ることができた。その大きさに、来場者は一様に驚きの声を上げていた。

極めて大きな17520×8040の65mmセンサーを搭載

イベントの注目点は、この65mmセンサーがもたらす描画性能を直接確かめられることであった。会場には複数のレンズが用意され、レンズを交換するたびに描画が大きく変化する様子を体験することができた。

レンズカバレッジに関しては、マミヤの中判スチルカメラ用リハウジングレンズがURSA Cine 17Kのイメージサークルをカバーできることが確認された。一方で、対応する中判リハウジングレンズの種類は限られているため、フルサイズセンサー用レンズでの使用感も焦点となった。実際に試すと、フルサイズ用レンズでも機種によってはケラレが少なく、実用可能なものもあった。イベント主催者は、こうしたレンズとの相性を来場者に積極的に試してほしいとしていた。

GL OpticsのMAMIYA SEKORシリーズとの組み合わせ

描画性能以外の優れた点として、4Kや8Kで撮影する際にセンサーがクロップされないことが挙げられる。これはURSA Cine 12Kとも共通する大きな利点である。

17Kという高解像度での収録は特殊なケースに限られるという見方もあるが、本機はセンサー全体を使用して4K、8K、12Kをクロッピングなしで撮影することが可能である。そのため、高画質なフルサイズカメラとして、より幅広い用途で活用できる利便性を備えているのも大きな特徴といえそうだ。