Blackmagic Designの発表によると、グローバルメディア・テクノロジーグループAdstreamの一部門であるAdProが、同社のAdrackソリューションの要としてTeranex 2D Processorを使用し、世界中の映画用スタジオで、スタンダード変換およびフォーマット変換を行っているという。

AdProは数年前、スタンダード変換用にTeranexを導入し、世界中の4万以上のメディア・バイヤーにテレビコマーシャルを納品するために使用している。ハリウッドの主要なスタジオからのビジネス依頼が増えるにつれ、AdProでは劇場、テレビ、インターネット配信用の映画トレーラーなど、これまで以上に様々なフォーマットかつ、短期間で配信することが求められるようになった。AdPro代表のクレイグ・ラッセルロイ氏は次のようにコメントしている。

ラッセルロイ氏:ハリウッドのスタジオから受注した23.98のトレーラーを、1080p29.97、1080p25、PAL16:9FHAとレターボックス、NTSC16:9FHAとレターボックスに可能な限り早く、そして一度に変換しなければなりません。私たちは、変換したフッテージを世界各国の編集スタジオへと送信します。そして完成して戻ってきたトレーラーを再び私たちの手で配信します。

各Adrackは、6台のTeranex 2D Processorを搭載した48Uのオープンラックに設置されている。他にも6台のBlackmagic Design HyperDeck Studio SSDレコーダー、1台のAudio Monitor、2台のSmartScope Duoモニター、MultiDock SSDドック、そしてCompact Videohubルーターが使用されている。Adrackの横には、4台の編集ステーションが設置され、4台のUltraStudio Expressキャプチャー・再生デバイス、2台のSmartScope Duo 4Kモニター、2台のSmartView HDモニターが搭載されている。

140312_BMD_AdPro_02.jpg

Adrackは、スタジオでの作業用に設計されており、マイアミのオフィスではこれをすべての放送用納品に使用している。Adstream Americaの地域放送マネージャーであるガブリエル・カステラノス氏は、Adrackはアルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイからの発注に必要不可欠だという。これらの国ではPALとNTSC両方が使用されているためだ。どちらのフォーマットを使用するかは、各放送局によって異なる。

カステラノス氏:Adrackを導入する以前は、すべてのタイプの納品に対応するためにサードパーティのサポートが必要でした。どのフォーマットが使用されるか分からなかったからです。現在は6台のTeranex 2D Processorを使用しているので、放送局から正確なオーダーを受けるまで待つことができ、時間やファイルを無駄にせずにすみます。これにより、ラテンアメリカからの受注する仕事のワークフローが非常に効率的になりましたね。また、地元のアメリカのクライアントでもヨーロッパに送信する場合など、Adrackを大いに活用しています。

ラッセルロイ氏:マイアミとロンドンの両方のオフィスにAdrackを導入したことで、一般的なスタジオオーダーの納品に必要な時間が177分から34分になり、AdProは効率化に成功しました。6台のTeranex 2D Processorでトレーラーを変換し、HyperDeck Studioでこの6つの異なるフォーマットを収録するという革新的なワークフローを作成することにより、効率が80%アップしたのです。

140312_BMD_AdPro_03.jpg

ラッセルロイ氏:Adstreamは、革新的なテクノロジーを取り入れるパイオニアとして知られています。同時に高品質を維持して、コストを削減し、納品期日を厳守することにもこだわっています。ハリウッドのスタジオは、Teranex 2D Processorのスタンダード変換の品質とスピードに驚嘆しています。Adrackソリューションを実現できたのは、Blackmagic Designのおかげですね。